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VOL300 穀雨について

2023年4月20日

今日は4月20日(木)、二十四節季の第六番目の穀雨(こくう)です。

「暦便覧」によると、「雨降りて百穀を生化すれば也」、春の雨が百穀を潤すことから名づけられたものと言われています。地上にある沢山の穀物に、たっぷりと水分と栄養が貯め込まれ、元気に育つように、天からの贈り物である恵の雨がしっとりと降り注いでいる頃のことを称します。気候もこの頃から安定し、日差しも徐々に強まってきます。ちなみに、昔はこの日を田植えの準備の目安としていました。

 「穀雨の候」とは、穀雨の日から、次の節季「立夏(りっか)」の前日まで使うことができます。今年の立夏は5月6日の為、4月20日から5月5日までは「穀雨の候」と称することができます。

穀雨の三候」

1 「初候」…葭始生(あしはじめてしょうず)、4月20日から4月24日頃、水辺の葭が芽吹き始め、山の植物、野の植物が緑一色に輝き始め頃になり、葭は、最終的にすだれや屋根などに形を変え、人々の生活を手助けしてくれることになります。

2 「次候」…霜止出苗(しもやんでなえいづる)、4月25日から4月29日頃、天気が暖かくなり、霜も降らなくなり、苗がすくすくと育つ頃になります。田植えの準備が始まり、活気に溢れている農家の様子が連想させられる言葉です。

3 「末候」…牡丹華(ぼたんはなさく)、4月30日から5月5日頃、「百花の王」である牡丹(ぼたん)が開花し始める頃になり、美しく存在感があり、堂々としていることを表しています。ちなみに、中国では国を代表する花として知られ、数え切れないほどの逸話や美術作品に登場されています。

穀雨の花

●藤(ふじ)

 桜(さくら)が散ると、藤の季節になります。日本では、藤棚や盆栽に仕立てられることが多く、垂れ下がる藤の花は、周囲の緑を映えて鮮やかさを演出し、人々の心を惹き付ける力があります。

穀雨食べ物

●筍(たけのこ)

 筍はタケ類の地下茎から出る幼茎のことを称します。「筍」という漢字は、竹が10日間(一旬)で成長することから、竹の旬の時期を表し、それは由来と言われています。

●ヤリイカ

 ヤリイカは、全体的に細長く、地方によっては笹イカ、サヤナガ、テッポウなどと呼ばれています。ちなみにヤリイカは透明、茶色、白と色が変化していくため、透明の物は鮮度の証とも言えます。

●へびいちご

 へびいちごという名前からして、毒々しいイメージがあるかもしれないですが、実に毒はありません。果実は綺麗な赤色で、味がないことから食用とはされていません。

穀雨の行事

●八十八夜(はちじゅうはちゃ)

立春から数えて、八十八日にあたる夜のことを称します。5月2日頃田植えや茶摘みが行われる時期であり、ちなみに八十八夜に摘んだ茶葉は長寿の薬とも言われています。