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VOL631 阿膠について

阿膠(あきょう)とは、ロバの皮を水で加熱から抽出される膠(にかわ)所謂ゼラチンのことを称します。中国で古くから使われている生薬の一つとなります。2500年前に書かれた中国最古の医学書『五十二病法』に記載されてあります。中国山東省南市平陰県の東阿鎮が主な産地で、名前の由来にもなっています。「東阿阿膠」社の製造技術は中国の無形文化遺産として登録されています。

阿膠について
1 阿膠(あきょう)は、生薬の一種で、補血効果、滋陰作用などの効果が期待できます。
2 阿膠(あきょう)は、潤躁効果、止血効果などもあるとされています。
3 阿膠(あきょう)は、新陳代謝の促進効果、美容効果も期待できます。
4 阿膠(あきょう)は、生理痛の改善、月経不順、子宮の不正出血の改善などの効果も期待できます。

VOL630 枳実について

枳実(きじつ)とは、橙(だいだい)または夏みかんの未熟な果実を乾燥した生薬のことを称します。

枳実について
1 枳実(きじつ)は、生薬の一種で、解熱、健胃作用などの効果が期待できます。
2 枳実(きじつ)は、自律神経を整え、去痰効果があるとされています。
3 枳実(きじつ)は、心機能促進効果もあるとされています。

VOL629 大棗について

大棗(たいそう)とは、クロウメモドキ科の落葉高木であり、果実を乾燥させ、食用され、また生薬としても用いられています。南ヨーロッパ原産、中国、西アジアへ伝わり、中国で広く使われているため、中国原産とも言われています。日本への渡来は奈良時代以前と言われています。中国、韓国では薬膳料理の原料として使用され、砂糖又は蜂蜜(はちみつ)を加えてテチュ茶(ナツメ茶)と称する飲み物もあり、欧米では19世紀頃にキャンディの原材料として使用しています。
棗(なつめ)を乾燥したものは大棗(たいそう)、種子は酸棗仁(さんそうにん)と称する生薬があります。大棗(たいそう)には、強壮、鎮静作用が有り、甘味があり、緩和、強壮、利尿の薬として使われています。民間では、筋肉痛、知覚過敏、咽頭炎に大棗(たいそう)を煎じて、服用する用法があります。そのほか、胃腸が弱っているとき、疲労倦怠や食欲不振、冷え性、不眠にも効果が期待できます。

大棗の効能
1 大棗(たいそう)に含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、消化吸収を良くし、便通を改善させる効果があります。
2 大棗(たいそう)に含まれているビタミンCは、コラーゲンを生成するのに重要な成分であり、肌のハリや髪の毛のツヤの維持効果が期待できます。また、なつめの皮は抗酸化作用をもつポリフェノールが豊富に含まれており、老化や生活習慣病等から身体を守ってくれるエイジングケア効果も注目されています。
3 大棗(たいそう)に含まれている鉄分は、女性がなりやすい貧血に効果がある成分になり、貧血予防に効果が期待できます。
4 大棗(たいそう)に含まれているパントテン酸は、ストレスを和らげ、副腎皮質ホルモンの動きを促し、ストレスへの抵抗力を高める動きがあります。精神を安定させ、ストレスの軽減、イライラや不眠等に効果が期待できます。

VOL628 中秋の名月

中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)とは、旧暦の8月15日の日のことを指します。旧暦では7月から9月を秋とし、8月15日はちょうど秋の真ん中となり、その頃は一年を通して最も月が美しい時期であるとされたことから、平安時代の貴族達は、中秋の名月に月を眺めて和歌を詠む「観月の宴」を開いて楽しんでいたとされています。

2024年の「中秋の名月」は9月17日(旧暦8月15日)
 
月は季節に関わらずいつでも見られますが、なぜ秋の月は綺麗と言われるのか?それは、秋の空気は水分量が春、夏に比べて少なくて、乾燥しているから、そのため、澄んだ空気が月をくっきりと夜空に映し出すのです。また、月は冬に近づくほど、空の高い位置を通り、夏は低い位置を通り、春は地上の埃(ほこり)などで月本来の明るさが霞んでみえます。以上の理由で、空気の水分量、大気の状況や月の高さなど、月が最も綺麗にみえる条件が秋こそ揃っているため、月見に相応しいとされています。
月を眺めて、お団子を食べ、今の日本ではそんなイメージが浸透している中秋の名月だが、もとは平安時代に中国から伝わった風習とされています。しかしながら、中国では伝統菓子「月餅」を供える風習がありますが、日本では芋類や豆類を供え、形を変え現在の月見団子に至りました。月がよく見える場所に台を置き、十五夜に因んで15個団子を大皿に堆く盛るのが昔ながらの伝統的な供え方になります。山のような形に団子を積むのは、一番上の団子が霊界に通じると信じられていた方とも言われています。

VOL627 蒼朮について

蒼朮(そうじゅつ)とは、ホソバオケラとシナオケラ又はそれらの雑種の根茎のことを称します。ホソバオケラは中国原産との多年草木で、中国より江戸時代に渡来し、特に佐渡島で盛んに栽培されたことから「サドオケラ」とも呼ばれています。現在、国内での生産はほとんどない状態です。生薬の蒼朮(そうじゅつ)はホソバオケラの根茎の部分を利用、特異な匂いがあり、味はほんのり苦いです。

蒼朮について
1 蒼朮(そうじゅつ)は、生薬の一種で、健胃、止潟整腸、利尿などの効果が期待できます。
2 蒼朮(そうじゅつ)は、滋養強壮、鎮暈効果、鎮痛効果があるとされています。
3 蒼朮(そうじゅつ)は、利水効果、発汗などの効果を期待できます。

VOL626 麻黄について

麻黄(まおう)とは、マオウ科マオウ属で、常緑低木でユーラシア(中国からヨーロッパの地中海沿岸)、北アフリカ、南北アメリカ大陸の乾燥地に50種ほどが分布している植物のことを称します。地上部の茎を薬用として利用、細い円柱状から楕円柱状となり、淡緑から黄緑色、僅かに匂いがあり、味は渋くてほろ苦く、やや麻痺性があるとされています。

麻黄について
1 麻黄(まおう)は、生薬の一種で、風邪、インフルエンザ(初期)喘息などに効果が期待できます。
2 麻黄(まおう)は、発汗、鎮痛、鎮咳、去痰など効果があるとされています。
3 麻黄(まおう)は、発熱悪寒、頭痛、身体疼痛、骨節痛などの改善効果があるとされています。

麻黄の副作用について
1、 不眠、動悸、頻脈
2、 血圧の上昇
3、 発汗、排尿障害など
4、 心臓に刺激する恐れがあるため、狭心症・不整脈の持病のある人が要注意

VOL625 山梔子について

山梔子(サンシシ)とは、アカネ科クチナシ属の常緑低木で、その果実を乾燥したものものは生薬になります。東アジアの朝鮮半島、中国、台湾、インドシナ半島に広く分布し、国内では本州の静岡県以西、四国、九州、南西諸島の森に自生しています。その果実は薬用になり、カロテン、イリノイド配糖体のゲニポシド、ゲニポシド酸、フラボノイドのガーデニンや、精油などが含まれています。ちなみに、カロテンはプロビタミンAとも呼ばれ、人間の体内で吸収されてビタミンAに変化します。また、乾燥させた果実は古くから黄色の着色料として用いられます。

山梔子について
1 山梔子(サンシシ)は、生薬の一種で、果実を水で煮だしエキスには、胆管や腸管の狭まりを拡張させる効果があるとされています。
2 山梔子(サンシシ)、消炎、利尿、止血、鎮痛、鎮痙(痙攣を鎮める)効果があると言われています。

山梔子の注意点
1、 胃腸が冷えやすい人の服用は禁忌(きんき)
2、 妊婦の服用は禁忌

VOL624 茴香について

茴香(ういきょう)とは、セリ科ウイキョウ属、多年生の草木植物で、ウイキョウ属唯一の種になります。茴香は伝統なハーブとして知られ、英語名はフェンネルとも呼ばれています。甘みのある香りと樟脳(しょうのう)のような風味で、古くから香辛料や薬草などとして用いられています。
生薬の茴香は、秋に成熟した果実(種子)を集めて乾燥したものになります。

茴香について
1 茴香(ういきょう)は、生薬の一種で、健胃、鎮痛などの効果が期待できます。
2 茴香は、食欲減退、腹痛、下腹部痛、神経質で胃痛や胸焼けがあるなどの症状によく用いられます。

VOL623 白露について

今日は9月7日(土)、二十四節季の第十五番の白露(はくろ)です。「暦便覧」では、「陰気ようやく重なりて、こごりて白色となれば也」、と説明をしています。夜の間に大気が冷え込み、草花や木に朝露(あさつゆ)が宿り始め、野には薄の穂が顔出し、秋の趣がひとしおかんじられ、空が高くなり、本格的な秋の到来を感じられる頃になります。日中の暑さも和らぎはじめ、朝夕の心地よい涼風に、幾分の肌寒さも感じさせる涼風が混じり始めます。
「白露の候」とは、白露の日から、次の節季「秋分(しゅうぶん)」の前日まで使うことができます。今年の秋分は9月22日の為、9月7日から9月21日までは「白露の候」と称することができます。

「白露の三候」
「初候」…9月7日~9月11日頃、草露白(くさのつゆしろし)、草花の上に降りた朝露が、白く涼しく見え頃になります。夏から秋への変わり目、「露が降りると晴れ」という言葉があり、一日の天気を伝えてくれます。
「次候」…9月12日~16日頃、鶺鴒鳴(せきれいなく)、鶺鴒の声が響き渡る頃になります。鶺鴒(せきれい)は水辺を好む鳥の為、川の上流に行くほど多く見られ、町中ではあまり見かけられないかもしれませんが、民家の軒下などにも巣を作ります。
「末候」…9月17日~9月21日頃、玄鳥去(つばめさる)、暖かくなる春先に日本にやってきた燕(つばめ)が暖かい南に帰って行く頃になります。来年の春先にまた戻ってくるので、しばしのお別れとなります。

白露の食べ物
⚫️南瓜(かぼちゃ)
おかずにもお菓子にも使える南瓜は、免疫力を高めるβ-カロテン、冷え症改善に良いビタミンEが多く含まれているので、季節の変わり目である現在の時期にぴったりな食材になります。
⚫️秋刀魚(さんま)
秋の味覚の代表である秋刀魚、美味しい秋刀魚は皮がピンとハリ、背が青黒く光っています。頭から背中にかけて盛り上がり、口先が黄色をしているのは脂が乗っている証です。

白露の花
●鶏頭(けいとう)
鶏の鶏冠のような花を咲かせることから、この名前が付けられました。鶏冠系、久留米系、キルドシー系、プルモサ系と四つの系統に分かれており、草丈や花の形は様々です。

白露の行事
⚫️中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)
旧暦8月15日は満月にあたり、「中秋の名月」又は「十五夜」とも呼びます。ちょうど里芋の収穫時期でもあるので「芋名月」とも呼ばれています。日本では月見団子やススキをお供えしますが、地域によっては芋や栗もお供えられます。

VOL622 知母について

知母(ちも)とは、リュウゼツラン科ハナスゲ属に属する植物の一種、多年草、その根茎を乾燥したものを称します。春又は秋に根茎を掘り出し、地上部と根を除いて陰干しするものは毛知母(もうちも)と称します。また、外皮を削り取り天日干しで乾燥するものは知母肉(ちもにく)と称します。中国東北部河北省などに自生し、5月から6月にかけ白黄色から淡青紫色の花を咲かせます。

知母について
1 知母(ちも)は、生薬の一種で、消炎、解熱作用があるとされています。
2 知母は、鎮静作用もあり、利尿効果も期待できます。
3 知母は、発熱による下痢、便秘、脱水、排尿障害にを治す漢方薬として使用されています。