雑穀とは?

雑穀とは、一般に米・小麦・大麦を除く穀類及び擬似穀類のものをいいます。狭義ではイネ科の草本のキビ亜科に含まれる穀類を指しますが、日本ではもっと広い意味を持ち、モロコシ属のソルガム、ハトムギ、大豆、小豆、菜豆(インゲンマメ)の豆類、ソバ、キヌア等の擬似穀類、ナタネ、ゴマ、ヒマワリ等の油糧作物も含まれ、その種類は100以上にのぼります。古代から広範囲で栽培されていた雑穀として挙げられるのが、アワ、キビ、ヒエの三種類です。

日本における雑穀の歴史

日本における雑穀の歴史も古く、日本古来の書物「古事記」の中では「五穀」として登場、イネ、アワ、ムギ、アズキ、ダイズの起源話が記載されています。「日本書紀」では、「五穀」が粟、稗、稲、麦、大豆、小豆の「六穀」となって登場し、古来より日本人の基本的な食料であったと言われています。江戸時代中期頃には、上流階級のほか、江戸など一部地域で武士や町民の間でも玄米に変わって白米を食べる習慣が広がり、多くの日本人は少量の白米にひえやあわを混ぜたものを主食としていました。その後戦後まもなくして、雑穀は日本各地で栽培され、多くの日本人が主食として食べられるようになり、高度経済成長とともに主食が白米へと変わっていきました。日本の長い歴史の中で、主食が白米である時代はここ数十年と非常に短く、日本人の食生活を支えてきた穀物は、雑穀だったと言っても過言ではありません。

雑穀の特徴

雑穀には厳しい生育環境でも栽培できるという点があり、主穀の収穫が見込めない時に重用されていました。また、病害虫の影響が受けにくいこと、白米よりも長期保存できること、豊富な栄養素が含まれていることも大きな特徴として知られています。種類によって異なりますが、いずれも食物繊維、ビタミン、ミネラル、マグネシウム、ポリフェノールなど、人間にとって欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
栄養学で雑穀が評価されたことがきっかけとなり、日本人の食生活改善に、雑穀の優れた効果が注目されています。例えば、高脂血症の改善に欠かせないコレステロールやアレルギーの抑制、血糖値の上昇を抑える働き、雑穀特有の歯ごたえが咀嚼を促し、それによって脳が活性化されることで認知症の予防になるなどの効果があります。

正しい情報を知ることが大切

日本人の主食として認められている白米の消費量が年々減少し、雑穀の消費量が着実に増加しています。健康目的で雑穀を日常生活に取り入れる人が増える中、雑穀の正しい使い方、それに関連する知識、調理方法がまだ普及されていないのが現状です。
今後は雑穀の豆知識と共に、食生活改善に適切なアドバイスとサポートに努めていきます。

雑穀ソムリエ認定試験資格保持証明
雑穀士資格認定証