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vol.64 棗について

2022年4月18日

棗(なつめ、英語/jujube又はChinese date)とは、クロウメモドキ科の落葉高木であり、果実を乾燥させ、食用され、また生薬としても用いられています。

南ヨーロッパ原産、中国、西アジアへ伝わり、中国で広く使われているため、中国原産とも言われています。日本への渡来は奈良時代以前と言われています。

中国、韓国では薬膳料理の原料として使用され、砂糖又は蜂蜜(はちみつ)を加えてテチュ茶(ナツメ茶)と称する飲み物もあり、欧米では19世紀頃にキャンディの原材料として使用しています。

棗(なつめ)を乾燥したものは大棗(たいそう)、種子は酸棗仁(さんそうにん)と称する生薬があります。大棗(たいそう)には、強壮、鎮静作用が有り、甘味があり、緩和、強壮、利尿の薬として使われています。民間では、筋肉痛、知覚過敏、咽頭炎に大棗(たいそう)を煎じて、服用する用法があります。そのほか、胃腸が弱っているとき、疲労倦怠や食欲不振、冷え性、不眠にも効果が期待できます。

棗(なつめ)の主な栄養成分

① なつめに含まれる食物繊維は、100gあたり12.5gになり、ごぼう(食物繊維100gあたり5.7g)の2倍以上の食物繊維が含まれていることになります。食物繊維は腸内環境を整え、消化吸収を良くし、便通を改善させる効果があります。
② なつめに含まれる鉄分は100gあたり1.5gになり、プルーン(鉄分100gあたり1.0g)の1.5倍の鉄分が含まれていることになります。鉄分は、女性がなりやすい貧血に効果がある成分になり、貧血予防に効果が期待できます。
③ なつめに多く含まれるパントテン酸は、ストレスを和らげ、副腎皮質ホルモンの動きを促し、ストレスへの抵抗力を高める動きがあります。精神を安定させ、ストレスの軽減、イライラや不眠等に効果が期待できます。
④ なつめにビタミンCが含まれ、コラーゲンを生成するのに重要な成分であり、肌のハリや髪の毛のツヤの維持効果が期待できます。さらに、なつめの皮は抗酸化作用をもつポリフェノールが豊富に含まれており、老化や生活習慣病等から身体を守ってくれるエイジングケア効果も注目されています。

次回は、棗を使った調理例を紹介します。