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vol.216 水菜について

2022年12月8日

水菜(みずな)とは、アブラナ科の越年草であり、越冬して栽培する一年生植物になります。京都原産と言われ、寒さに比較的に強い性質をもち、野菜が不足しがちな冬場に収穫できるということから古くから関西に親しまれてきた冬野菜の一つになります。
関西では、葉の形から柊菜(ひいらぎな)と呼ばれたり、細い葉柄が千本伸びることから千筋菜(せんすじな)と呼ばれたりすることもあります。また、京都で古くから作られてきたことから京菜(きょうな)と呼ばれることもあります。関東では、茎の幅が広く、葉の色が濃い緑で柊菜(ひいらぎな)の葉のような形の広茎京菜または茎広京菜と呼ばれている系統が作られてきました。
近年では全国のスーパーの店頭に並ぶようになったが、「京の伝統野菜」の一つでもあります。もともと京都を中心に関西で栽培されている在来種は茎にハリがあり、食べた時に少しピリッと感じられるのですが、全国のスーパーなどで売られている物は茎が柔らかく、生でも美味しく食べられるように改良された物になり、辛みは殆ど感じられません。

水菜の効能

水菜に含まれているビタミンCは、風邪予防や疲労回復、肌荒れ防止などに効果が期待できます。
水菜に含まれているβ‐カロテンは、抗発がん作用や、免疫賦活作用で知られていますが。その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあると言われています。
水菜に含まれている葉酸は、赤血球を作る栄養の為、貧血予防効果が期待できます。また、血液量が変わる妊娠中の方にはお勧めの栄養素になります。更に、細胞の生産や再生にも関わる栄養なので、胎児にとっても大事な栄養素になります。
水菜に含まれているカルシウムは、小松菜よりも多く、精神安定を助けてくれる栄養素でもあり、しっかり摂ることをお勧めします。また、カルシウムは、骨の健康維持に効果も期待できます。
水菜に含まれている鉄分は、不足しやすく鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)になってしまう可能性がある為、積極的に摂りたい栄養素になります。また、鉄分は全身に酸素を運んでくれるだけでなく、疲労回復、免疫力向上にも効果が期待できます。
水菜に含まれている食物繊維は不溶性食物繊維が多く、水分を吸収し便のカサを増やす為、整腸作用が期待できます。

水菜の約90%が水分になり、大量に食べることで身体を冷やす為、適量に摂ることをお勧めします。

水菜の選び方

●葉先がピンとしていてみずみずしく、葉の緑と茎の白さのコントラストがはっきりしている物を選びましょう
●茎に艶、ハリがあり、まっすぐに伸びている物を選びましょう

◎水栽培の物なら、切り口の株が小さい物の方が、より鮮度が保っている為、選びましょう
◎露地栽培の物なら、茎がしっかりしていて、全体に量感がある物を選びましょう

水菜の保存方法

水菜を保存する際、蒸れも乾燥も防いで保存しましょう
●水菜をクッキングペーパーなど包んで、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう
●水菜を立てて保存することをお勧め
●沢山ある場合、軽く湯がいて冷凍して保存することもできる

ちょっとしたポイント

ビタミンCは、下処理中や料理中に失われやすい為、逃がさないよう処理や調理するのがポイントになります。

●下処理のポイント
・生であれば下処理のみなので、栄養もあまり損なうことがないでしょう。しかし、下処理の仕方によってはビタミンCが減ってしまう為、注意が必要です。洗う際、水と共に栄養が逃がさない為に、短時間でさっと行うようにするのはポイントになります。
・調理する際、生で食べるのであれば、栄養が逃げにくいサラダがお勧めします。

●調理するポイント
・加熱調理する場合、逃げ出したビタミンCも一緒に食べることが出来る鍋やスープがお勧めです。汁まで食べることができる料理なら、流れてしまったビタミンCだけでなく葉酸もしっかり摂ることができます。
・炒め物の場合、油を使用することによって、β‐カロテンの吸収がアップされますが、熱により栄養が失われてしまうので、さっと炒めましょう。

次回は、水菜を使った調理例を紹介します。