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VOL580 杜仲について
2024年7月2日
杜仲(とちゅう)とは、トチュウ目トチュウ科を構成する唯一の種で、20年程度で高さが20mにも達する落葉高木で、雌花をつける株と雄花をつける株の区別がある雌雄異株(しゆういしゅ)の樹木のことを称します。
杜仲は、中国原産の1種類しか存在していません。実は、杜仲が最も繁殖していたのは、恐竜時代末期の6千万年前頃から6百万年前のこと。その当時には多くの地域で、いろいろな種類の杜仲が存在していたようで、中央ヨーロッパ、北米、そして日本と、世界の各地で杜仲の化石が見つかっています。恐竜さえも絶滅した氷河期に杜仲の木も大きな打撃を受け、生き伸びたのは1種類だけ。今、私たちが目にしている杜仲は、そのような果てしない過去から現在に至るまで、力強く生命をつないできたたくましい植物なのです。このような経緯から、杜仲は「現代の生きた化石植物」とも呼ばれています。
杜仲(とちゅう)の樹皮は、中国五大漢方薬の一つとして知られています。古くから、降圧、利尿、強壮、鎮痛のために使用されてきました。「本草綱目(ほんぞうこうもく)」にもその薬効性や用法がきされており、さらに遡って中国最古の薬物学書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)にもすでに記載されていました。ちなみに、「無毒で、たくさん服用しても、長く飲み続けても、人の体を損なわない」と、安全な上級薬草に分類されています。近年杜仲の葉にも樹皮と同じ成分が含まれていることが報告されています。
中国五大漢方とは
1、 杜仲(とちゅう)
2、 芍薬(しゃくやく)
3、 鹿茸(ろくじょう)
4、 人参(にんじん)
5、 冬虫夏草(とうちゅうかそう)
杜仲の効能
1、 杜仲に含まれているリグナン成分は、抗ストレス、更年期障害、血圧降下、滋養強壮に効果があるとされています。
2、 杜仲に含まれているビタミンAは、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める働きがあるとされています。
3、 杜仲に含まれているビタミンCは、疲労回復や免疫力向上に効果が期待できます。