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vol.71 松の実について

2022年4月27日

松の実

英語…pine nut、中国語…松子(松仁)、イタリア語…pinoli
松の実は、マツ科マツ属の植物、松ぽっくりの中にある種子の胚乳に部分を称します。松の実は古くから食料として利用されており、アジア東北部、ヨーロッパ、東地中海地方、北米など世界各地に広がりを見せています。日本では、中華料理や朝鮮料理、イタリア料理における松の実が利用され、比較的に身近な存在になっています。

松の実は、約2000年前に書かれた中国の書物に記されているほど古い歴史があり、身体を温めることから、『海松子(かいいしょうし)』、『松子仁(しょうしにん/しょうしじん)』、『松子(しょうし)』という名で、漢方薬や薬膳に利用されています。近年ダイエット食材として注目され、健康食品としての需要も高まっています。

松の実の栄養

松の実100g中蛋白質は14g程度と豊富に、さらに油脂も豊富に含まれています。油脂の成分としてオレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸が多く、鉄分やマンガン、亜鉛などのミネラル類、ビタミンB群、食物繊維の含有量も豊富です。また、ピノレン酸という特殊な脂肪酸も含まれています。

松の実の効能

1、 松の実に含まれているオレイン酸やリノール酸といった不飽和脂肪酸は、血液がドロドロを防ぎ、生活習慣病の予防、改善効果が期待できます。
2、 松の実の含まれているビタミンB群の働きにより、美肌効果や、目の疲労回復効果が期待できます。
3、 五葉松にしか含まれていないピノレン酸が、特殊な脂肪酸であり、解熱、鎮痛作用、抗炎症作用、アトピーやアレルギーをしずめる効果も期待できます。
4、 五葉松の実に含まれるピノレン酸には、食欲抑制ホルモンの分泌を促す作用がある為、お勧めのダイエット食材です。(*油脂が多く含まれている為、食べ過ぎに注意しましょう)

松の実の薬効

漢方薬としては、『海松子(かいいしょうし)』、『松子仁(しょうしにん/しょうしじん)』、『松子(しょうし)』などと呼ばれ、身体を温める性質があり、気を補う、肌を潤う、咳を鎮め、内臓機能を調整、脳を活性化させる効果があると言われています。高齢者や虚弱体質の方に薬膳として食材として勧められる場合があります。

次回は、松の実を使った調理例を紹介します。