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VOL355 藤豆について

2023年7月14日

藤豆(ふじまめ)とは、マメ亜科フジマメ属に属する蔓性(つるせい)の植物で、莢(さや)を若取りしたものを称します。熱帯地域に分布し、アフリカ、アジアを原産地とし、古くはインドで栽培され、東南アジアン、エジプト、スーダンなどでも見られ、日本には9世紀以降度々導入され、岐阜県では「飛騨・美濃伝統野菜」に「千石豆」として認定されています。石川県では「加賀野菜」の一つとして「加賀つるまめ」という名でブランド化されています。

藤豆は地方によって色々な呼び名が付けられて、伊勢を中心に三重県や岐阜県では千石豆(せんこくまめ)と呼ばれています。これは莢の形が千石船に似ていることからという説があり、そのほかの説では、たくさん実がなり豊作を意味して名付けられたという説もあります。また、石川県では「蔓豆(つるまめ)」と呼ばれなど、いんげん豆と混同されがちですが、全くの別種になります。

藤豆は若い莢を食用とするほか、熟した豆も食用になります。若莢の収穫は若すぎても風味が弱く、熟しすぎると莢が硬くなって美味しく無くなってしまうので、そのタイミンが非常に重要となってきます。
適時に収穫された若莢は一般的なキヌサヤやさやいんげんと同じように食べ方ができます。独特の香りがあって旨味もありとても美味しい夏野菜の一つになります。春の終わり頃に定植したものが6月中旬辺りには莢がつき、その後莢が実り、11月頃まで収穫は続き、旬としては7月から9月にかけてとなり、初夏から晩夏となりますが、露地物に限れば旬は夏です。

藤豆の効能
1、 藤豆に含まれているビタミンB1は、チアミンとも呼ばれる水溶性ビタミンになり、解糖系やクエン酸カイロのエネルギー代謝の一部で補酵素として働きます。糖質を代謝するために欠かせない栄養素になります。また、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きもあり、免疫力向上効果が期待できます。
2、 藤豆に含まれているビタミンB2は、水溶性のビタミンで、糖質、脂質、蛋白質の代謝、エネルギー生産に関わる酸化還元酵素の補酵素として働きます。特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪や爪などの細胞の再生に役に立ちます。
3、 藤豆に含まれているカリウムは、細胞内液の浸透圧を調節し、一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。更に、ナトリウムを体外に排出しやすくする作用がある為、塩分の取りすぎを調節する効果も期待できます。
4、 藤豆に含まれている食物繊維は、水溶性ではないタイプの食物繊維が多く含まれています。腸内環境を整え、便秘改善効果が期待できます。また、大腸がん、高血圧、糖尿病や動脈硬化の予防、肥満の改善など様々な疾患予防、改善に効果が期待できます。

藤豆の選び方
●表面がふんわりとし、シワがない物を選びましょう
●色がみずみずしい薄い黄緑色の物を選びましょう
●豆が育ちすぎていない物を選びましょう

藤豆の保存方法 
●藤豆は乾燥しやすいので、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。なるべく早めに食べるようにしましょう
●下茹でした物は、密封容器などに入れて、冷蔵庫かチルドに入れて保存しましょう
藤豆の調理ポイント
藤豆はサヤエンドなどと同じく、硬い筋があります。まずは筋を取り、髭がついている方を摘んで上のまっすぐな面に沿って軸がついている方向に向けて引っ張るようにちぎると筋がついてくるように取れます。次に、軸が付いている先をつまみ、カーブが急な側に沿って筋を引くと取れやすいです。