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vol.191 人参について

2022年11月1日

人参(にんじん)とは、セリ科ニンジン属の二年草であり、畑で栽培され、多肉質の根は食用されています。人参は中央アジア原産で、西洋系人参の原産地は小アジア、東洋系人参の原産地は中央アジアとも言われています。東洋系人参は、細長く、西洋系人参は太く短いが、共に古くから薬や食用として際場され、癖のある香りで、加熱すると甘味が出てきます。
日本には16世紀から17世紀ごろに中国から伝わり、短い期間で全国に広まったと言われています。江戸時代に栽培されていた品種葉東洋系が主流だったが、江戸時代後期に西洋系人参が伝わり、明治時代に入ると欧米品種が次々と導入され、東洋系人参葉栽培が難しさから生産量が減少傾向に転じ、戦後は西洋系品種が主流になりました。
人参薬用とする部分は根で、消化不良、下痢、咳に薬効があります。民間療法では、口内炎、扁桃炎などの炎症には、生の茎葉を細かく刻み、一日30gを水600㏄で半量になるまで煮詰め、冷ました煮汁でうがいすると効果があるといわれています。また、冷え性改善には、生の茎葉又は干した茎葉を入浴剤にして、布袋に入れ風呂に入れると、葉に含まれている精油成分が作用して、保湿効果が期待できます。

人参の効能

1、 人参に含まれているβ‐カロテンは、100gあたり8600㎍と緑黄色野菜の中でもトップクラスになります。β‐カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは、目の機能や皮膚、粘膜の健康を保つために必要なビタミンになり、粘膜のダメージを回復する効果や免疫力アップ効果が期待できます。また、ビタミンAに変換されなったものは抗酸化物質として働き、動脈硬化やがんなどの生活習慣病の予防や老化予防にも効果が期待できます。
2、 人参に含まれているカルシウムは、骨や歯を作るのに欠かせないミネラルになります。体内にあるカルシウムの99%は骨と歯に存在しています。また、筋肉を動かし、精神的な興奮を抑える効果が期待できます。ちなみに、カルシウムは吸収されにくい栄養素の為、ビタミンDと一緒に摂ることで吸収率が良くなると言われています。
3、 人参に含まれているカリウムは、身体の水分バランスを保ち、ナトリウム(を排出し、正常な血圧を保つ効果が期待できます。また、余分な塩分を排出することも、むくみ解消効果が期待できます。
4、 人参に含まれている食物繊維は、100gあたり水溶性食物繊維0.7g、不溶性食物繊維が2.1gになります。不溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促し、便秘改善効果が期待できます。水溶性食物繊維は、腸内環境を整える効果や血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑制する効果も期待できます。

栄養を上手く摂るコツ

1、 油と一緒に調理すること
2、 皮ごと食べること
3、 葉も食べること
4、 煮汁ごと食べること

人参の選び方

●表面凹凸がなく、表皮が滑らかな物を選びましょう
●表面艶やか、色が濃く、赤みの強い物を選びましょう
●表面ひげが少ない物を選びましょう
●葉がついていた部分(切株)が小さい物を選びましょう
●葉がついていた部分が黒ずんでいない物を選びましょう
●葉がついていた部分から新たな葉が出ていない物を選びましょう
●形が太く、丸みを帯びている物を選びましょう
●触ったときに硬く、重みのある物を選びましょう

人参の保存方法

●買ってきた人参を洗い、水気をしっかり取る
●キチンペーパで包み、ポリ袋に入れる
●冷蔵庫の野菜室に立てて保存

次回は、人参を使った調理例を紹介します。