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vol.144 処暑について

2022年8月23日

今日は8月23日(火)、二十四節季の第十四番の処暑(しょしょ)です。
「暦便覧」によると、「陽気とどまりて、初めて退きやまむとすれば也」、意味としては暑い陽気が止まり、暑さが引きはじめ、暑さの峠を越え、そろそろ暑さが終わりを告げることになります。
「処」には落ち着くという意味があって、「処暑」は暑さが終わっていく時期になり、気が付くと、日も短くなって、夕暮れが早まってきて、季節はそろそろ秋に向かいます。
「処暑の候」とは、処暑の日から、次の節季「白露(はくろ)」の前日まで使うことができます。今年の白露は9月8日の為、8月23日から9月7までは「処暑の候」と称することができます。

「処暑の三候」

① 「初候」…綿柎開(わたのはなしべひらく)、8月23日から27日、綿の実がはじけて白いフワフワが顔を覗かせます。「柎(うてな、いかだ)」は花の咢(がく)を指す漢字になり、綿を包む咢が開き始める頃を称します。
② 「次候」…天地始粛(てんちはじめてさむし)、8月28日から9月1日、勢いある天地の暑さがようやく鎮まります。「粛」には縮む、鎮まる、衰えるという意味があり、天地の暑さがようやく鎮まり始めることを称します。
③ 「末候」…禾乃登(こくものすなわちみのる)、9月2日から9月7日、いよいよ稲が実り、穂が垂らす頃になります。「禾(のぎ、いね)」は稲穂が実った様子を表し、「登(と)」は実る、成熟することを称します。

処暑には、特別な食べ物や風習がなくて、それよりも台風への警戒が最も注目されています。理由として、処暑は台風が多く発生する時期で、台風の警戒する日の「二百十日(にひゃくとおか)」は農家の三大厄日の一つになります。現在のように台風予測ができなかった時代では、立春から数えて210日目に台風が来る確率最も高い日とされていました。
処暑の日が過ぎたら、「向秋の候」、「新涼の候」、「処暑の候」や、「初秋とは名ばかりの残暑厳しき折」といった挨拶で始まるはがきを送りましょう。また、朝晩には、縁まこおろぎ、鈴虫などが鳴き、秋雨前線がやってくる頃から、赤蜻蛉(あかとんぼ)の姿も目にするようになります。