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VOL270 鮭について①

2023年3月8日

サケ(鮭、石桂魚、鮏、Oncorhynchus keta)は、サケ目サケ科サケ属の魚のことを称します。狭義には種としてのO.ketaの標準和名でありますが、広義にはサケ類一般を指すこと多いのです。生鮮魚介類として流通する場合にはシロサケ、アキサケ、アキアジ「アイヌ語のアキアチップ(秋の魚の意味)に由来」などの名称が用いられています。このほかの別名としてイヌマス、サーモン、メジカ、トキシラズなどがあります。また、岩手県では南部鼻曲がり鮭、ブナ(いずれも河川に遡上したものを指す)などがあります。

鮭とサーモンの違い

一般的には

サーモンは、淡水魚で、養殖が多く、生食用ができる物を称する

鮭は、海水魚で、天然物が多く、生食用せず、加熱が必要な物を称する

但し、日本で馴染みのある「アトランティックサーモン」は海水魚で、養殖が殆どになり、鮭ではなく、サーモンに分類されています。ですから、日本においてサーモンと鮭を分類する際に、重要な判断ポイントになるのは「養殖か天然か」になります。

ちなみに「ノルウェーサーモン」は「アトランティックサーモン」の一種で、ノルウェーで育ったもの、かつ厳しい基準をクリアした環境で養殖されていたアトランティックサーモンのみが「ノルウェーサーモン」と称することができます。

 

サケとシャケの違い

 「サケ」と「シャケ」、いずれも正式名称になり、どちらで呼んでも間違いではありません。はっきりとした理由は解明されていないですが、一説は、調理前が「サケ」と呼び、調理後が「シャケ」と呼ばれるのです。別説は、アイヌ語マスのことを「サクイベ」「シャケンベ」と呼ぶ為、その名残で「サケ」、「シャケ」と呼ぶようになったのです。

鮭(サケ)と鱒(マス)の違い

 鮭と鱒は、鮭とサーモン同じく、似ていて区別がつきにくく、両者いずれもサケ目サケ科であり、生物学上では明確な区分がないのです。そのため、鮭を鱒と呼んでも間違いではありません。

但し、一部では育った環境や大きさによって呼び名を変えていることがあります。育った環境については、川から海に戻ったものを鮭とし、川に残ったものが鱒とすることがあります。実際には、同種であっても海に戻るもの、川に残もの両方存在するため、種類による区別はあまりできないようです。一方、大きさについては、小さいものを鱒と呼ぶことが多く、但し何センチ以上で鮭とするはっきりとする基準がなく、明確な区分はありません。

鮭は白身魚

 色鮮やかな鮭は、白身魚として分類されています。鮭の身が赤やオレンジになるのは、プランクトンに含まれているアスタキサンチンの色素が身に付着するからです。ちなみに、蟹の甲羅、海老の皮、鯛が赤くなるのもプランクトンの影響です。

次回は、鮭の効能について詳しく紹介します。