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vol.133 葡萄について

2022年8月2日

葡萄(ぶどう)とは、ブドウ科のつる性落葉低木であり、その果実のことを称します。ブドウ属の植物は数十種類あり、北アフリカ、東アジアに多く、インド、中東、南アフリカにも自生種があり、日本の山野に分布し、ヤマブドウエビヅル、サンカクヅルもブドウ属の植物になります。現在ワイン用に栽培されている葡萄は、ペルシアやアフリカが原産のヴィニフェラ種と、北アフリカ原産のラブルスカ種が主に使われています。葡萄は温帯農作物で、平均気温10℃から20℃程度の地域が栽培適地になり、水はけがよく、日当たりが良い土地を好む習性があります。

葡萄の栽培歴史は古く、紀元前3000年頃には原産地であるコーカサス地方やカスピ海沿岸ですでにヨーロッパブドウの栽培が開始されていました。原産地から東へと伝播したものは、紀元前2世紀に中国に到達したとされています。日本で古くから栽培されている甲州種は、中国から伝来された東アジア系ヨーロッパブドウが自生したものが、鎌倉時代初期に甲斐国勝沼(現在の山梨県甲州市)で栽培が始められていました。明治時代に入り、ヨーロッパから新品種が次々と導入されるようになったが、乾燥を好む品種が多いヨーロッパブドウのほとんどは日本での栽培に失敗しました。一方アメリカブドウの多くは日本の気候に合い定着したものの、ワイン用として香りがきつく好まれなかった為、食用果実の栽培に転換し、特に普及したのはデラウェアとキャンベル・アーリーになります。

日本での生産量は、山梨県が最大の産地になり、国内生産量の24%を占めました。日本では南西諸島を除くほぼ全域が葡萄の適地である為、北海道から九州までの広い範囲において葡萄が生産されています。世界ではワイン生産用が7割を占め非常に多いのに比べ、日本では食用が9割近くを占めています。

葡萄の品種

●甲州…日本最古の品種で、日本における白ワインの主要原料ともなっている
●巨峰/種無し巨峰…日本で最も栽培されている品種
●デラウェア…日本で2番目に多く栽培されている品種、小粒だが味が良く
●ピオーネ…大粒で味が良く、日本で3番目に多く栽培されている品種
●藤稔…父種はピオーネ、母種は井川682、巨峰よりも糖度が高く、味も良く
●キャンベル・アーリー…戦前からの主要品種、70年代から栽培面積が激減
●シャインマスカット…日本の農林水産省が所管する農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)によって育種、登録された広島生まれのブドウの栽培品種、命名登録番号は「ぶどう農林21号」
●その他…カルディナル、ナイアガラ、オーロラブラック、シャスラ、レッドグローブ、ブラックオリンピア、マスカット・ベーリーA、翠峰、甲斐路、ロザリオビアンコ等々

葡萄の効能

① 葡萄に含まれているポリフェノールは、抗酸化作用があり、動脈硬化の予防、花粉症を抑える効果が期待できます。
② 葡萄に含まれているブドウ糖は、脳の働きを活発させ、集中力を高める効果が期待できます。
③ 葡萄に含まれているカリウムは、ミネラルの一種で、ナトリウム(塩分)を体内に排出し、血圧の上昇を抑える効果が期待できます。
④ 葡萄に含まれているビタミンB群は、エネルギー代謝を助け、粘膜の再生、免疫力アップに役に立ちます。
⑤ 葡萄に含まれている有機酸は、抗酸化作用、抗菌性作用が期待できます。

葡萄の選び方

●果皮に張りと艷がある物を選びましょう
●ブルームと呼ばれる白っぽい粉が表面に付いている物を選びましょう
●軸が綺麗な緑をしている物を選びましょう
●枝が黄色から緑で萎れていない物を選びましょう

葡萄の保存方法

●葡萄は洗わずにキッチンペーパー等で包んで保存する
●常温保存も可能ですが、日持ちや美味しさをキープする為に、冷蔵保存がお勧め、なるべく早くお召し上がりください
●葡萄衝撃に弱い為、保存容器を使用しましょう

葡萄の食べ過ぎに注意

●葡萄100gあたりのカロリーは、皮なしの場合58Kcal、皮つきの場合69Kcalで、カロリー摂りすぎる可能性があります。厚生労働省が推奨している1日当たりの果物の摂取量の目安は200gになり、単純計算で1粒12gぐらいの葡萄は16粒で、小粒のデラウェアなら小さめの1房ぐらいになり、そのカロリーはなんと皮なしの場合約120Kcal、皮つきの場合140Kcalになります。
●妊娠中の場合、ポリフェノールの過剰摂取により胎児の動脈管収縮がみられることがある為、摂りすぎる注意しましょう。
●糖尿病の方は、ブドウ糖により血糖値の上昇心配がある為、摂りすぎに注意しましょう。