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VOL418 重陽の節句について

2023年10月23日

 今日は10月23日(月)旧暦9月9日、重陽の節句になります。五節句の一つになり、「菊の節句」とも呼ばれ、菊酒を飲んだり、栗ご飯を食べたりして、無病息災や長寿を願います。「重陽の節句」は平安時代の初めに中国より伝わってきました。古来中国では、奇数は縁起が良い「陽数」、偶数は縁起の悪い「陰数」と考えられ、陽数の最大値である「9」が重なる9月9日「重陽」と呼ばれ、節句の一つになったと言われています。

旧暦9月9日頃は菊の咲く季節であり、薬効性の高い菊を生活の中で使ったり、愛でたりしていたこともあります。菊は仙境に咲く霊薬と言われ、邪気を払い、長寿の効能があると言い伝えてきました。菊を行事に用いた為、重陽の節句では、菊の香りを移した菊酒を飲んで、邪気を払い無病息災や長寿を願うと親しまれていました。また、重陽の節句は作物の収穫時期と重なる為、庶民の間では「栗の節句」とも言い、「栗ご飯」を食べて祝うこともあります。
しかしながら、改暦以降は新暦で行事を行うこととなり、菊の開花や栗の収穫よりも、節句の時期が早すぎるようになり、だんだん他の節句よりも印象が薄くなり、そうした中で廃れていき、祀る地域も少なくなってしまいました。最近では、あまり馴染みがない節句になってしまいましたが、旧暦を使用していた頃までは五節句を締めくくる最後の行事として盛んに行われていました。

重陽の節句の行事
●「菊の着せ綿」…観菊の宴の前日に、菊の花に真綿を被せ、宴を開催さる朝に菊の香りと露を含んだ真綿を使用し、顔や身体を拭いて無病息災を祈ります。
●「菊湯・菊枕」…重陽の節句の日は、菊の花を浮かべた湯船に入ったり、乾燥した菊の花びらを詰まった枕で寝たり、菊の香りには邪気を払う力があると言われている為です。
●「菊合わせ」…大切に育てた菊を持ち美を競うこと、現在の菊の品評会や観賞会の前身とも言われています。

重陽の節句の食べ物
1、 菊酒
2、 菊茶
3、 栗ご飯
4、 月を見立てた里芋料理など