Category Archives: 豆知識

VOL443 百合根について

百合根(ゆりね)とは、食用に適した百合の花の球根部分のことを称します。百合根は鬼百合(おにゆり)、山百合(やまゆり)、スカシユリなど苦味の少ない種が用いられ、江戸時代以降に野菜として栽培が始まりました。
百合根の栽培はとても時間がかかり、種球から始めると6年もかかるそうで、畑に植え付けするまでに3年、畑に植え付けてからさらに3年が要します。また、畑を毎年のように植え替えなければならない、一度植えた畑には最低は空かなければならないそうです。百合根主な産地は北海道真狩で、北海道全体で全国の約95%を生産しています。一般的に百合根の旬は晩秋から冬にかけて、正月料理に使われることが多いので、いずにも11月から年末ににかけて出荷のピークを迎えます。ちなみに、京懐石料理によく使われています。一見京野菜のようなイメージがありますが、実に「京都の伝統野菜」には含まれておらず、とは言っても、京都でも丹波地方など百合根の生産はされています。

百合根の効能
1、 百合根はイモなどと同じように、主な成分は炭水化物で、身体に吸収され、エネルギーに変わり、古くから中国や日本で、滋養強状、利尿、咳止めのほかに精神を安定させ、イライラを解消するなどの鎮静作用の薬用として珍重された歴史が有ります。

2、 百合根に含まれているカリウムは、100gあたり740mgになり、ナトリウムを体外に排出する働きがあります。塩分の調整を行い、高血圧予防効果が期待できます。

3、 百合根に含まれている食物繊維は、グルコマンナンと呼ばれ、腸内の水分を吸収し、老廃物を吸着しながら排出する働きがあります。腸の蠕動運動を促すため、便秘の解消が期待できます。

4、 百合根に含まれている糖質は、ビタミンB1の力を借り、エネルギーを作り出し、激しい運動をする前にとると効果的とされています。また、脳にとっても糖質が大切な栄養源になっています。

5、 百合根に含まれているマグネシウムは、酵素の働きを促すミネラルの一つになります。また、蛋白質や核酸が正常に合成されるのを助け、肌や髪を健康に保つ働きがあります。

百合根の選び方
●全体に色が白い物を選びましょう
●鱗片にハリがある物を選びましょう
●手に持って、しっかりと重みのある物を選びましょう
●おがくずと一緒に詰まれた物を

百合根の保存方法
●丸のまま買った時に、おがくずと一緒に入っていたら、そのままおがくずに埋めたまま袋に入れて冷蔵庫に入れておくと、1か月ぐらい大丈夫です(なるべく早めに使うことをお勧めします)。
●おがくずが無い場合、むき出しの百合根を新聞紙などで包んで袋に入れて、冷蔵庫に保管します。特に注意してほしいのは、百合根は水気に弱く、傷つきやすい為、決して新聞紙を濡らさないようにしてください。
●鱗片を一枚ずつばらしてしまった場合、さっと塩茹でするか、蒸してからラップに包んで冷凍します(できればやや硬めにゆでた方がお勧めします)。

VOL441 アボガドについて

アボガドとは、クスノキ科ワニナシ属の常緑高木で、この実のことを称し、和名は「鰐梨(わになし)といいます。果実で食材としては、野菜のイメージがありますが、実に果物に分類されています。アボガドは栄養価が高く、「ギネスブック」にも生食の果実で栄養価NO.1と認定されています。「森のバター」と呼ばれ、果物にも関わらず、脂質が100gあたり18.7gになり、カロリーも高く、一個あたり凡そ320Kcalにもなります。
アボガドの原産地は、メキシコ南部、コロンビア、エクアドルといった中南米という説があります。
普通のスーパーや小売店で流通しているもの全て輸入品になり、メキシコや、チリ、ニュージーランド、カリフォルニアなどがあります。国内では大規模に栽培されている所が和歌山県や愛媛県、沖縄県などのなん箇所程度です。
アボガドは夏に実り、秋収穫になりますが、国内では晩秋から翌年1月ぐらいに収穫されています。国産アボガドの旬と言ったら、11月から翌1月までとなります。

アボガドの効能
1、 アボガドには、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸といった「不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。これらの不飽和脂肪酸は、血中の悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。また、血液サラサラにして血栓を予防する効果も期待できます。

2、 アボガドに含まれているビタミンEは、100gあたり2mgになります。ビタミンEは、免疫力を高め、外部から細菌やウイルスに対し、身体を守る働きに欠かせない栄養素になります。また、活性酸素の働きを抑え、皮膚の新陳代謝を高める効果も期待できます。

3、 アボガドに含まれているカリウムは、100gあたり590mgになり、ナトリウムを体外に排出する働きがあります。塩分の調整を行い、高血圧予防効果が期待できます。

4、 アボガドに含まれている食物繊維は、100gあたり5.6gになり、腸内の水分を吸収し、老廃物を吸着しながら排出する働きがあります。腸の蠕動運動を促すため、便秘の解消が期待できます。

5、 アボガドに含まれている葉酸は、100gあたり83μgになり、赤血球を作るのに欠かせない栄養素で、貧血予防効果が期待できます。また、妊婦さんや妊活中の女性に推奨される栄養素になり、細胞分裂や成長に大きく関わっている栄養素で、細胞分裂が盛んな妊娠初期では、十分な葉酸の摂取が必要になります。

アボガドの選び方
●すぐ使う場合、熟している物を選びましょう
1、ふっくらとしている物
2、皮の色が黒っぽい物
3、触った時にカチカチではなく、少し柔らかい弾力がある物
4、ヘタの部分が少し乾いた感じ、浮いてきている物

●未熟なアボガドを追熟させる場合
1、 触った感じカチカチで、皮の色がグリーンの場合、追熟させる必要があり、室温20℃がベストとする
2、 早く熟させたい場合、バナナや林檎、メロンなどエチレンガスを発生させる果実と一緒に袋に入れておくと熟成が進む

アボガドの保存方法
●アボガドは低温に弱く、室温20℃がベスト、低温障害により中の果肉が黒くなることがある
●切ったものが変色しやすいため、レモン汁をかけ、ラップで包み冷蔵庫に入れて保存する

⚠️注意⚠️
ラテックス(天然ゴム)アレルギーの人は、アボガド、キウイ、バナナ等でも交差抗原性アレルギーを発症することがあります。

VOL439 小雪について

今日は11月22日(水)、二十四節季の第二十番の小雪(しょうせつ)です。
「暦便覧」によると、「冷ゆるがこ故に雨も雪となりてくだるがゆへ也」、意味としては、陽射しが弱まり、冷え込みが厳しい季節になります。木々の葉は落ち、平地にも初雪が舞い始める頃になります。
「小雪の候」とは、小雪の日から、次の節季「大雪(たいせつ)」の前日まで使うことができます。今年の大雪は12月7日(木)の為、11月20日から12月6日までは「小雪の候」と称することができます。

「小雪の三候」
1 「初候」…虹蔵不見(にじかくれてみえず)、11月22日から26日頃、曇り空が多くなる頃、陽射しが弱まり、虹を見ることが少なくなります。見ることができても、夏空のようなくっきりとした虹ではなく、ぼんやりとすぐに消えてしまいます。

2 「次候」…朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)、11月27日から12月1日頃、朔風とは北風のことで、冷たい北風が木々の葉を落とす季節になります。地面いっぱいに広がる落葉と、葉を落とした木々は冬景色の象徴であり、季節の移り変わりが感じられる時になります。

3 「末候」…橘始黄(たちばなはじめてきばむ)、12月2日から12月6日頃、橘の実が黄色くなっていく季節になります。橘とは柑橘のことで、古くから日本に自生し、常緑植物であることから「永遠」を意味するとされ、不老不死の実だと言われていたようです。

小雪の食べ物
●蟹すき鍋(かにすきなべ)
寒い時期にぴったりな蟹すき鍋は、タンパクで食べ応えのあるタラバガニが向いています。旨みをじっくり味わうにはズワイガニがおすすめです。
●蜜柑(みかん)
蜜柑は、ビタミンC以外にも多くの栄養素が含まれ、骨粗鬆症の予防効果も期待できます。冬はこたつに入りながら蜜柑を食べるというスタイルが定着していますが、食べ過ぎると身体が冷えてしまうため、程々にしましょう。
●ほうれん草
ほうれん草は、ヨーロッパでは「胃腸の箒(ほうき)」と呼ばれているほど、消化吸収がよく、食物繊維も多く含まれて、胃腸を整え、貧血防止効果も期待できます。

小雪の鳥
●翡翠(かわせみ)
翡翠は鮮やかな色から「青い宝石」や「渓流の宝石」と呼ばれています。この色は構造色といい、翡翠の色素によるものではなく、光の加減で青く見えているそうです。

小雪の行事
●新嘗祭(にいなめさい)
11月23日に新穀の収穫を感謝するお祭りで、この年に収穫された穀物を食すことを「新嘗(にいなめ)」と言うのです。元々は、全国民の祭典のようなお祭りでしたが、勤労感謝の日ができてからは、一部の神社で行われるようになりました。

VOL437 もものすけについて


写真出典:https://jaoita.or.jp/learn/season/vegetable/7247

「もものすけ」とは、赤い蕪で、11月から1月が旬で、普通の蕪(かぶ)より甘く、柔らかみがあって、皮に切り込みを入れると手でツルッと簡単に皮が剥けるのは特徴です。大きさは一般的な小蕪(こかぶ)程度で、表面が赤く、外見は万木蕪(ゆるぎかぶ)に似ています。葉や葉柄はほぼ緑で、切れ込みが楕円形の葉をしています。
「もものすけ」は北海道、東北から九州までの各地で栽培されるようになり、一部産地からも勧められているようです。

「もものすけ」の葉の効能
1、 「もものすけ」の葉の部分に含まれているβ-カロテンは、抗発がん作用や免疫賦活作用で知られています。また、必要に応じて体内でビタミンAに変換され、神の健康維持、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるとされています。

2、 「もものすけ」の葉の部分に含まれているビタミンCは、血液中の白血球特に細菌やウイルスと闘う好中球に大量に含まれており、体外から侵入してきた細菌やウイルスなどを撃退する役割を担って、風邪予防効果が期待できます。また、疲労回復効果、肌荒れ予防などの効果も期待できます。

3、 「もものすけ」の葉の部分に含まれているカリウムは、体内の余分な水分を排出する働きがあり、むくみ予防、解消効果が期待できます。また、余分なナトリウム(塩分)を排出し、血圧の下げる効果も期待できます。

4、 「もものすけ」の葉の部分に含まれている葉酸は、「造血のビタミン」とも呼ばれ、造血や細胞を生まれ変わりに関与し、胎児の発育に必要不可欠な栄養素になります。

5、 「もものすけ」の葉の部分に含まれている食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸の調子を整え、便秘解消、下痢の改善効果が期待できます。

「もものすけ」の根の効能
1、 「もものすけ」の根の部分に含まれているビタミンCは、風邪予防、疲労回復などの効果が期待できます。
2、 「もものすけ」の根の部分に含まれているアミラーゼは、澱粉の消化酵素として働き、胃もたれや胸やけを解消する効果や、食べすぎの不快感を取る整腸作用があります。

「もものすけ」の選び方
●葉が活き活きとした緑色の物を選びましょう
●葉の部分がシャキッとしていて、ひげ根の少ない物を選びましょう
●根の色が真っ白で、艶があり、くすみがない物を選びましょう
●持った時にずっしりと重みがある物を選びましょう

「もものすけ」の保存方法
●買ってきたら、葉を根元から切り落とし、根の部分と葉の部分別々に保存しましょう
●それぞれ乾燥しないように、濡らしたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう

保存の注意点
◎根の部分と葉の部分を付けたままにしておくと、葉に水分や栄養を吸いとられ、スが入りやすくなる
◎葉のほうが早く鮮度が落ちるため、早めに使いましょう

蕗の薹に関する注意点
●蕗の薹に含まれている「ピロリジジンアルカロイド類」と呼ばれる天然の毒が含まれています。ピロリジジンアルカロイド類は水に溶ける為、あく抜きの過程で減らすことができますが、あく抜きせずに食べることがよくあります。蕨(わらび)にも含まれている成分で、今のところ健康被害等は報告されていませんが、それでも大量に摂取することは控えましょう。
●蕗の薹の根っこは毒性が強い為、食べるのは控えましょう
●蕗の薹と同時に芽を出す山菜に、福寿草(ふくじゅうそう)というものがあるが、この芽は有毒であるため、山菜を自分で取りに行く際は、間違って取らないように気を付けましょう。

次回は、蕗の薹使った調理例を紹介します。

VOL436 エンダイブについて

写真出典:https://shop.living-farm.jp/?pid=124260452

エンダイブは、別名「にがチシャ」とも言われています。ヨーロッパ地中海沿岸地方原産とされるキク科の一年となります。ちなみに、エンダイブの正式の和名は「キクジシャ」と呼ばれています。エンダイブの葉は細かい切れ込みがたくさんあり、何もせずそのまま栽培すると全体に濃い緑になり、苦味が強くなり、食感も硬くなるため、ある程度育ち収穫時期が近くなると「縛葉(ばくよう)」といって、内側に日を当てないように外側の葉を束ねて内側に光が入らないようかぶせることで白っぽい部分が多くなるように軟白処理されています。手間かかる事があり、サニーレタスなどより高値で取引され、主にレストランやホテルなど飲食店向けに卸され、一般のスーパーなどにあまり見かけません。
エンダイブ国内の産地として知られているのは岡山県をはじめ長野県や千葉県などです。エンダイブはハウス栽培が行われている為、通年市場に出荷されています。冬場は千葉県が多く、夏場は長野県が多く出荷され、冬が旬の野菜となります。

エンダイブの効能
1、 エンダイブに含まれているカリウムは、余分な塩分を身体の外に出す働きがあり、むくみを予防したり、血圧を下げたりする効果が期待できます。

2、 エンダイブに含まれているカルシウムは、歯や骨を作るのに欠かせないミネラルとなります。体内にあるカルシウムは、99%歯と骨に存在しています。また、筋肉を動かし、精神の興奮を抑え、安定させる効果が期待できます。ちなみに、カルシウムは吸収されにくい栄養素の一つで、ビタミンDと一緒にとるで、カルシウムの吸収率が良くなります。

3、 エンダイブに含まれている食物繊維は、レタスの約2倍ほど、腸内環境を整え便秘の解消にも効果あり、さらにむくみ解消に効果的です。

4、 エンダイブに含まれているβ-カロテンは、抗発がん作用や免疫賦活作用で知られています。また、体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持にも効果が期待できます。さらに、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるとされています。

エンダイブの選び方
●真ん中近くの黄色い部分が多い物を選びましょう
●葉先が細かい物を選びましょう
●中心部が傷んでいないかをチェックしましょう

エンダイブの保存方法
●エンダイブは乾燥しやすい反面、水気が多すぎるとズルけるように傷んでくるので、湿らせた新聞紙などで包み、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。
●包丁で切ると、切り口が変色しやすいので、ちぎって使いましょう。

VOL434 中島菜について


写真出典:https://www.kaorian.biz/

中島菜はツケナ類の一種で、独特のほろ苦さと辛味で、葉の縁が細かくギザギザしているのが特徴です。石川県能登の旧中島町で明治時代から栽培され、食べ継がれてきた漬け菜の一種で、平成18年(2006年)11月に能登伝統野菜として地域団体商標を取得しています。JA能登わかば管内の旧中島町を含む七尾市をはじめ、中能登町などが主な産地となっています。
中島菜の収穫は11月頃から始まり春まで続きますが、主な時期が害虫がいない冬越しとなるため無農薬で栽培されることが多いです。

中島菜の効能
1、 中島菜に含まれているペプチドは、血圧上昇に作用するアンジオテンシン(ACE)という酵素の働きを妨げる効果があるとされています。

2、 中島菜に含まれているβ-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されることができます。ビタミンAは、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、免疫力を高めてくれる効果もあります。また、ビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、視力維持効果もあるとされています。

3、 中島菜に含まれているビタミンCは、粘膜を正常に保つことで、風邪などに対する抵抗力を高める働きがあり、風邪予防や疲労回復効果が期待できます。

中島菜の選び方
●葉先までみずみずしい物を選びましょう
●艶、ハリがある緑色の物を選びましょう

中島菜の保存方法
●中島菜は、乾燥に弱いので、濡らしたキッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう
●なるべく立てた状態で保存しましょう
●寝かせておくと起きあがろうとするので、その栄養成分が消費され傷みやすくなります

VOL432 レタスについて

レタスとは、キク科アキノノゲシ属の植物で、チシャに分類され、その葉を野菜として食べます。日本では古くから、レタスの部類を「チシャ」と呼ばれ、一般的に玉レタス、サニーレタスをはじめ、サラダ菜など色々な種類があり、それらの総称は「レタス」か「チシャ」とされています。
レタスの種類は世界各地でみられ、各地で栽培され食用とされています。ちなみに殆どの国では生のままサラダとして食べる野菜として親しまれています。国内で主な産地は長野県で、全国約1/3を出荷しています。次は茨城、群馬が続きます。
原産地ヨロッパでは、レタスの旬は晩春から初夏となっていますが。国内では全国で栽培されており、通年市場に流通しています。収穫期は多くの地域で秋と春で、夏は長野県などの高冷地から、冬は九州や香川などの暖かいところから出荷されています。
 
レタスの効能
1、 レタスに含まれている食物繊維は、100g当たり1.1gで、不溶性食物繊維が1.0gで、水溶性食物繊維は、0.1gとなります。不溶性食物繊維は腸の中の水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促して便秘の改善効果が期待できます。また、有害物質を排出する効果があります。水溶性食物繊維は、腸内環境を整える効果や血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑える効果もあるとされています。

2、 レタスに含まれているビタミンCは、粘膜を正常に保つことで、風邪などに対する抵抗力を高める働きがあり、風邪予防や疲労回復効果が期待できます。

3、 レタスに含まれているカリウムは、余分な塩分を身体の外に出す働きがあり、むくみを予防したり、血圧を下げたりする効果が期待できます。カリウムは水に溶けやすい性質があるため、生のまま食べると効果よく摂れるのです

4、 レタスに含まれているビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、身体をストレスから守り、老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎ、シミやシワの増加を抑え、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果期待できます。

5、 レタスに含まれているカルシウムは、歯や骨を作るのに欠かせないミネラルとなります。体内にあるカルシウムは、99%歯と骨に存在しています。また、筋肉を動かし、精神の興奮を抑え、安定させる効果が期待できます。ちなみに、カルシウムは吸収されにくい栄養素の一つで、ビタミンDと一緒にとるで、カルシウムの吸収率が良くなります。

レタスの選び方
●芯の切り口が10円玉大で、白い物を選びましょう
●葉がみずみずしく、艶とハリのある物を選びましょう
●全体巻が強く、持った感じ重みのある物を選びましょう

レタスの保存方法
●レタスは乾燥に弱く、すぐに萎びてしまうため、乾燥しないように、ラップで包むか、濡らしたキチンペーパなどで包んで、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう
●できれば、葉先が上に向くよう軸を底にして立てて入れるようにした方が長持ちします

VOL430 モロッコインゲンについて

モロッコインゲンとは、ヒマラヤインゲンの一種で、タキイ種苗が販売している品種の商標名で、やや大きい平鞘インゲンのことを称します。モロッコインゲンはもともと地中海沿岸で作られていた品種で、1976年に国内に導入され、アフリカのモロッコと全く関係ないです。導入された当時モロッコを舞台にした映画「カサンブランカ」が流行っていたことから、これに肖って名付けられたとされています。導入された40年以上経つ現在も各地で作られています。また、現在は様々な種苗メーカーから色々な大きな平サヤインゲンの品種が販売されていますが、それらの総称は「モロッコインゲン」となっています。
モロッコインゲンの鞘は通常15cm〜20cm、幅2cmほどで、明るい緑色、豆の部分の膨らみがあって、やや厚みもあり、柔らかくて、筋がほぼないのが特徴です。
モロッコインゲン露地栽培の場合、7月から9月が収穫時期となり、ハウス栽培の場合、沖縄や鹿児島からは冬に出荷されているものが多いです。

モロッコインゲンの効能
1 モロッコに含まれているカリウムは、ナトリウム(塩分)を排出する役割があり、高血圧予防効果が期待できます。また、利尿作用もあり、体内の水分調整に役に立ち、むくみ解消効果も期待できます。

2 モロッコインゲンに含まれているβ-カロテンは、レタスのおよそ3倍以上とされ、抗発がん作用や免疫賦活作用で知られています。また、体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持にも効果が期待できます。さらに、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるとされています。

3 モロッコインゲンに含まれているビタミンKは、血止めや骨の強化に必要な栄養になり、100gあたり約5μgとなります。

4 モロッコインゲンに含まれているアスパラギン酸は、疲労回復やスタミナ増強効果が期待できます、疲れた身体の回復に役に立ちます。

モロッコインゲンの選び方
⚫️鮮やかなさ緑色、艶の物を選びましょう
⚫️豆の形がくっきり出ていない物を選びましょう
⚫️全体の太さが均一でピンと張っている物を選びましょう
⚫️若くて柔らかい物を選びしましょう

モロッコインゲンの保存方法
●そのままにしておくと、乾燥しやすいため、キッチンペーパーなどで包み、ポリ袋にいれ、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう
⚫️早めに使用することをお勧めします

VOL429 立冬について

日は11月8日(水)、二十四節季の第十九番の立冬(りっとう)です。
「暦便覧」によると、「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也」、意味としては立冬から立春の前日までが冬、日が短くなり時雨が降る季節に、北国や高山からは初雪の知らせが届き、関東ではからっ風が吹く頃となります。
「立冬の候」とは、立冬の日から、次の節季「小雪(しょうせつ)」の前日まで使うことができます。今年の小雪は11月22日の為、11月8日から11月21日までは「立冬の候」と称することができます。

「立冬の三候」
1 「初候」…山茶始開(つばきはじめてひらく)、11月8日から11月11日頃、山茶花(つばき)が咲き始める頃、冬枯れの景色の中で、大輪の山茶花(つばき)の花はより一層目立ちながら、綺麗に咲き誇ります。

2 「次候」…地始凍(ちはじめてこおる)、11月12日から11月16日頃、冬の冷気の中で、大地が凍り始める頃になり、朝は霜が降り、場所によっては霜柱がみられるところもあります。しかし、塗装が多くなり、霜柱をみる機会が段々少なくなります。夜の冷え込みが一層厳しくなり、部屋の窓の結露にも注意が必要になり、サクサクと霜柱を踏みしめる感触が楽しめる季節になります。

3 「末候」…金盞香(きんせんかさく)、11月17日から11月21日頃、水仙の花が咲き始める頃、漢字の読みからは、金盞花(きんせんか)を連想してしまいそうですが、水仙の花のことを表しています。ここでいう金盞(きんせん)は金の盃(さかずき)という意味で、花の内側の黄色い部分を金の盃に見立て、水仙を指しています。なお、水仙には、黄色いうち側の金の盃に、白い外側の分を銀の台に見立てた「金盞銀台」という異名もあります。水仙は上品な香りと、育てやすさから人気のある花になります。

立冬の食べ物
⚫️林檎(りんご)
身体によいフルーツの代表である林檎は、毎日食べることで、自律神経の乱れを正常に戻し、ストレス解消に効果があるとされています。また、美肌効果もあるので、体内から美しさを維持してくれる効果も期待できます。

⚫️蓮根(れんこん)
蓮根は、穴が空き、先が見え見通しがいいことから縁起の良い食べ物とされています。今年の夏は高温の晴れの日が多かった為、美味しい蓮根がたくさんできると期待されます。是非食べてみてください。

⚫️牡蠣(かき)
牡蠣は貧血の改善に効果がある食材の中で、最も理想的な食べ物です。新鮮な生牡蠣は美味しいですが、貧血に効くには火を通した温かい牡蠣の方が効果的とされています。

立冬の花
●茶の花(ちゃのはな)
茶の花は、名前の通りお茶の木に咲く花のことを称します。椿とそっくりな小ぶりな花で、実も椿とそっくりです。さらに、成分も椿とよく似ているため、椿油と同じく化粧品などで使用されています。

立冬の行事
⚫️七五三(しちごさん)
11月15日は七五三です。数え歳で、男の子は三歳と五歳の時、女の子は三歳と七歳の時に、各地の神社へお参りに行きます。千歳飴は親が子供に長寿を願っていることから、より長くなりました。

VOL428 冬のお勧め薬膳

薬膳は季節によって、食べる人の体調に合わせ、食材や生薬、または漢方薬の原料になるものを組み合わせた料理のことを言います。薬膳を食べることによって、体質改善を図り、身体のバランスを整え、普段の食事から薬膳を取り入れることによって、健康を目指します。
古くから食べることで体質を改善できるという考えに基づき、食事が作られてきましたが、現代社会、様々なことを理由に、食事本来の意味を忘れがちになりました。改めて、食事本来の意義を思い出し、ただ食事をするではなく、普段の食事から、それぞれの食材の栄養や、組み合わせについて考える必要があります。
薬膳では、生薬や中薬、漢方薬の原料を食材として使用しているイメージが強く、実に乾物食材、野菜、果物、魚、肉などいろいろな食を組み合わせることが最も大事になります。それぞれの食材は、どれも身体に必要な栄養素が含まれている為、バランスを考えながら摂取することによって、健康な食事を実現しましょう。

冬の野菜
冬野菜と言えば、かぶ、長芋、春菊、蓮根、長ネギ、大根、ブロッコリー、法蓮草、水菜、菜の花、小松菜、エリンギ、もやし、大葉、豆苗、白菜などあります。
冬野菜にはビタミンCが豊富に含まれ、身体を温める効果があり、風邪予防に効果が期待できます。煮汁と一緒に摂れる鍋料理などは、効果的に体内コラーゲンの生成を助ける効果があり、喉、鼻などの粘膜を強化してくれる効果もあります。また、カルシウム豊富な野菜は、イライラを鎮め、ストレス緩和効果があり、免疫力の低下を防ぐ効果も期待できます。

冬の薬膳
1、 温性の食材を積極的に摂ること
人参、牛蒡、根菜類等は温性の食材になり、身体を温めるくれる効果があり、冬に鍋という日本料理は合理的な食べ方と言えるでしょう。しかし、果物や生野菜(トマト、レタスなど)は身体を冷やすことになる為、控えましょう。

2、 腎臓をケアする食材を積極的に取り入れること
腎はエイジングに大きく関わる臓器になり、冬の寒さで特に傷付きやすく、エイジングケアの為に腎臓に働きかける食材を取り入れることがとても大事です。お勧めの食材として黒豆、黒米、黒木耳等と言った黒食材になります。その他、えび、貝類、羊肉、クルミなどもおすすめです。

3、 寒邪を吹き飛ばす食材を摂りましょう
中医学で冬の邪気を「寒邪」と言い、陰の邪気なので、温かい気を傷つけやすく悪寒や震え、冷えを引き起こしやすくなります。また、寒邪により身体が硬くなり、縮こまりやすくなる為、気血の巡りも悪くなり、頭痛や腹痛などの痛みが出やすくなり、心脳血管疾患などの発病率も高くなると言われています。寒邪を取り払うお勧めの食材としては、生姜、葱、大葉、茗荷、黒糖、唐辛子、シナモン、八角等になります。