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VOL370 つる菜について

2023年8月4日

 つる菜とは、ハマミズナ科の多年草で、海岸の砂地に自制しており、古くから食用や生薬として用いられてきました。茎が蔓のように地面に広がることから「つる菜」と称するようになりました。また、沖縄などでは「はま菜」と呼ばれることがあります。さらに、生薬としては「番杏(ばんきょう)」または「浜千舎(はまじしゃ)」と呼ばれています。ちなみに英語では「New Zealand spinach(ニュージーランドほうれん草)」と呼ばれ、これはイギリス探検家キャプテン・クックがニュージーランドに自生していたものを持ち帰り、栽培されるようになったことから、その名前が付けられるようになったという説があります。
つる菜は日本に限らず、アジア、オセアニア、南米の太平洋沿岸地域に広く自生していて、日本では北海道の南部から南の全国の浜辺で見ることができます。特に太平洋沿岸部の砂地の海岸に多いとされています。自制しているだけではなく、食用としての栽培も行われています。
 つる菜は茎が蔓上に伸びて広がっていきますが、食用には若い葉と茎を摘み取り収穫します。食材としての旬は7月から10月頃までと言われています。したがって、つる菜は夏野菜と言えます。

つる菜の効能
1 つる菜に含まれているβ-カロテンは、100gあたり2700μgで、クレソンとほぼ同じ量になります。β-カロテンは、活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から守る働きや、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きもあり、合わせて免疫力を高める効果が期待できます。また、がん予防効果もあるとされています。

2 つる菜に含まれているビタミンKは、怪我をした時などに止血する効果があり、それは血液を凝固させる成分の合成に関わっている為です。また、カルシウムを骨に定着させる働きもあり、骨粗鬆症の治療薬としても知られています。

3 つる菜の茎葉を乾燥させたものを「番杏(ばんきょう)」または「浜千舎(はまじしゃ)」と呼ばれ、生薬として用いられ、胃潰瘍や胃酸過多などを改善する胃薬としての効果が期待できます。

つる菜の選び方
●葉先までシャキッとしている物を選びましょう
●先の柔らかい部分だけを摘み取った物を選びましょう
●つや、ハリのある物を選びましょう

つる菜の保存方法
●つる菜は葉が傷みやすい野菜なので、なるべく早く食べるようにしましょう
●保存するとき、ポリ袋に入れ、空気をたっぷりと風船状に一緒に入れておき、葉同士当たらないような状態で、立てて冷蔵庫の野菜室に保存しましょう