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VOL277 帆立貝について

2023年3月17日

帆立貝(ほたてがい)とは、学名(Mizuhopecten yessoensis)、二枚貝網翼形亜網イタヤガイ科のMizuhopecten属に分類される軟体動物の一種で、寒冷海洋性であり、通称帆立(ほたて)、食用としても最も知られている貝類の一つになります。

日本語では標準和名は、「ホタテガイ」の元となる帆立貝が古くから称しており、貝殻の片面を帆のように開き立て、帆掛け船(ほかけぶね)にように風を受け海中に移動するということから命名されていたという説がありまのです。また、貝殻の形から扇に見立て、海扇(うみおうぎ)という雅称(がご)もあります。一般では「貝(かい)」を省略し「帆立(ほたて)」と呼ばれていることが多いです。ちなみに、中国では扇に見立てて「扇貝」と呼ばれ、英語ではMizuhopecten yessoensisをJapanese scallopと呼ばれています。

帆立貝は寒冷海洋性の貝で、能登半島以北の日本海沿岸、千葉県以北の太平洋沿岸、さらに千島列島、カムチャッカ半島、朝鮮半島北部から沿岸にかけて分布し、主に水深20メートルかた30メートルの砂底で植物プランクトン等などを食料とし、生息しています。

帆立貝の産卵期は春で、産卵に向け生殖巣が発達し全体が大きくなり、冬の終わり春の初めを旬とされています。特にひも付きでボイルにされるものは産卵前の最も身が大きくなる時期に水揚げのピークを迎えると言われています。但し、貝柱自体の味という点から、産卵後の5月頃から7月にかけて、甘みが増し、最も美味しい時期とも言えるでしょう。

帆立貝の効能

1 帆立貝に含まれているタウリンは、血中のLDLコレステロールを減らす働きがある為、高血圧予防効果が期待できます。また、タウリンは水溶性の為鍋やスープに入れ、汁ごと食べることで効率よく摂取することができ、お勧めです。

2 帆立貝に含まれている亜鉛は、味覚を感じる味蕾(みらい)細胞を作る際に必要なミネラルの為、味覚障害予防することが期待できます。また、免疫反応や血糖値を下げる働きなどもあります。

3 帆立貝に含まれて葉酸は、ビタミンB群の1つで、赤血球の生産を助ける働きがあります。また、お腹にいる胎児の発育に最も重要なビタミンになる為、妊娠中の方、妊娠を希望する方に意識して摂取することをお薦めします。

4 帆立貝に含まれているビタミンB12は、蛋白質の合成やアミノ酸や脂肪酸の代謝に関わっています。また、ビタミンB12は、正常な赤血球を作る際にも重要な働きをするため、不足する場合、悪性貧血になる恐れがあります。

帆立貝の選び方

貝殻付きの場合

●貝殻が欠けていなく、いびつになっていない物を選びましょう

●ほんの少し口が開く、指で触った時、素早く貝殻を閉じようとする物が新鮮の証、選びましょう

*貝殻しっかり閉じたのは死んでいる証拠になり、貝殻が大きく開いてしまっている物は鮮度が落ちていることになる*

貝柱の場合

●重みを感じ、こんもりと盛り上がっている物を選びましょう

●表面に艶と透明感があり、白く濁っていない物を選びましょう

●身が引き締まって、黄色みがかかった飴色の物を選びましょう

帆立貝下ごしらえ

●二枚の貝殻ほんの少し開いたところにテーブルナイフなどを入れ、貝殻と身の間にゆっくり滑らせ、貝殻の側面から片方の貝柱を貝殻から外す

●同じことをもう片方の貝殻を外し、身を取り出す

●外した身は、貝柱、ヒモ、エラ、ウロ(中腸線)、生殖巣(メスは卵になる)がある

●食用になるのは、貝柱、ヒモ、生殖巣(メスは卵)

●ヒモの部分は塩まぶし、揉みこみしながら、汚れを取る、

また、まな板の上で置き、包丁の背で汚れをこすり取る方法もある

帆立貝の食べすぎに注意

●帆立貝を食べすぎると亜鉛の過剰摂取になる?

 

帆立貝を食べすぎると、亜鉛の過剰摂取により、嘔吐や吐き気、下痢や胃痙攣、食欲不振、頭痛などの症状や兆候が出ることがあります。

●帆立貝を食べ過ぎるとタウリンの過剰摂取になる?

帆立貝を食べすぎると、タウリンの過剰摂取なり、身体に残留しても、毒性はないとされています。食べすぎてしまっても、結果的に過剰分のタウリンは尿で排出され、人体の健康に悪影響はなく、気にしなくてもよいと言えるだろう。

●帆立貝食べすぎると二枚貝中毒になる?

帆立貝を食べすぎると、二枚貝中毒に注意が必要です。プランクトンを食料とする帆立貝などの二枚貝は、海水の中にいる有毒なプランクトンを食べることで、その毒を保持してしまう場合があり、日本では「麻痺性貝毒」と「下痢性貝毒」が多く知られています。