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VOL328 芒種について

2023年6月6日

2023年6月6日(火)、二十四節季の第九番目の芒種(ぼうしゅ)です。

「暦便覧」によると、「芒(のぎ)ある穀類、稼種(かしゅ)する時也」、稲の穂先のように芒(のぎ)のある穀物の種まきをする頃になります。実際には、現在の種まきはこれよりもかなり早い時期になっています。ちなみに、芒(のぎ)というのは、稲でいう籾殻(もみがら)にある棘(とげ)のような突起(とっき)のことを称します。

西日本で梅雨入り頃になり、沖縄では小満(しょうまん)から芒種(ぼうしゅ)が梅雨の時期にあたり、梅雨のことを沖縄の方言で「小満芒種(すーまんぼーすー)と言うのです。

「芒種の候」とは、芒種の日から、次の節季「夏至(げし)」の前日まで使うことができます。今年の夏至は6月21日の為、6月6日から6月20日までは「芒種の候」と称することができます。

芒種の三候」

1 「初候」…蟷螂生(かまきりしょうず)、6月6日から6月10日頃、秋に産みつけられた卵から、蟷螂(かまきり)が誕生する頃になります。蟷螂(かまきり)は農作物には手をつけず、害虫を捕まえてくれる、私たち人類にとって有難い存在です。

2 「次候」…腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)、6月11日から6月15日頃、蛍(ほたる)が暗闇(くらやみ)に光を放ちながら、飛び交う頃になります。綺麗な水辺にしか住まわないと思われがちですが、野原でも蒸れた腐りかけた草の下でも、光を灯し始めます。

3 「末候」…梅子黄(うめのみきばむ)、6月16日から6月20日頃、梅雨入りと同じくして、梅の実が薄黄色に色づく頃になります。梅雨(つゆ)という言葉は、梅の実が熟す頃の雨と言われています。黴(かび)が生えやすい季節の為、「黴雨(ばいう)」と書くこともあります。

芒種

●紫陽花(あじさい)

 紫陽花は梅雨時を象徴する日本固有の花です。「万葉集」にも名前が出て来るほど古くから知られています。鎌倉時代に園芸化され、江戸時代には一般的な庭園植物となりました。

芒種食べ物

●縞鯵(しまあじ)

 鯵(あじ)の中では最も美味しいとされる高級魚になります。大きいものは、体長1mにも達し「オオカミ鯵」と呼ばれることがあります。刺身で食べられる事が多く、塩焼き、酒蒸しにも合います。

●トマト

 初夏に取れるトマトを「冬春トマト」、夏から秋に取れるトマトを「夏秋トマト」と称します。太陽を浴びた真っ赤に育った、冬春トマトと夏秋トマトは糖度が高く、味が濃いのが特徴です。

芒種の行事

●田植えの祭

 六月の田植えの時期には、大阪住吉大社で行われる御田植神事などを初め、全国各地で、今年の豊作を田の神様にお祈りする祭りが行われます。

●父の日

アメリカで、男手ひとつで育てられた女の子が「父への感謝を」と提唱したのが始まりです。日本では6月の第三日曜日が父の日とされています。