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vol.87 陳皮について
2022年5月27日
陳皮(ちんぴ)とは、ミカン科のマンダリンオレンジの果皮を干したもので漢方薬の原料になります。日本では、熟した温州ミカンの果皮を乾燥させたもので代用しています。ミカンの果皮を陰干しで1年以上乾燥させたものが陳皮と呼ばれ、生薬の一つになります。「陳」というのは古いものを意味し、古いものほど薬効性が優れていることから、「陳皮」と呼ばれるようになったという説があります。ちなみに、未熟のミカンの青い皮を乾燥させたものを「青皮」と呼ばれています。
陳皮の効能
① 風邪症状の改善
陳皮は咳、痰を鎮める効果があり、漢方では風邪薬の一つとして用いられています。
② 冷え性の改善
陳皮に含まれているへスぺリジンはポリフェノールの一種であり、血管を拡張させ、血流を良くし、末梢体温を維持する効果があると言われています。ちなみに、へスぺリジンはミカンの皮やスジに多く含まれているので、ミカンを食べる際スジを取らずに薄皮ごと食べるのがお勧めします。
③ 胃腸機能を整える
漢方では「理気薬」として陳皮が使われています。陳皮は胃酸の分泌を促進させるとともに、胃から腸への排出を加速させ、腸の動きを良くさせ、蠕動運動を促進させる効果があります。
④ リラックス効果
陳皮に含まれている柑橘類独有の爽やかな香り成分リモネンは、リラックス効果がありながら、気の巡りを良くし、胃腸の動きを活性する効果もあります。
次回は、陳皮を使った調理例を紹介します。