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VOL322   ツルムラサキについて

2023年5月29日

 ツルムラサキ(蔓紫)とは、ツルムラサキ科ツルムラサキ属の蔓性(つるせい)一年生草本で、カロテンやカルシウムを豊富に含まれ、緑黄色野菜になります。

 ツルムラサキの和名は、茎はつる状で、葉の付け根に紫色の実をつけることから、「ツルムラサキ」という名が付けられていたと言われています。俗名で「パセラ」と呼ばれ、英語名は「Indian spinach」や「Malader nightshade」になり、中国名は「木耳菜」と称します。

 ツルムラサキの原産地は、熱帯アジア、東南アジアの熱帯地方と言われ、東南アジアから中国南部地域までの広い範囲にわたり、分布し、古くから野菜として利用されています。日本へは江戸時代に伝わって主に観賞用として栽培されていが、戦後の日中国交正常化以降は中国野菜ブームの到来によって、次第に増加してきました。現在国内では、宮城県、福島県、徳島県、山形県などの東北地方が中心となって栽培されています。

 ツルムラサキは、夏場に旬を迎える緑黄野菜で、露地物の収穫の最盛期は6月から8月と言われ、体表的な夏野菜とも言えるだろう。味はほうれん草に似ているが、調理すると独特な匂いと、ムチレージという粘り成分に由来する軽いぬめりがある食感が特徴です。生でも食べられますが、えぐみがあるため、軽くさっと茹でて和物にするか、油との相性が良いため、炒め物にも向いています。

ツルムラサキの効能

1、 ツルムラサキに含まれているβ-カロテンは、抗発がん作用や、免疫賦活作用で知られています。また、体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持に役に立ちます。更に、喉や肺など呼吸系統を守る働きもあると言われています。

2、 ツルムラサキに含まれているカルシウムは、ほうれん草の3倍とも言われ、骨を形成するのに欠かせない成分になります。

3、 ツルムラサキに含まれているマグネシウムは、骨に弾力を与える働きがあり、骨や歯にカルシウムが行き渡るよう調整する働きもあると言われています。

4、 ツルムラサキに含まれているビタミンKは、血液凝固させる為必要な栄養素になります。血液凝固成分により出血しても自然に止血することができ、ビタミンKが欠乏する時、出血が止まりにくくなります。また、ビタミンKは、骨のカルシウム形成に重要な役割を果たしています。

5、 ツルムラサキには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維両方含まれています。食物繊維は、腸の粘膜を守り、腸内環境を整える働きがあります。腸内環境を整えることで、肌荒れや便秘の改善効果が期待できます。

ツルムラサキの選び方

●切り口がみずみずしい物を選びましょう

●葉の色が濃い緑色をしている物を選びましょう

●葉は、肉厚で艶がある物を選びましょう

●成長しすぎていない物を選びましょう

ツルムラサキの保存方法

●購入後濡らしたキッチペーパーなどで茎の根元を包み、ビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう

●なるべき早めに使い切ることをお勧めします

調理ポイント

1、 ほうれん草と違って、茎が太い為、下茹でする場合葉と茎を別々にした方がおすすめです。

2、 油との相性が良いため、炒め物に向いています。その場合下茹でする必要がなくなります。