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vol.42 金華火腿について

2022年3月16日

金華火腿(きんかはむ)とは、中国浙江省金華地区で生産された火腿(ハム)のことを言います。イタリアのプロシュット・ディ・パルマ、スペインのハモン・セラーノと並んで世界三大ハムの一つとも言われています。

金華火腿(きんかはむ)を名乗れるのはもちろん金華地区で作られたものだけで、材料は金華豚、頭と尻が黒く残りの部分が白く、ツートンカラーをしている小型種の豚です。ちなみに、両鳥豚とも呼ばれています。飼育しているとき、穀物などは一切使わず、茶殻や白菜を発酵させたものを飼料にし、育てられ、皮が薄く、脂肪が少ないという特徴をもち、六か月ほど飼育したものの後ろあし腿肉のみ使用します。腐敗の恐れが少ない冬に仕込み、天然塩で二か月かけて塩漬けした後、天日干しに二週間ほど乾燥させ、風通しの良いところで1年かけて熟成させ、酸化防止の為発酵中に滴り落ちた油を表面に塗り、出荷します。年間100万本ほど生産され、香港、台湾、シンガポールにも輸出しています。

唐の時代に金華地方で作られていたことが記録され、12世紀には南宋の将軍が戦場に持って、切った断面に火のような赤いことから火腿(はむ)と名付けられ、清の時代には朝廷に献上され、数ある火腿(ハム)の中最上級品と認められていました。1951年パナマ運河開通記念してサンフランシスコで開かれたパナマ太平洋万博博覧会で商品部門1等賞が与えられ、世界的にも認められ、広がりを見せるようになりました。日本では1996年から熱処理されたものの輸入が認められた為、広まることになったのです。

金華火腿(きんかはむ)は、ほかのハムよりも塩気が強く、味も濃厚の為、炒め物はもちろん、蒸し物にも、スープを作る時よく用いられています。高湯(カオタン)、上湯(シャンタン)と呼ばれる中国の高級スープの素材として欠かせないものになります。

次回は金華火腿(きんかはむ)を使った調理例を紹介します。