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VOL637 秋の食養生法

2024年10月1日

秋は、移り変わりの季節であり、季節の前半と季節の後半では、気温の差とても大きくものになります。中医学では、秋は他の季節と違って、短い期間で真夏から真冬に向かう期間であることから、秋の前半を「温燥」、秋の後半は「涼燥」と呼ばれています。

快適な秋を過ごすため注意点が2つあります。

1.隠れ脱水に注意
「一雨一度」の言葉通り、雨のたびに少しずつ秋らしい空気が漂い、秋らしさが増し、過ごしやすい季節になります。涼しくなった途端に、様々の理由で何枚も何枚も重ね着こめるようになり、汗がかきにくく、水分補給が必要な状態になっても身体が感知せず、それだけ身体の機能が低下しているのが高齢者です。「夏でもなく、野外でもない」環境で起こる脱水症状を隠れ脱水と言い、中でも、高齢者で糖尿病や高血圧症などの持病があり、栄養不良、肥満気味の方は、隠れ脱水になるリスクが高くなりまず。

2.秋バテに注意
通常夏バテは暑さが和らいでくると同時に体調も回復してくるものですが、基礎体力と免疫力が低下している為、回復が遅くなり、予想外の体調不良を引きずってしまうことが心配されています。
秋バテを解消する為に、まずは生活習慣を見直し、徐々に夏型の生活からシフトし、栄養バランスが取れた食事を心がけましょう。胃腸を刺激する冷たい食べ物を避け、ミネラル、ビタミン類、蛋白質等疲労回復やエネルギー代謝に効果的な食べ物を積極的に取り入れましょう。
次は室温の見直し、秋になってもまだまだエアコンに頼らなくてはいけない日々が続き、徐々にエアコンから離れをするように心かけましょう。また、入浴することによって、血行を促し、筋肉を和らげ、体内に溜まっていた老廃物を排出させようという働きが活発になり、リラックス効果期待できます。さらに、適当な運動と、しっかりした睡眠が体調を整える為に非常に重要です。

バランスの取れた食事が最も有効な養生方法

補気(ほき)
夏の疲れを改善し、温度差に対応できるように体内の気を補う
補気に適する食材
米、鶏肉、豆類、かぼちゃ、しゃがいも、長芋、椎茸、さつま芋、鮭など

潤燥(じゅんそう)
秋の邪気である燥邪に対応し、潤いを補う
潤燥に適する食材
豚肉、豆腐、牛乳、胡麻、白木耳、梨、ホタテ、林檎、卵、枸杞の実など

補肺(ほはい)
秋に活動が活発になるはいの働きを助ける
補肺に適する食材
長芋、百合根、アーモンド、大根、柿、梨、チーズ、松の実、林檎など