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VOL512 乾燥椎茸について

2024年3月19日

乾燥椎茸とは、名前通り椎茸を乾燥させたもの、干し椎茸とも称します。古くから中国で食べられていた、およそ9世紀頃に日本に渡ってきたと言われています。16世紀まで日本の文献に乾燥椎茸についての記載が殆どなくて、16世紀になると当時の料理書などに度々現れるようになり、汁物、煮物、お菓子などに使われていた記録が残っています。
また、江戸時代になると人工栽培が始まり、生産量と流通量も徐々に増えてきた、大正時代になると、お盆や正月など“晴れの日”にだけ使う高級品として定着し始めました。その後、栽培方法や乾燥方法の改良によって、品質が向上し、戦後全国に生産地が広がっていました。農林水産省の『令和2年特有林産物生産統計調査』によると、乾燥椎茸生産量、集荷販売量ともに一位を誇るのは大分県、二位は宮崎県、三位は熊本県の順になっています。
椎茸を乾燥することによって、椎茸に含まれているエリゴステロールという成分がビタミンDに変化します。そのため乾燥椎茸のビタミンD含有量は、生の状態の約10倍にもなります。また、旨味、香り成分が化学的に増すという特徴があり、出汁をとったり、水で戻してから煮物、佃煮にしたりすることが多いです。

椎茸の栽培方法として
原木栽培

原木栽培とは、クヌギやナラの木に椎茸の菌を打ち付け、大自然でじっくり時間をかけて育てる方法です。自然環境の育ちため、天気に左右されやすく、品質と生産量が比較的に不安定の部分があります。その代わりに、原木椎茸は食物繊維と香り成分が多く含まれ、食感と香りを十分楽しめるものになります。

菌床栽培

菌床栽培とは、一般的にはおがくずを固めたものに椎茸菌を打ち付け、ビニルハウス等の場所で短期間育てる栽培方法です。菌床栽培の場合、期間が短く、天候に左右されず、生産量の安定性が最大のメリットです。