美味しい乾燥椎茸の見分け方

①傘の部分の色や艷
傘の部分がふっくらとした、艶のある物を選びましょう

②乾燥具合を見る
しっかり乾燥された物を選びましょう

③傘のしわを見る
シワが少なく、しっかりと開いた物を選びましょう

④襞(ひだ)の部分の色
襞(ひだ)の部分はこんがりときつね色の物を選びましょう

乾燥椎茸の栽培方法

乾燥椎茸には、二つの栽培方法があります。

①原木栽培

一般的には、クヌギやナラの木に椎茸の菌を打ち付け、大自然でじっくり時間をかけて育てる方法です。自然環境のため、天気に左右されやすく、品質と生産量が不安定です。その代わりに、原木椎茸は食物繊維と香り成分が多く含まれ、食感と香りを十分楽しめます。

②菌床栽培

一般的にはおがくずを固めたものに椎茸菌を打ち付け、ビニールハウス等の場所で短期間育てる栽培方法です。菌床栽培の場合は、育成期間が短く、天候に左右されず、生産量が安定性しています。

収穫時期について

乾燥椎茸は収穫時の状態で3種類に分けられています。

①冬菇(どんこ)

冬菇(どんこ)は、傘が七分開きにならないうちに収穫したもので、傘の肉は厚く、縁(耳)は強く巻き込み、全体が丸みを帯びています。晩秋から初春の時期に収穫されるものが最も美味しいと言われています。寒さに耐え、じっくりゆっくりと育てられ、自然の栄養分と旨味をたっぷり含み、弾力のあるものになっています。冬菇(どんこ)の形や食感楽しめるのは、煮物や、鍋物、天ぷらなどのお料理です。

②香信(こうしん)※弊社では光面菇と称します

香信(こうしん)、傘が七分開きになってから収穫したもので、傘の肉が薄く、耳の巻き込みが浅く、扁平な形にしています。春と秋の温度も湿度も高い時期に収穫され、もともとの椎茸は冬菇(どんこ)も香信(こうしん)も同じもので、開き具合の差によって、呼び方が変わります。香信は冬菇より薄く、炒め物、ちらし寿司などに適しています。

③香菇(こうこ)

香菇(こうこ)と呼ばれる乾燥椎茸は、冬菇(どんこ)と香信(こうしん)の中間的ものです。ふっくらした厚みが特徴の冬菇(どんこ)、傘が開いて大きさが特徴の香信(こうしん)の両方の特徴を併せ持つものであり、厚みは冬菇(どんこ)程ではありませんが、冬菇(どんこ)に近い厚みがあります。大きさも香信(こうしん)に近いものです。香菇(こうこ)は見た目も、食べごたえも申し分のない乾燥椎茸なので、冬菇(どんこ)に向いているお料理にも、香信(こうしん)に向いているお料理にも使えます。

生椎茸と乾燥椎茸の栄養価の比較

菌床栽培生椎茸の栄養成分100gあたり

エネルギー
19kcal
食物繊維
4.2g
カリウム
280mg
ビタミンD
0.4μg
葉酸
44μg


原木栽培生椎茸の栄養成分100gあたり

エネルギー
23kcal
食物繊維
5.5g
カリウム
270mg
ビタミンD
0.4μg
葉酸
75μg


乾燥椎茸の栄養成分100gあたり

エネルギー
182kcal
食物繊維
41.0g
カリウム
2100mg
ビタミンD
12.7μg
葉酸
240μg

乾燥椎茸の効能

①ダイエットにおすすめ

乾燥椎茸に豊富に含まれているカリウムは、人体に不可欠な電解質であり、脳および神経などにおけるニューロンの情報伝達に重要な役割を果たしています。体重の凡0.2%を占め、体内水分バラスを調節してくれる栄養素として知られています。体内余分な塩分、水分の排出しくみ解消効果が期待できます。また、乾燥椎茸に含まれている食物繊維は、腸内環境を整え便秘の解消にも効果が期待できます。乾燥椎茸には、生椎茸より約10倍の食物繊維が含まれています。ただし、椎茸に含まれている食物繊維は不溶性食物繊維が多い為、水溶性食物繊維とバランスよく摂取することが大切です。
お勧めの調理方法としては、水溶性食物繊維が豊富に含まれている昆布やわかめなどの海藻類と、こんにゃく、里いもと煮物にする、毎日に食べるお味噌汁の具としてもお勧めします。

②骨の成長におすすめ

骨を作る栄養素として、カルシウムがあげられます。しかし、カルシウムは排出されやすい栄養素なので、吸収を助ける栄養素とセットで摂取すると効果的です。カルシウムの吸収を促すのが、ビタミンDです。成長期の子供にとっては、最も大切なのが骨の成長であり、乾燥椎茸中に含まれているビタミンDはカルシウムの吸収を促し、成長を助ける高栄養食材です。ちなみに、ビタミンDは、脳神経の発達を促す作用もあると言われ、お子様がイライラしがちな時、やる気が起こさせたいときのサポート食品とも言われています。
お勧めの調理方法としては、乳製品と合わせる料理がお勧めです。牛乳と戻した椎茸を使った椎茸のポタージュはいかがでしょうか。

③老化防止におすすめ

骨の吸収を助けることが出来るビタミンDは、骨粗しょう症予防にも効果があります。
戻した椎茸を入れた野菜たっぷりシチューがおすすめです。

④生活習慣病の改善におすすめ

椎茸特有の成分エリタデニン。多くの人にとっては、耳慣れない言葉かもしれないですが、この成分は血圧を正常に保ち、血中のコレステロール値を下げてくれる働きをする上、血液を固まりにくくする作用もあります。継続的摂取することが出来れば、高血圧や動脈硬化防止、血液サラサラ、生活習慣病予防に高い効果が期待できます。ちなみに、エリタデニンは水溶性のため、戻した出汁も一緒に使いましょう。
お勧めの調理方法としては、出汁をそのまま使う茶碗蒸しや煮物がお勧めです。

⑤妊婦さんにおすすめ

乾燥椎茸には葉酸がたくさん含まれている為、妊婦さんには積極的に食べて欲しいです。葉酸はビタミンB群の一つで、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けるビタミンで、細胞の生産や再生を助けてくれます。妊娠中に貧血にもなりやすいので、予防として必要な栄養素にもなります。
お勧めの調理方法としては、葉酸が多く含まれる鶏レバーやモロヘイヤ、ほうれん草などの食材と一緒に料理することがおすすめです。

乾燥椎茸の戻し方

乾燥椎茸は水で、ゆっくり戻すのが基本です。料理に合わせて、冬菇(どんこ)、香信(こうしん)を使い分けことによって、美味しさだけではなく、食感を楽しむこともできるでしょう。しかし、間違った戻し方をすると、せっかくの美味しさを楽しめないのは、もったいないですね。
また、いろいろなお料理に幅広く使える乾燥椎茸ですが、なんとなく戻すのは面倒くさい、手間がかかる、というイメージを持っている方がたくさんいらっしゃると思います。実際はちょっとしたコツを覚えておくだけで、乾燥椎茸の戻し方はとっても簡単です。

乾燥椎茸の正しい戻し方として、3つのポイントがあります。

①乾燥椎茸を戻す前に、流水で水洗いすること

乾燥椎茸の全体をさっと流水で洗い、軽く全体についているゴミを洗い流す。特に内側の溝にゴミが貯まりやすいので、丁寧に洗ってください。

②乾燥椎茸戻す時のコツは、水を使うこと

洗った椎茸は、傘を上に向いて、かぶる程度の水に浸して、ラップをするか、容器に入れるか、ファスナー付きの密封袋にして冷蔵へ、冬場の場合涼しいところでも大丈夫です。ちなみに、乾燥椎茸水に戻すと大きくなりますので、ある程度余裕のある容器を使いましょう。椎茸の軸は完全に戻すまで時間がかかりますので、ある程度柔らかくなったら、軸を根元部分から切り落とす方法もあります。

③かさの厚さによって戻す時間が異なる

冬菇(どんこ) の場合・・・12時間程度
香信(こうしん)の場合・・・6時間程度
香菇(こうこ) の場合・・・8時間程度


乾燥椎茸の種類により、6時間から12時間程度冷蔵庫に入れて、じっくりと戻すのはお勧めです。それによって、旨味成分を存分に引き出すためにもやはりじっくり時間をかけることがポイントの一つです。時間がある時前日から戻しておくのもいいでしょう。

時間のない時に使える時短テクニック

十分に戻す時間が取れない時に、短時間で戻す2つの方法があります。

①ぬるま湯に浸して常温で戻す

体温程度のぬるま湯に乾燥椎茸の傘を上に浸して、ラップをし、常温に2~3時間程度で戻りますが。かさの厚みによって、戻す時間が変わることもあり、途中指で柔らかさを試して、戻す時間を調整してください。

②電子レンジで温める

耐熱容器に傘を上向きに入れて、浸るぐらいの水に浸して、ラップをかけて常温15分程度においてから、電子レンジ600Wで約30秒温め、取り出したらラップしたままで常温におき、戻しましょう。

乾燥椎茸の戻し汁には旨味たっぷりありますので、活用しましょう!

乾燥椎茸の戻し汁には、香りだけではなく、旨味成分も含まれています。捨てずにお料理で活用しましょう。味噌汁やスープなどのだしとして、炒め物などにいれても美味しいです。かつおだし、鶏がらスープと合わせることもできます。