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vol.196 蓮根について

2022年11月9日

蓮根(れんこん)とは、食用に用いられる蓮(はす)の地下茎の部分のことを称します。見た目は根のようなので蓮の根と言われるようになりました。今市場に出荷されている物にはかなり昔に中国から伝えられた在来種と、明治時代以降に中国から入ってきた中国種があります。
日本では江戸時代中期から蓮根を食用として栽培し、古くは漢方薬として使用されるほど栄養が豊富です。また、日本ではお節料理に欠かせない物になっており、それは蓮根の形状に理由があります。輪切りにした時に丸い空洞が並んでいて、向こうが良く見えることから、「先の見通しが良い」という縁起を担いで食べます。

蓮根の効能

1、 蓮根に含まれているビタミンCは、その量はみかんの約1.5倍になります。ビタミンCは、強い抗酸化作用があり、疲労回復効果、免疫力向上効果が期待できます。また、動脈硬化やがん等の予防効果も期待できます。本来ビタミンCは熱に弱いですが、蓮根に含まれている澱粉質がビタミンCを守り、加熱調理しても残存率が高いのは特徴です。
2、 蓮根に含まれている食物繊維は、水溶性食物繊維であるペクチンも含まれていますが、不溶性食物繊維の方が多いのは特徴です。ペクチンは水に溶けやすい食物繊維で、高血圧症予防効果が期待できます。そして不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、水分を吸収して便のカサを増やし排便をスムーズにする働きがあり、便秘改善効果が期待できます。
3、 蓮根に含まれているカリウムは、尿中にナトリウムを排泄する働きがあるので、塩分摂りすぎを調整し、高血圧症予防効果が期待できます。
4、 蓮根に含まれているタンニンは、ポリフェノールの一種であり、止血作用や炎症を抑える働きがあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に効果が期待できます。

蓮根の選び方

●全体的にふっくらとしている物を選びましょう
●ずっしりと重みのある物を選びましょう
●表面に艶があり、傷のない物を選びましょう
●カットされている場合、切口が変色していない物を選びましょう
●穴の中に黒ずんでいない物を選びましょう

新蓮根の保存方法

●通常の場合室温が25℃以下になる冬場であれば常温保存が可能
●カットされていない物は、濡らしたキチンペーパなどで包み、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存
●カットされている物やそれ冬場以外の時期は、冷蔵保存がお勧め
●カットされている物はラップで包み、空気に触れないようにして、冷蔵庫の野菜室に保存
●カットされている物は傷みやすい為、早めに食すことはもちろんですが、切り口が変色してしまった場合には、断面を薄く切ってから調理すること
●カットした蓮根を酢水にさらし、よく水気を切り、ラップで包んでポリ袋に入れて、冷凍保存も可能(冷凍の場合約1か月保管できる)

新蓮根と蓮根の違い

●新蓮根
6月以降に収穫される蓮根を「新蓮根」と称します。この時期の蓮根はみずみずしくあっさりとした味わいです。新蓮根は輪切りにすることで、よりシャキシャキとした食感が味わうことができ、サラダなどに入れることをお勧めします。
●蓮根
晩秋から冬にかけて収穫される蓮根は、粘りと甘味が強くなる特徴があります。それは収穫される前に田んぼの中で寝かせたことにより、澱粉質が糖質に変化した為です。この時期の蓮根は、天ぷらにしたり、すりおろして蓮根餅にしたり、加熱調理をすることで、より粘りと甘味が味わうことが出来ます。

次回は、蓮根を使った調理例を紹介します。