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VOL276 海松食について
2023年3月16日
海松食(ミルクイ)とは、通称みる貝、二枚の貝網バカガイ科の一種で、軟体動物です。日本全国に分布し、主に瀬戸内海や三河湾、東京湾などの内湾の砂泥底に生息しています。大きな水管を食用し、刺身や寿司ネタ、塩焼きなどに調理されています。日本産のミルクイは毎年減少傾向になり、今や高級食材の一つとなっており、一般に流通しているミルクイの殆どは中国産や韓国産になります。ミルクイの産卵期は産地や個体によって幅がありますが、最盛期は春と秋にあると言われ、夏の間は漁獲量が減ります。最も美味しい時期としては冬から春のかけてとされています。
ミルクイの代用食材として利用される種に「白みる貝」の浪貝(なみがい)がいる、いずれも別上科のキヌマトイガイ上科キヌマトイガイ科の一種になります。ミルクイはこれら白みる貝と区別する意味で「本ミル貝(稀に黒ミル貝)」と呼ばれることがあります。
ミルクイの効能
1 ミルクイに含まれているビタミンB2は、三大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、蛋白質を体内でエネルギーに変換し、代謝を支える重要な役割をしています。また、細胞の新陳代謝を促進し、皮膚や粘膜の健康を維持や成長にも関わり、美容や成長に欠かせない栄養素になります。
2 ミルクイに含まれているナイアシンは、水溶性のビタミンの一種で、三大栄養素の代謝によりエネルギーを作り出す過程で働く酵素を補助する必要不可欠なビタミンになります。皮膚や粘膜の健康維持をサポートし、脳神経を正常に働かせるのに役に立ちます。
3 ミルクイに含まれているパントテン酸は、ビタミンB5とも呼ばれ、血中の善玉コレステロール(HDL)、ホルモン、免疫抗体などを合成し、動脈硬化を予防し、ストレスを和らげ、皮膚や粘膜の健康維持に役に立ちます。
4 ミルクイに含まれているビタミンB6は、水溶性のビタミンの一種で、蛋白質を体内でエネルギーに変える、代謝を支え、筋肉や血液などがつくられたりする時に重要な役割をしています。
5 ミルクイに含まれているビタミンB12は、悪性貧血の防止や肩こりの解消効果が期待できます。また、神経を正常に保つ働きがあるとされています。
6 ミルクイに含まれているベタインは、アミノ酸の一種で、肝臓の働きを活発にしてくれる為、脂質のエネルギー代謝が良くなり、コレステロールを下げる効果が期待できます。
7 ミルクイに含まれているタウリンは、アミノ酸の一種で、肝機能を高める効果があり、血中コレステロールを抑制し血液をサラサラにする効果が期待できます。
ミルクイの選び方
●生きていることを確認する(水管に触れた時に素早く反応するものは、生きていることになる)
●水管の部分が太くて大きい物を選びましょう
●水管の部分が肉厚の物を選びましょう
ミルクイのさばき方
●殻を剥く
●貝柱の部分を崩さないように丁寧に剥がす
●ヒモの分と水管の部分を切り離す
●水管の先に硬い殻上の皮が付いている為、剥がす
●水管についている皮を剥く(熱湯処理したほうが綺麗に仕上がるが、熱の通し過ぎに注意しましょう)
●水管側についている貝柱を切り離す
●ミルクイの下から鰓(えら)など余計な部分を取り除く
●ミルクイの舌(足の部分)の膨らんでいる部分に包丁を入れ、 中の生殖巣を取り除き、足の先と白い筋肉質の分が残す
●水管以外の部分は粗塩をまぶして軽く揉みこみ、流水で塩とぬめりを洗い流す