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VOL279 牡蛎について

2023年3月22日

牡蛎(かき)とは、ウグイスガイ目イタボガキ科とベッコウガキ科に属する二枚貝の総称になり、またはカキ目もしくはカキ上科に属する種の総称でもあります。日本では、海の岩から「かきおとす」ことから「牡蛎(かき)」という名が付いたと言われています。英語で牡蛎を指す「oyster(オイスター)」は日本語の「牡蛎(かき)」より広い範囲に使われ、岩などに着生する二枚貝のうち、形がやや不定形で表面が滑らかでないものもすべて含まれるというのです。ちなみに、牡蛎は古くから、世界各地の沿岸地域で食用、薬用や化粧品、建材(貝殻)として利用されています。

牡蛎の食用歴史は非常に長く、世界中で食され、最も親しまれている貝の一つと言っても過言ではないです。グリコーゲンのほか、必須アミノ酸をすべて含み、蛋白質やカルシウム、亜鉛などのミネラル類をはじめ、様々な栄養素が多量に含まれている為、「海のミルク」と呼ばれています。

真牡蛎の美味しい時期は、2月から3月にかけてとされ、産卵前の真牡蛎が一番美味しいです。本来旬は11月から3月だが、産卵する為身に栄養がぎっしり詰まっておりプリプリな状態で、生食がお薦めします。岩牡蛎の美味しい時期は5月から8月になります。

牡蛎の中でマガキ属(Crassosrea)の真牡蛎は、世界的に食用目的での養殖が最も多い二枚貝になります。主な養殖方法としては、海中にぶら下がる方法(筏垂下)とある程度育った貝を海底に撒く方法(地蒔き)があります。ちなみに古代ローマ時代は粽による方法で行われたが、現在の日本では海中にぶら下がる方法が主流となっています。

牡蛎の効能

1 牡蛎に含まれている亜鉛は、魚介類の中でも亜鉛の含有量が豊富で、新陳代謝やエネルギー代謝、ホルモン代謝など身体の中の様々な動きに欠かせない栄養素になります。肌荒れや抜け毛、貧血や立ち眩みなどが気になる方にお勧めの一品になります。また、男性の前立腺にも必要な栄養素で、生殖能力の維持にもかかわることから妊活中積極的に摂取すべき栄養素になります。更に、舌にある味蕾(みらい)にも関わり、不足すると味覚障害を引き起こす恐れがあります。

2 牡蛎に含まれている鉄分は、血液中の蛋白質と結合することで、身体の中に酸素や栄養素を運ぶヘモグロビンを作ります。鉄分が不足すると、体内に酸素の供給が十分にできなくなり、疲れを感じやすくなり、集中力低下、慢性疲労を引き起こす恐れがあります。

3 牡蛎に含まれているビタミンB12は、赤血球のヘモグロビンの合成を助ける働きがあり、貧血予防に役に立ちます。

4 牡蛎に含まれるタウリンは、生命維持に必要な成分となり、心臓や肝臓機能の向上、視力の回復、インスリン分泌の促進、高血圧の予防など様々な効果が期待できます。

5 牡蛎に含まれるグリコーゲンは、筋肉などのエネルギー源になる糖質の一種になります。不足すると運動能力やスタミナが低下しやすくなります。又は、疲労回復に欠かせない栄養素になり、血糖値の調整効果も期待できます。

牡蛎の選び方

剥き牡蛎の場合

身が大きく、ふっくらとする

貝柱が大きく、色が半透明(鮮度低下で白くなる)

身がプリプリ、身の色が薄い黄色(鮮度低下で白くなる)

外側の黒いヒダが大きい

殻付き牡蛎の判別は難しい

 サイズの大きい物

 手に持って、ずっしりと重みを感じる物

 殻に黒みがある物

「食当たり」しないようの牡蛎選び

●洗浄海域(指定海域)で水揚げされた物を選ぶ

 生食用の牡蛎は、国の許可を受けた海域のみで水揚げされるようになっています。

清浄海域とは海水の細菌が一定数以下の淀みのない海域ことを称します。

●販売表示は従った牡蛎の調理を行う

 必ず加熱用、生食用の表示に従って調理しましょう。

 生食用の牡蛎の場合はUV殺菌(紫外線処理)を行われています。

●牡蛎の保存方法、消費期限を守ること

 購入後しっかりと冷蔵保存をしましょう。

 ラベルに印字されている消費期限を厳守しましょう。

牡蛎の食中毒の原因

●「腸炎ビブリオ」

夏場の発生が多く、1分加熱(100℃以上)で殺菌される

●「ノロウイルス」 

冬場又は冬から春にかけて多く発生、1分加熱(以上)で殺菌できる

●「貝毒」

春、秋に発生することが多く、加熱が効かない為、検査されたものを選ぶ