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vol.240 春節について

2023年1月24日

春節(しゅんせつ)とは、中国及び中華圏におけるもっとも重要とされる祝祭日であり、旧暦の新年(旧正月)のことを称します。新暦の新年に比べ盛大に祝賀され、中国や台湾、シンガポールなどの国や地域では数日間の祝日が設けられています。
春節は日本のお正月同様に、家族や親せきが集まって食事をしたり、新年のお訪れを祝ったりします。春節のお飾りに関しては、日本のお正月飾りと違って、「春聯(しゅんれん)」を飾ったり、「福(ふく)」を逆さに飾ったり、窓に赤い切り絵を貼ったりなどします。ちなみに、赤い紙に逆さの福を書いて飾りにするには、「倒福(とうふく)という意味で、福が到来すると発音がよく似っていることからです。この時期になると大勢の人が実家に帰省する為一斉に移動する期間となり、中国では「春運」と呼び、日本での「帰省ラッシュ」に当たります。

春節の習慣

◎伝統的には、春節に先立つ行事として旧暦12月23日あたりから、大掃除をして、竈の神を祭る(祭竈)行事が行われます。
◎日本のお正月に子供たちが楽しみにしている「お年玉」の習慣は、中国にもありますが、「紅包(ホンパオ」と呼ばれ、赤い袋にお金を入れ、年上の人から年下の人または未成年、子供に渡す習慣があります。
◎日本のお正月には12月31日深夜0時を挟む時間帯に寺院で撞かれる鐘を聞きながら新年を迎えるように、中国では魔除けとして除夕の0時に爆竹を盛大に鳴らし、花火を楽しみながら新年を迎える習慣があります。昔の中国では爆竹はお祝い事に欠かせないものとなっていますが、近年環境面や安全面、防火などのへの配慮から、爆竹を禁止する地域が著しく増えています。

春節の食べ物

春節の前日を除夕(じょせき)と呼び、日本の大晦日にあたり、大晦日の夜に食べる食事のことを「年夜飯」と言い、日本でいう「おせち料理」を食べるに当たります。家族揃って食べるのが通例であり、用意する料理は地域によって異なりますが、どれも縁起の良い食べ物を用意し、新年への願いが込められた物を食べます。

ここでは、最も幸運な春節の食べ物を紹介します。

◎餃子(ぎょうざ)
餃子は、中国北部を中心とし、春節に欠かせない料理の一つになります。餃子の形が中国の古い貨幣である「元宝」によく似ていることから、富を齎す縁起物として取り入れられたと言われています。また「餃子」の発音が子供を授かるという意味の「交子」に似ていることから取り入れられたという説もあります。ちなみに、大晦日の夜に家族で餃子を作り、日付がかわる午前0時に過ぎに餃子を食べて新年を祝うことになり、日本の年越しそばに当たります。

◎魚(さかな)
中国の「年夜飯」に必ずと言ってもいいほど登場するのが「魚」になります。「魚」は、中国語で余裕があることを表す「余」と同じ発音の為、「ゆとりのある生活ができますように」という願いが込められ、縁起物として「年夜飯」の定番となっています。
ちなみに、長江南部多くの地域では、頭付きの魚を「年夜飯」の最後の料理として、テープルに運ばれてもほとんど食べられなく、吉祥物として残され、「年年有余」という意味を指します。

◎年糕(ねんこう)
年糕は、中国の旧正月に食べられる幸運な食べ物の一つになります。「年糕」は「年高」と同じ発音で、「年々高くなる」という意味で、「収入や地位、身分が上がりますように」という願いが込められている縁起の良い食べ物になっています。ちなみに、年糕は食べ物として歴史が長く、もち米を粉にしてこねて作ったり、米を粉にしてこねて作ったりすることになります。蒸し物、揚げ物の他に炒めてスープにしたり、甘くしたりすることもあります。

◎春巻(はるまき)
春巻は、江西省、江蘇省、上海、福建省、香港など中国東部を中心とし、人気なお正月料理として知られています。生地で包み込んだ具材を一本丸ごと食すことから「終始一貫」を表す「春巻」は縁起の良い食べ物として、春節に欠かせない料理になっています。ちなみに、春節の時期に旬の野菜や肉を入れて作られ、一年の幸せを願いながら食べます。