Blog
ブログ

vol.131 果物も薬膳食材になる

2022年7月29日

果物(くだもの)とは、食用になる果実のことを言います。英語でfruitと言えば果実全般のことを言い、日本語よりもさらに広い範囲を指すことになります。日本語の果物は、食用になる果実及び果実的野菜のうち、強い甘みを有し、調理せずそのまま食することが一般的である物を果物と呼びます。ちなみに農林水産省の統計上では、野菜に分類されるもののうちにイチゴ、メロン、スイカなど果実的利用するものを果実的野菜として扱っています。
果物は様々な栄養素を含まれ、人体に必要な糖分やカリウム、ビタミンが豊富なものが多いです。日本では果物は主に糖分補給の為や、甘みを楽しむ為、ビタミン源として摂られてきました。また、料理に果物の甘みや酸味、香ばしさなどを利用することも実に多いです。種によっては蛋白質分解酵素が含組まれ、肉類を柔らかくする効果がある為に、パイナップルやパパイヤ等がよく利用されています。また、砂糖を加えて煮込みジャムとして利用することも多くあります。
熱帯果樹では三大果物と呼ばれているのが、マンゴー、チェリモヤとマンゴスチンになります。ちなみに、ドリアンは果物の王で、マンゴスチンは果物の女王とも言われています。

果物と野菜の違い

果物とは、概ね2年以上栽培した草木性植物、または木本性植物から食用となる物の総称のことを言います。農林水産では果実のことを果樹とされていますが、果樹という呼び方が馴染まない場合果物や果実と呼ばれています。
野菜とは食用とする草木性植物の総称であり、一年以内に開花、結実して枯死し、その後に木化することなく肥大成長をしない植物のことを言います。生存期間が比較的に短いのが特徴です。
果物と野菜に明確な定義はなく、どちらからもビタミン、ミネラル、食物繊維が摂れることから栄養も同じだと思われがちですが、実際「果物=野菜」ではありません。

果物と野菜の栄養成分の違い

① 果物にはブドウ糖や果糖の糖質が多く含まれ、野菜にはそれらが含まれていません。
② 果物に含まれている有機酸は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等に対し、野菜にはあまり含まれていないです。
③ 果物に含まれている水分は80%-90%に対し、野菜の水分量85%‐95%になります。
④ 果物に含まれている食物繊維は、プロトペクチン(未熟)とペクチン(適塾)に対し、野菜に含まれている食物繊維は、セルロース、ヘミセルロースとペクチンになります。
⑤ 果物に含まれているミネラルは、カリウムに対し、野菜に含まれているミネラルはカリウム、カルシウム、鉄等になります。
⑥ 果物に含まれているビタミン…アスコルビン酸(ビタミンC)
野菜に含まれているビタミン…緑黄色野菜(カロテン、アスコルビン酸、チアミン、リボフラビン)
…葉菜類(葉酸、トコフェロール)
果物には果物しか含まれない栄養素があり、野菜には野菜しか含まれない栄養素もある為、どちらかの代わりに食べて栄養を補うことができないので、それぞれバランスよく食べるように心がけましょう。

薬膳の観点から果物を有効に摂りましょう

果物に含まれている栄養素を有効に摂り入れ、上手に果物で身体を潤して、栄養補給をしましょう。

常用例として
●風邪により咳ができるとき、梨を摂りましょう
●肺や喉を潤して乾燥から守る場合、柿を摂りましょう
●咳の時、みかんの皮を煎じて飲むこと
●食欲ない時や吐き気する時、喉からの風邪緩和に、みかんを摂りましょう
●冷え性改善に、さくらんぼを摂りましょう
などなど…

次回は、引き続き薬膳食材になる果物を紹介します!