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VOL511 乾物とは

2024年3月18日

乾物とは、昔から保存食として日本各地で作られてきた乾物は、野菜や海藻類、魚介類などの食材を乾燥させ、水分を抜き、常温で数か月以上に長期保存をできるようにした食品のことを称します。食材に含まれている水分は、物を腐らせる細菌やカビなどの微生物を増やしてしまう為、水分をしっかり抜けることによって、微生物の繁殖を抑え、常温でも腐らずに保存できるのです。
乾物の製法としては、生の食材を天日干しにしたり、煮る・茹でるなどの加工をしてから乾燥させたり、凍らせてから干したり、様々な方法で作られています。
代表的な乾物として椎茸、昆布、寒天、ひじき、切干大根、高野豆腐、海苔、わかめなどが挙げられます。

乾物にするメリット
1、保存性が高い
食材の水分が減ることで雑菌やカビなどの繁殖が抑えられる為、常温でも長期保存できるようになります。

2、栄養が付加される
太陽の力で栄養素が変化する食材もあります。例えば、椎茸を天日干しにすることによって、椎茸に含まれているエリゴステロールという成分がビタミンDに変化します。そのため乾燥椎茸のビタミンD含有量は、生の状態の約10倍にもなります。

3、栄養価が高まる
水分が抜けることで栄養価が変化します。例えば、生の大根を切干大根にすることで、食物繊維やカルシウムの量が変わり、食物繊維が約3倍に、カルシウムが約4倍となり、その他のミネラルも大幅にアップします。

4、美味しさアップすること
干し葡萄や干し芋、干し柿などは干すことで、生のまま食べるより甘さが際立つ寄りになります。例えば、渋柿はそのままでは渋くて食べられないですが、柿の皮を剥いて天日干しすることにより、実の中でアセトアルデヒドという物質が発生して、渋み成分であるタンニンと結合し、渋さを感じなくなります。

5、うま味や風味が向上
水分が抜けることで、食材持っているうま味や風味の成分が凝縮され、特にきのこ類は乾燥することによって、うま味成分の一つであるグルタミン酸がぐっ凝縮され、より美味しくなります。

「乾物」と「干物」の違い
乾物とは、食材の水分をカリカリなるまで抜き、乾燥させることで保存性を高め、うま味が増し、一般的に海藻や野菜を乾燥させる物を称します。
干物とは、魚介類の水分を乾燥によって減らすことで貯蔵可能なように加工した食品のことを称します。