Blog
ブログ

VOL406 菱の実について

2023年10月4日

菱の実(ひしのみ)とは、ミソハギ科(クロンキスト体系ではヒシ科ヒシ属)の一年草の水草で、菱は沼や池に生息しており、水底から発芽して茎が伸び水面に葉を広げ、葉が水面に浮く浮葉植物で、種子のことを「菱の実」と呼ばれています。菱の実は硬い殻に包まれた中に、白い果肉があり、その部分を食用とします。日本自生している「オニビシ」や「ヒメビシ」は小さく、たべられる部分もとても小さいものとなります。また、「トウビシ」など栽培されているものは実が大きく、食べられる果肉も栗ほど大粒なものとなります。
菱はかつて全国の湖で見られ、菱の実はおやつとして食べられていましたが、徐々に生息地が減り、現在では福岡県や佐賀県で栽培されております。菱は夏に花を咲かせ、その後秋から晩秋にかけて実を膨らませ、収穫できるのは実が膨らんでから落ちるまでの間で、9月から11月頃までとなり、旬もこの時期になります。

菱の実の効能
1、菱の実はほうれん草の2倍ほどの葉酸が含まれており、血行促進や貧血予防効果が期待できます。また、葉酸は胎児がDNAを生成する際に重要な役割を果たすので、妊婦が積極的取り入れるべき栄養素として知られています。
2、菱の実に含まれているビタミンB1は、疲労回復の作用があり、人間の身体を動かすエネルギーを糖質から産生させる際に欠かせない栄養素になります。
3、菱の実の皮に多く含まれているのがポリフェノールで、抗酸化作用がある栄養素であり、老化や生活習慣病の予防効果が期待できます。ちなみに、ポリフェノールを効率よく摂取するには、菱の実の皮を煎じたお茶を飲むことをお勧めします。
4、菱は有機ゲルマニュムを含む数少ない植物として知られています。有機ゲルマニュムは、免疫力を高め、がんと戦うインターフェロンの生成を促す働きがあるとされています。また、モルヒネと同じような鎮痛効果もあります。

菱の実の茹で方
●水にさらしてアクを抜く
  菱の実はアクが多く含まれている為、水にさらしてアクを抜きます。最低でも2時間以上、出来れば一晩浸けて置くことをお勧めします。
●茹で方
 ①水から茹でること
②水に対して塩を2~3%を加える
 ③炊き込みご飯や炒め物の場合、沸騰してから10分ぐらい茹でる
 ④そのまま食べるのであれば、沸騰してから20~30分ぐらい茹でる
●水にさらして熱を取る
  茹であがったらザルに上げて、そのままでは熱くて殻が剥けない上、そのまま冷ますと殻が乾いて硬くなり剥きにくくなり、一旦水に浸してある程度冷ましてから殻を剥く

⚠️注意ポイント
●菱の実は、実に寄生虫がいる可能性あり、人間の小腸に宿るとお腹が痛くなったり、小腸を壊したりする原因となる為、加熱して食べることお勧めします。