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vol.172 重陽節について

2022年10月4日

今日は10月5日(火)旧暦9月9日、重陽の節句になります。五節句の一つになり、「菊の節句」とも呼ばれ、菊酒を飲んだり、栗ご飯を食べたりして、無病息災や長寿を願います。最近では、あまり馴染みがない節句になってしまいましたが、旧暦を使用していた頃までは五節句を締めくくる最後の行事として盛んに行われていました。

「重陽の節句」は平安時代の初めに中国より伝わってきました。古来中国では、奇数は縁起が良い「陽数」、偶数は縁起の悪い「陰数」と考えられ、陽数の最大値である「9」が重なる9月9日「重陽」と呼ばれ、節句の一つになったと言われています。

旧暦9月9日は、西暦10月頃にあたり、まさに菊が美しい咲き誇る時期になっています。菊は仙境に咲く霊薬と言われ、邪気を払い、長寿の効能があると言い伝えてきました。菊を行事に用いた為、重陽の節句では、菊の香りを移した菊酒を飲んで、邪気を払い無病息災や長寿を願うと親しまれていました。また、重陽の節句は作物の収穫時期と重なる為、庶民の間では「栗の節句」とも言い、「栗ご飯」を食べて祝うこともあります。

重陽の節句は行事を食べるだけではなく、様々な行事が行わっていました。

●「菊の着せ綿」…観菊の宴の前日に、菊の花に真綿を被せ、宴を開催さる朝に菊の香りと露を含んだ真綿を使用し、顔や身体を拭いて無病息災を祈ります。
●「菊湯・菊枕」…重陽の節句の日は、菊の花を浮かべた湯船に入ったり、乾燥した菊の花びらを詰まった枕で寝たり、菊の香りには邪気を払う力があると言われている為です。
●「菊合わせ」…大切に育てた菊を持ち美を競うこと、現在の菊の品評会や観賞会の前身とも言われています。

五節句とは

季節の移り変わりを楽しめる日本、そんな四季を彩るのが節句であり、現在5つの節句が残っています。ちなみに、日本は西暦で各節句行事が行われ、そのほかのアジア諸国では旧暦を用いるのは一般的です。

① 人日(じんじつ)… 1月7日
② 上巳(じょうし)… 3日3日
③ 端午(たんご)…  5日5日
④ 七夕(たなばた)… 7月7日
⑤ 重陽(ちょうよう)…9月9日