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vol.187 じゃがいもについて

2022年10月26日

じゃがいもとは、ナス科ナス属の多年草の植物であり、世界中で栽培されています。澱粉が多く蓄えられる地下茎が芋の一種で、保存がきく野菜として扱われる一方で、主食にもなりえる食材として知られています。じゃがいもは、南アメリカのアンデス山脈原産になり、大航海時代にヨーロッパ各地に伝わり、保存性が高く、当時の船乗りたちの食料として重宝されていました。
日本に伝来について諸説あるが、1598年にオランダの人によって持ち込まれたのは最も有力説になります。ちなみに、ジャワ島のジャガタラを経由して長崎へ伝来した為ジャガタライモと呼称されたが、それが短縮されジャじゃがいもになったと言われています。江戸時代後期の18世紀末には、ロシア人の影響で北海道・東北地方に移入され、飢饉対策としてじゃがいもが栽培されるようになりました。
じゃがいも本格的に導入されたのは明治維新後で、北海道の開拓に利用され、初代根室県令湯地定基により普及し、川田龍吉男爵により特に男爵芋が定着しました。当初は、西洋料理の素材としての需要であったが、洋食の普及とともに、徐々に肉じゃがなど、日本の家庭料理にも取り入れられるようになりました。

じゃがいもの効能

① じゃがいもに含まれているビタミンCは、みかんと同程度になり、水溶性ビタミンの一種で、水に溶けやすい性質を持っています。また、ビタミンCは、抗酸化作用があり、活性酸素を抑える為、老化防止効果が期待できます。さらに、じゃがいもに含まれているビタミンCは、澱粉によって保護されている為、熱に強く、煮ても焼いてもあまりビタミンCが減らない特徴があり、加熱調理に向いています。
② じゃがいもに含まれているビタミンB2は、水溶性ビタミンの一種で水に溶けやすい性質を持っているが、他の水溶性ビタミンと比べると水にとけにくいといった特徴があり、熱に強いため、加熱調理と相性の良い栄養素になります。また、ビタミンB2は、成長を促進する為、髪や皮膚などを作る働きがあるだけでなく、脂質や糖質の代謝を促進する働きもあります。
③ じゃがいもに含まれているビタミンB6は、脂質のサポートをしたり、エネルギーを作り出したりする働きをするために、動脈硬化の予防、脂肪肝の予防効果が期待できます。
④ じゃがいもに含まれているナイアシンは、補助酵素として酵素の働きを助ける役割をし、これにより皮膚や粘膜の健康を維持し、細胞の生まれ変わりに役に立ちます。さらに、血行の促進や二日酔いの予防などの働きも期待できます。
⑤ じゃがいもに豊富に含まれているカリウムは、食塩の摂りすぎを防ぎ、高血圧症予防効果が期待できます。また、筋肉の収縮にも関係し、筋肉の維持をする働きも期待できます。
⑥ じゃがいもに含まれているパントテン酸は、補助酵素として酵素の働きをサポートするだけではなく、副腎皮質ホルモンの働きを促してストレスを和らげる働きも期待できます。また、動脈硬化の予防や、コラーゲンの生成をする際のビタミンCの働きをサポートする役割も果たしています。
⑦ じゃがいもに含まれている食物繊維は、腸内環境を整える役割があり、便秘改善効果が期待できます。また、糖尿病の予防やコレステロール値を低下させる働きが期待できます。
⑧ じゃがいもに含まれているマグネシウムは、必須ミネラルの一種であり、カルシウムなど共に丈夫な骨や歯をつくる働きがあり、高血圧症予防や生活習慣病予防効果が期待できます。

じゃがいもの皮の成分

① じゃがいもの皮に含まれている鉄分は、ミネラルの一種で、組織や細胞に酸素を運ぶ役割を担っており、身体を動かす上で重要になり、または貧血の予防効果も期待できます。
② じゃがいもの皮に含まれているクロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用の働きをする為、老化防止に役に立ちます。

じゃがいもの選び方

●芽が出始めていないか、確かめて選びましょう
●しなびた感じの柔ら買い物を避け、しっかり硬い物を選びましょう
●メークイン系の場合、表面がつるとしている明るい色の物を選びましょう
●新じゃがいもの場合、表面の皮が薄く、指ではがれそうなくらいの物を選びましょう(表面の皮が薄くはがれやすい物が新しく、古くなると皮が厚くなり手で剥けなくなります。

じゃがいもの保存方法

●じゃがいもは生きている為、暗く風通しの良い場所に置いておき、明るいと芽の部分や緑色になった皮の部分に有毒物質のソラニンが増えやすくなる為、暗い場所の保存がお勧めします。
●発芽を抑えるには、林檎を一緒に置くことをお勧めします。
●じゃがいもの皮を剥いて、切った状態で保存する場合、ほんの少しお酢を加えた水に浸して冷蔵保存しておくと、変色を避けられます。

次回は、じゃがいもを使った調理例を紹介します。