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vol.55 薬膳について

2022年4月5日

『 薬 』は生薬(又は漢方薬の原料になるもの)を言う
『 膳 』は食事を意味する
『薬 膳』は、季節によって、食べる人の体調に合わせ、食材と生薬(又は漢方薬の原料になるもの)を組み合わせた料理のことを言う

薬膳の効能を紹介する前に、まず知って欲しい言葉が一つあり、それは『未病』といいます。『未病』とは、病気ではないけど、なんとなく不調を感じる状態のことを言います。例えば、よく眠れない、身体がだるい、肩こりがひどい、なかなか疲れが取れない、手足が冷える等といった症状があります。『未病』は病気に向かっている状態と言え、健康を維持するには、病気になる前に事前に防ぐことが重要になります。『未病』を改善することを目的に、食材と生薬を組み合わせた料理のことを薬膳というのです。薬膳は、予防医学の原点になり、すべての食べ物に薬効があり、誤った食事は病を生み、正しい食事で病を自ずと癒える、薬食同源が基本になります。

薬膳における分類

全ての食べ物が『食性』、『食味』という効能で分類する

『食性』

体を温める『温性』『熱性』
体を冷やす『涼性』『寒性』
どちらでもない『平性』

温性と熱性…内臓や血管の動きを活発にし、血液の流れを良くする
寒性と涼性…体内で発生する様々な炎症を抑え、解毒や利尿を促進させる

『食味』

『辛味』…発汗を促し気の巡りを良くする
『甘味』…栄養を補う
『酸味』…汗を引き締め、尿漏れなどを防ぐ
『苦味』…熱や余分な水分を排泄する
『鹹味(塩味)』…しこりや腫物を柔らかく、血圧を上げる

食べられるものの中で、作用が穏やかで長期に食べても身体に影響の無いものは食材、有毒であっても、量や使い方によって病気を治す効果のあるものは生薬とされます。生薬を配合した献立は薬膳料理と思いがちが、普通の食材だけを使って作る体質、健康状態に合わせて作る料理も薬膳料理と言えます。家庭で薬膳料理取り入れるのは難しそうといったイメージがあるかもしれませんが、手に入りやすい食材だけで作ることも可能です。
例えば、鶏肉とモチ米は共に温性で甘味、朝食、夕食温めて食すると、胃腸の消化吸収力を高めて、体に必要な栄養を獲得する効能があります。しかし、老人や病後で体力低下、虚弱な人には適すが、状健な人、もともと熱っぽい人、のぼせ気味の人は、症状を悪化させることがあるので、食べてはならないです。
薬膳料理を取り入れる場合、体質、健康状態、食材の性質等を知る必要があり、季節や体質、健康状態に合わせて食材選びも大切、体内バランスを整え、健康への近道を選びましょう。