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vol.235 芽キャベツについて

2023年1月17日

芽キャベツとは、アブラナ科の一年草で、キャベツの変種の一つになります。別名は姫甘藍(ひめかんらん)、子持甘藍(こもちかんらん)とも呼ばれ、原産地はベルギーのブリュッセル近郊とされています。

芽キャベツの栽培が始まったのは比較的に近年であり、18世紀末フランスやイギリス、ベルギーの菜園で栽培が進み、アメリカでは1812年に元大統領トーマスジェファーソンが栽培を始めたことを契機に19世紀初頭に普及することになりました。
芽キャベツにはビタミンCが多く含まれ、柔らかく茹でて、シチュー、煮物、あえ物、バター炒めサラダなどに利用されています。イギリスでは、芽キャベツは七面鳥などの肉料理との付け合わせに利用されることが多く、ベルギーの場合、皮を剥いた栗と合わせて加熱するのはよくあります。

日本では、戦後直後までは神奈川県、長野県、静岡県、兵庫県などで作られ、今では静岡県がほとんどで、全国の約9割を静岡県のJA遠州夢咲が生産しています。1990年ケールと交配により結球しない品種が静岡県で開発され、「プチヴェール」と名付けられ、販売されています。
芽キャベツは高温と湿気に弱いため、収穫時期は11月中旬から3月までになり、美味しい芽キャベツが食べられるのは寒い季節に限られています。

芽キャベツの効能

1、 芽キャベツに含まれているビタミンCは、100g当たり160㎎になり、キャベツの約4倍になります。茹でた芽キャベツを6個ほど食べるだけで、1日のビタミンC所要量をほぼ摂取することができます。また、ビタミンCには抗酸化作用があり、免疫力を高め、肌荒れや風邪予防、疲労回復に効果が期待できます。

2、 芽キャベツに含まれているビタミンKは、血液の凝固促進や骨粗鬆症の予防効果、骨の形成を促す効果が期待できます。

3、 芽キャベツに含まれているビタミンUは、あまり聞き馴染みのない栄養素と思われがちですが、実に別名があり「キャベジン」と言うのです。キャベジンは薬でも馴染みがありますが、実にたんぱく質の生成を促す働きがあり、傷ついた粘膜を修復する作用があります。それにより、胃潰瘍の予防、改善効果が期待できます。

4、 芽キャベツに含まれているβ-カロテンは、100gあたり710μgになり、一般のキャベツには100gあたり、50μgしか含まれていないです。β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されて作用することから、生体内では皮膚や粘膜の健康を維持したり、光刺激反応に重要な役割をしたり、様々な細胞の増殖や分化に寄与します。また、ビタミンAとしての機能以外で、β-カロテンは抗酸化作用及び免疫賦活作用などがあると報告されています。

5、 芽キャベツにはカロテノイド(緑黄色の色素)の一種であるルテインを多く含まれています。ルテインは、強い抗酸化作用によって、がん予防に効果が期待できます。

6、 芽キャベツに含まれているジアスターゼは、澱粉分解酵素で、消化を助け、胃酸過多や、胃もたれ、胸やけなど効果が期待できます。

芽キャベツの選び方

●濃い緑色をしている物を選びましょう
●固くしっかりと巻いている物を選びましょう
●手に持った時重さを感じる物を選びましょう

◎黄色みを帯びたものは鮮度落ちているので、避けましょう

芽キャベツの保存方法

●洗わずに、乾燥しないよう通気性のあるビニール袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう
●冷凍する場合、さっと固めに茹でて小分けして保存しましょう
●冷凍保存する場合は、使いやすいサイズに切って、さっと下茹でしてから、バットなどに広げて冷凍しましょう。

次回は、芽キャベツ使った調理例を紹介します。