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vol.159 秋にお勧めの薬膳食材になる野菜

2022年9月13日

薬膳とは、季節によって、食べる人の体調に合わせ、食材や生薬、または漢方薬の原料になるものを組み合わせた料理のことを言います。薬膳を食べることによって、体質改善を図り、身体のバランスを整え、普段の食事から薬膳を取り入れることによって、健康を目指します。古くから食べることで体質を改善できるという考えに基づき、食事が作られてきましたが。現代社会、様々なことを理由に、食事本来の意味が忘れがちになりました。改めて、食事本来の意義を思い出し、ただ食事をするではなく、普段の食事から、それぞれの食材の栄養や、組み合わせについて考え直してみましょう。

秋は、立秋から立冬までの3か月を言い、気候が段々寒くなって、日照時間が短くなり、暑い夏から徐々に涼しくなり、寒い冬に入っていく時期になります。また、葉が色付いて落ちる為、人々は心の中でもの寂しさを感じ、情緒の不安定や感傷的になりやすい憂鬱な気持ちになり、これは乾燥しやすい大気のせいかもしれない。しかし、秋は清々しく、実りの季節でもあり、収穫の喜び、冬を迎える為の準備期間でもあります。人体は冬を越える準備に入る時期なので、陽の気と陰の気が入れ替わる過渡期でもあり、養生を考慮に入れ、飲食、精神、意識、起居、運動等の面で工夫する必要になってきます。

秋というのは、物事を仕上げたり、整理したりするのに相応しい季節であり、秋になって何が新しいことを始めようとすると秋の気である肺を傷めます。肺に影響するのは冷えだけではなく、秋を深まってくると乾燥の気が盛んになり、喉や鼻の粘膜や皮膚表面が敏感になり、炎症を起こしやすくなります。そこに燥を潤す物を食べることを薬膳の観点からお勧めできる食材としては、豚肉、豆腐、牛乳、白胡麻、白木耳、梨、豆乳、ホタテ、林檎、卵、ハチミツ、クコの実等々挙げられます。また、秋は、胡麻(ごま)、糯米(もちこめ)、粳米(うるちこめ)、ハチミツ、枇杷(びわ)、乳製品等の柔らかい物を食べ
たほうがいい、胃を益し、唾液の分泌を促し、身体を潤してくれます。さらに、果物に水分が豊富で潤す働きがあり、ただし、果物には冷やす作用が強い為、摂りすぎに注意しましょう。

旬のものを上手に取り入れることが大事

旬の物はハウス物よりミネラルが豊富で、秋の根菜類と言えば、人参、さつま芋、牛蒡、山芋、じゃがいも、かぶ、大根、ヤーコン、里芋、百合根、蓮根等があります。秋のキノコ類と言えば、松茸、マッシュルーム、椎茸、なめこ、しめじ、ひらたけ、木耳等があります。その他の野菜と言えば、茄子、ルッコラ、コールラビ、玉ねぎ、南瓜、チンゲン菜等もあります。
ちなみに、秋刀魚(いわし)、鰯(いわし)、鯖(さば)などの魚も脂がのって美味しい季節にもなっています。