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vol.176 菱の実について

2022年10月11日

菱の実(ひしのみ)とは、ミソハギ科(クロンキスト体系ではヒシ科ヒシ属)の一年草の水草で、菱は沼や池に生息しており、水底から発芽して茎が伸び水面に葉を広げ、葉が水面に浮く浮葉植物です。種子のことを「菱の実」と呼ばれ、硬い皮に覆われた種子の中の白い果実を食用します。
菱はかつて全国の湖で見られ、菱の実はおやつとして食べられていましたが、徐々に生息地が減り、現在では福岡県や佐賀県で栽培されており、旬は9月から11月になります。
菱の実の利用方法は、若いうちは果物代わり生食するが、渋みが全くないです。秋に熟した果実は茹でたり、蒸したりして、皮を剥いて食べます。

菱の実の効能

1、 菱の実は法蓮草の2倍ほどの葉酸が含まれており、血行促進や貧血予防効果が期待できます。また、葉酸は胎児がDNAを生成する際に重要な役割を果たすので、妊婦が積極的取り入れるべき栄養素として知られています。
2、 菱の実に含まれているビタミンB1は、疲労回復の作用があり、人間の身体を動かすエネルギーを糖質から産生させる際に欠かせない栄養素になります。
3、 菱の実の皮に多く含まれているのがポリフェノールで、抗酸化作用がある栄養素であり、老化や生活習慣病の予防効果が期待できます。ちなみに、ポリフェノールを効率よく摂取するには、菱の実の皮を煎じたお茶を飲むことをお勧めします。

菱の実の茹で方

●水にさらしてアクを抜く
菱の実はアクが多く含まれている為、水にさらしてアクを抜きます。最低でも2時間以上、出来れば一晩浸けて置くことをお勧め
します。

●茹で方
①水から茹でること
②水に対して塩を2~3%を加える
③炊き込みご飯や炒め物の場合、沸騰してから10分ぐらい茹でる
④そのまま食べるのであれば、沸騰してから20~30分ぐらい茹でる

●水にさらして熱を取る
茹であがったらザルに上げて、そのままでは熱くて殻が剥けない上、そのまま冷ますと殻が乾いて硬くなり剥きにくくなり、一旦水に浸してある程度冷ましてから殻を剥く

【注意点】
●菱の実は、実に寄生虫がいる可能性あり、人間の小腸に宿るとお腹が痛くなったり、小腸を壊したりする原因となる為、加熱して食べることお勧めします。

次回は、菱の実を使った調理例を紹介します。