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VOL588 冬虫夏草について
2024年7月12日
冬虫夏草(とうちゅうかそう)とは、子嚢菌類(しのうきんるい)のきのこの一種で、土中の昆虫類に寄生した菌糸から地上に子実体を作るものとなります。中医学・漢方薬の生薬、薬膳料理、中華料理などの素材として広く使用されています。
冬虫夏草広義には、ニイニイゼミの幼虫に寄生するセミタケ、蛾の幼虫類に寄生するサナギタケなどを幅広く指します。セミタケの場合は神社の境内、庭園などに分布するニイニイゼミの幼虫に寄生します。サナギタケの場合は、雑木林で蛾の幼虫に寄生します。また、ジャングルにも多くの種が分布しており、その数は1000を超えます。
冬虫夏草狭義には、チベットなどに生息するオオコウモリガの幼虫に寄生して発生するオフィオコルディセプス・シネンシスのみを指す用例があるとされています。1中国では、チベット高原やヒマラヤ地方の海抜3000メートルから4000メートルの高山地帯で、草原の地中にトンネル掘って暮らす大型のコウモリガ科の蛾の幼虫に寄生します。チベット、青海省、四川省を中心に、雲南省、甘粛省、貴州省などでよく見られ、夏に採取されています。この種の蛾は夏に地面に産卵し、約一カ月で孵化して、土に潜り込むが、この時に冬虫夏草の真菌に感染すると、幼虫の体内で菌がゆっくり成長し、幼虫は約4年で成虫となるが、幼虫の中で徐々に増えた菌は、春になると幼虫の養分を利用して菌糸が成長を始め、夏に地面から生えます。地中部は幼虫の外観を保っており「冬虫夏草」の姿となります。
冬虫夏草について
冬虫夏草薬用の場合、国内では冬虫夏草のエキスは生体全組織におけるATPの効率的な生産を可能にし、生体全機能の向上改善に寄与すると考えられています。毒性作用は認められていなく、冬虫夏草菌類から免疫抑制物質が発見されており、それをもとにした創薬が期待されています。
冬虫夏草食用する場合、薬膳料理によく使用されています。また、四川料理における利用では、アヒルの腹にお湯で戻した乾燥冬虫夏草をつめ、ネギや生姜、紹興酒などを加えてじっくり煮るスープ「虫草鴨子(ちょんつぁおやーず)」が最も有名です。さらに、薬酒を作る材料としても使用されています。