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vol.160 松茸について
2022年9月14日
松茸(まつたけ)とは、キシメジ科キシメジ属キシメジ亜属マツタケ節のキノコ一種であり、日本やロシアを含むアジアとヨーロッパ、北アメリカに分布します。シメジや椎茸のように人工栽培することが難しく、今なお自然発生している物を採取し、出荷されている為、非常に高価なキノコになっています。日本では松茸はキノコ最高峰として知られ、好んで食べる日本人位で、海外ではこの香りが逆に臭いと感じられ、ヨーロッパのトリュフのような好き嫌いがはっきり分かれています。
松茸の効能
① 松茸の独特な香りは、松茸オール(1‐オクテン‐3-オール)と呼ばれている不飽和アルコールと桂皮酸(けいひさん)メチル(メチルシンナメート)によるもので、日本人が好む香りで、食欲増進効果が期待できます。これらの香り成分は、松茸のかさのひだ部分に多く存在します。ちなみに、桂皮メチルは、韓国産松茸に比べて国産松茸の方が1.8倍ほど多く含まれていることがすでに実証されています。また、この香り成分は現在人工的にも生成し、添加物として利用されています。
② 松茸に含まれているカリウムは、ナトリウム(塩分)を排出しやすく機能があり、塩分の摂りすぎにより引き起こされる高血圧やむくみの改善に役に立ちます。また、カリウムは、神経刺激の伝達や筋肉の収縮にも関わります。ちなみに、カリウムが不足すると、脱力感、食欲不振、筋力低下、不整脈といった症状がみられることが多くなります。
③ 松茸に含まれているβ—グルカンを始め食物繊維が沢山含まれ、腸の善玉菌の働きを助け、腸内環境を整え、便秘解消のほか、有害な成分を排出するのに役に立つとされています。
④ 松茸に多く含まれている鉄分は、貧血予防に役に立ちます。鉄分が不足すると、貧血、集中低下、頭痛、食欲不振などの症状がみられます。
⑤ 松茸に多く含まれている葉酸葉、赤血球を造ることから「血のビタミン」と呼ばれ、胎児の神経閉鎖障害のリスクを低減させる効果が認められ、妊婦にお勧めの栄養素になります。
⑥ 松茸に含まれているビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収を促す作用があり、骨と歯の健康維持に効果が期待できます。ちなみに、松茸自体にもカルシウムが含まれていますが、乳製品や葉物野菜などのカルシウムが豊富な食材と食べ合わせることで、より高い効果が期待できます。
松茸の呼び方
●コロ…地面から発生し、指のような形をした傘が全く開いていないもの
●ツボミ…少し傘の部分が膨らみ始めてきたもの
●開き…傘が開いたもの
松茸の選び方
●傘の開きが5分までの物を選びましょう
●弾力がある物を選びましょう
●鮮度が良ければ、香りの強い物を選びましょう
*傘の裏の襞が黒ずんでいる物は香りが抜けていることが多く、出来れば避けた方が良い*
松茸の保存方法と扱い方
鮮度が落ちると、香が飛んでしまう為、なるべく早く食べることをお勧めします。
●新聞紙やキッチンペーパーを濡らして、包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保存しましょう
●使う際には、土付きの部分を、鉛筆の芯を削るように薄く殺ぎ落とし、表面を濡れた付近など優しく拭き取るようにしましょう
●松茸の風味が落ちたり、栄養素が損なわれたりするため、通常の水洗いしないようにしましょう。濡らした布巾などで表面の汚れをふき取るだけにしましょう。しかし、天然物の松茸には、人工栽培された物より泥やごみが多く付着している場合が多く、汚れが気になる場合、ボウルにためた水で優しく洗うことをしましょう。
●風味や栄養素の流出が気になる場合、真水ではなく、食塩水で洗うこともお勧めします。