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VOL268 啓蟄について

2023年3月6日

今日は3月6日(月)、二十四節季の第三番の啓蟄(けいちつ)です。

「暦便覧」によると、「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也」、意味としては、土中で冬眠していた生き物たちが目覚め始めころのことを称します。柳の若芽が芽吹き、蕗の薹の花が咲き始め、生き物たちは久しぶりに感じる爽やかな風と、麗らかな春の光の中で生き生きとしています。

 「啓蟄の候」とは、啓蟄の日から、次の節季「春分(しゅんぶん)」の前日まで使うことができます。今年の春分は3月21日の為、3月6日から3月20までは「啓蟄の候」と称することができます。

啓蟄の三候」

1 「初候」…蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)、3月6日から10日頃、土中で冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃、虫とは言いますが、冬眠から目覚めるすべての生き物のことを称します。

2 「次候」…桃始笑(ももはじめてさく)、3月11日から3月15日頃、桃の蕾が開き、花が咲き始め頃、ゆっくりと開いていく桃の花は、微笑んでいるように見えます。ちなみに、昔は「咲く」という言葉を「笑う」と表現したと言われています。

3 「末候」…菜虫化蝶(なむしちょうとなる)、3月16日から3月20日頃、厳しい冬を越した蛹(さなぎ)が羽化(うか)し、美しい蝶へ生まれ変わり、羽ばたく頃のことを称します。ちなみに、菜虫(なむし)とは大根(だいこん)や蕪(かぶ)の葉につく青虫のことを言います。

啓蟄の行事

●十六団子

 春には農作物を守るために、「田の神様」が山から里へ下りてきて、収穫が終わる秋には山に戻っていきます。この神様の移動日である3月と11月の16日に、十六個の団子をお供えることを「十六団子」と称します。

啓蟄の花

●かたばみ

 ハート型の3枚の葉に、小さい黄色花が春から秋にかけて咲き、クローバーとよく似ていますが、全く異なる植物になります。夜になると葉をしぼませ眠りについたように見えます。

啓蟄に食べる旬の食べ物

●さより

 春から秋にかけて収穫され、春は3月から5月頃になります。寿司や天麩羅によく用いられる高級食材で、お祝いの席にはその長い身を結んだ昆布だしのお吸い物が出されることがよくあります。

●わらび

 野山などの日当たりのいい場所に多く見られる山菜で、山菜の中でもアクが強く、時間がたつと硬くなってしまうので、採れた日には必ずアク抜きし、食べるようにしましょう。

啓蟄の鳥

●かわらひわ

 羽を広げると黄色の綺麗な模様がはっきりと見え、数羽で行動することが多く、春から夏にかけて頻繫に住宅街に現れます。