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vol.154 夏から秋へお勧めの養生方法

2022年9月6日

「一雨一度」の言葉通り、雨のたびに少しずつ秋らしい空気が漂い、秋らしさが増し、季節はゆっくりと舵を切り始めるようになります。
秋と言えば厳しい暑さが和らぎ、湿気も徐々に減り、大分過ごしやすくなります。気候の変化やご自身の体調の変化にしっかり意識を向けておかないと、風邪を引きやすくなる季節でもあります。また、秋は夏の暑さでダメージを受けた身体を癒して体力を回復させ、来るべき厳しい冬を越す準備の期間でもあります。
秋は、移り変わりの季節であり、季節の前半と季節の後半では、気温の差とても大きくものになります。中医学では、秋は他の季節と違って、短い期間で真夏から真冬に向かう期間であることから、秋の前半を「温燥」、秋の後半は「涼燥」と呼びます。
「温燥」とは、夏の暑熱がまだ残っている状態に、秋の乾燥が加えるという特徴があります。また、最近地球温暖化の影響で「温燥」が少し長くなり、10月中旬頃までは「温燥」と考えてもよろしいでしょうか。「涼燥」とは、秋の乾燥の上に冬の寒気が加えるという特徴があります。

秋の過ごしポイント

① 気温の変化に対応できるように準備しよう
② 乾燥に注意しよう
③ 乾燥からくる相の不調をケアしよう
④ 早寝早起きを意識しよう

秋の体調不良はなぜ起こる

① 夏の冷えによる疲れが残っている為
② 急激な気温変化による
③ 寒暖差アレルギー反応を引き起こす
④ 空気の乾燥による
⑤ 日照時間減少の為

夏から秋への健康な養生方法

① 身体を温めること
身体を温めることを意識し、温かい飲み物にしたり、味噌汁やスープを飲んだり、お風呂に入る時シャワーだけではなく、お湯にゆっくりと浸かること、生姜など身体を温める香辛料を摂り入れること、無理なく毎日の習慣にできること取り入れましょう。
② 水分を積極的にとること
秋になると、夏ほど喉の渇きが感じなくなりますが、それでも水分補給を積極的しましょう。出来れば、常温のミネラルウオーターや、白湯(水を沸騰させてから冷ました物がお勧め)がお勧めします。
③ 太陽の光を浴び、運動すること
朝晩の気温が下がる9月からは、運動もしやすくなり、お散歩やウォーキングを積極的取り入れましょう。特に朝の太陽を浴びながらのウォーキングをお勧めです。朝太陽を浴びることによって、自律神経の働きが高くなり、気分の落ち込み解消効果が期待できます。
④ 早寝早起きすること
早寝早起きすることで、自律神経のバランスが整え、免疫力アップに役に立ちます。
⑤ 食事に気を付けること
秋の旬の食材を積極的取入れ、バランスの良い食事を心がけましょう。旬の食材取り入れるメリットが三つあります。一つ、ビタミン、ミネラル等の栄養素が豊富に含まれ、栄養価が高いこと。二つ、新鮮さで美味しさが増すこと。三つ、食材が多く収穫できるので比較的価格が安定し、やすくなる場合もあること。

バランスの取れた食事が最も有効な養生方法

〜薬膳の視点から「温燥」から身体を守る食材〜

補気(ほき)…夏の疲れを改善し、温度差に対応できるように体内の気を補う
補気に適する食材…お米、鶏肉、豆類、かぼちゃ、しゃがいも、長芋、しいたけ、さつもいも、鮭、さわら

潤燥(じゅんそう)…秋の邪気である燥邪に対応し、潤いを補う
潤燥に適する食材…豚肉、豆腐、牛乳、白胡麻、白木耳、梨、豆乳、ホタテ、林檎、卵、ハチミツ、クコの実

補肺(ほはい)…秋に活動が活発になるはいの働きを助ける
補肺に適する食材…長芋、百合根、アーモンド、大根、柿、梨、チーズ、松の実、クワイ、銀杏、林檎、

次回は、夏から秋へのお勧めの薬膳についてご紹介します。