Category Archives: 豆知識

VOL721 なつめについて

なつめ(英語/jujube又はChinese date)とは、クロウメモドキ科の落葉高木であり、果実を乾燥させ、食用され、また生薬としても用いられています。
南ヨーロッパ原産、中国、西アジアへ伝わり、中国で広く使われているため、中国原産とも言われています。日本への渡来は奈良時代以前と言われています。
中国、韓国では薬膳料理の原料として使用され、砂糖又は蜂蜜(はちみつ)を加えてテチュ茶(ナツメ茶)と称する飲み物もあり、欧米では19世紀頃にキャンディの原材料として使用しています。
なつめを乾燥したものは大棗(たいそう)、種子は酸棗仁(さんそうにん)と称する生薬があります。大棗(たいそう)には、強壮、鎮静作用が有り、甘味があり、緩和、強壮、利尿の薬として使われています。民間では、筋肉痛、知覚過敏、咽頭炎に大棗(たいそう)を煎じて、服用する用法があります。そのほか、胃腸が弱っているとき、疲労倦怠や食欲不振、冷え性、不眠にも効果が期待できます。

なつめについて
1 なつめに含まれる食物繊維は、100gあたり12.5gになり、ごぼう(食物繊維100gあたり5.7g)の2倍以上の食物繊維が含まれていることになります。食物繊維は腸内環境を整え、消化吸収を良くし、便通を改善させる効果があります。
2 なつめに含まれる鉄分は100gあたり1.5gになり、プルーン(鉄分100gあたり1.0g)の1.5倍の鉄分が含まれていることになります。鉄分は、女性がなりやすい貧血に効果がある成分になり、貧血予防に効果が期待できます。
3 なつめに多く含まれるパントテン酸は、ストレスを和らげ、副腎皮質ホルモンの動きを促し、ストレスへの抵抗力を高める動きがあります。精神を安定させ、ストレスの軽減、イライラや不眠等に効果が期待できます。
4 なつめにビタミンCが含まれ、コラーゲンを生成するのに重要な成分であり、肌のハリや髪の毛のツヤの維持効果が期待できます。さらに、なつめの皮は抗酸化作用をもつポリフェノールが豊富に含まれており、老化や生活習慣病等から身体を守ってくれるエイジングケア効果も注目されています。

VOL719 黄芪について

黄芪とは、中国で黄耆(おうぎ)の呼び方になります。黄芪とは、マメ科ゲンゲ属の多年生高山植物、キバナオウギとも呼ばれています。本州中部以北と北海道、中国、朝鮮半島の亜高山地帯から高山地帯にかけての草地・砂礫地(されきち)に分布しております。
黄芪の当種または同属のナイモウオウギの根は、国内では黄耆(おうぎ)という生薬になります。

黄耆(おうぎ)について
1、 補気薬として
気を補う…エネルギーが足りない、疲れやすい、体が冷える、胃腸が弱い、食欲不振、体力低下、免疫力低下など
2、 むくみ解消効果
3、 毒を排出効果
4、 傷口を治す効果
5、 止汗、強壮、利尿効果
6、 血圧下げる効果

黄耆(おうぎ)の副作用
1、 発疹
2、 かゆみ
3、 便秘
4、 消化不良

VOL718 春の薬膳食材

薬膳とは、季節によって、食べる人の体調に合わせ、食材や生薬、または漢方薬の原料になるものを組み合わせた料理のことを言います。薬膳を食べることによって、体質改善を図り、身体のバランスを整え、普段の食事から薬膳を取り入れることによって、健康を目指します。
古くから食べることで体質を改善できるという考えに基づき、食事が作られてきましたが。現代社会、様々なことを理由に、食事本来の意味が忘れがちになりました。改めて、食事本来の意義を思い出し、ただ食事をするではなく、普段の食事から、それぞれの食材の栄養や、組み合わせについて考える必要があります。
薬膳では、生薬や中薬、漢方薬の原料を食材として使用しているイメージが強く、実に乾物食材、野菜、果物、魚、肉などいろいろな食を組み合わせることが最も大事になります。それぞれの食材は、どれも身体に必要な栄養素が含まれている為、バランスを考えながら摂取することによって、健康な食事を実現しましょう。
例えば、腸内環境を整える為に、牛蒡(ごぼう)がお勧めします。血行を促進し、貧血の改善にもってこいの食材はほうれん草です。

春の野菜と言えば
春野菜とは、春に収穫できる、栄養たっぷりと蓄えた生命力溢れる野菜のことを称します。
寒い冬も終わり春が訪れると、春しか食べられないフキや蕗の薹、菜の花、タラの芽はほんのりとした苦みが特徴であり、これらの野菜には害虫から身を守る為、「植物性アルカロイド」という成分が含まれており、苦みと特徴的な香りの元とされています。また、「植物性アルカロイド」には腎臓の働きを高め、老廃物の排出を促す作用もあり、デトックス効果が期待できます。

春に旬を迎える食材といえば、蕗の薹、菜の花、タラの芽、筍(たけのこ)、エンドウ豆、ウド、春キャベツ、新玉ねぎ、新じゃがいも、アーティチョーク、アスパラガス、アグレッティ、蕨、コゴミ、山椒、筍、ウルイなどあります。旬の食材を美味しくいただき、身体を元気にしましょう!

VOL717 春バテについて

春バテとは、春特有の生活環境の変化や、激しい寒暖差などがストレスの原因となり、心や体に様々な症状を引き起こすことを称します。
春バテ主な症状は、倦怠感や疲労感、頭痛、肩こりがポピュラーになります。そのほかにも、ストレスにより気分が落ち込むなどのメンタル面の不調も症状として目立ちます。季節の変わり目は、外気が大きく変化することや環境の変化によって体調不良を感じやすくなります。

春バテになりやすい生活習慣
1、 季節に合わない服装
季節に合わない服装は、体温調整がうまくできなくなる為、春バテになりやすい原因の一つです。暖かくなってきても冬のコートを着ている、ぽかぽか陽気だからといって半袖を着るとか、季節に合わない服装は避けましょう。この時期には、脱ぎ着しやすい服装を選ぶのがお勧めします。カーディガンやパーカーなどを羽おり、熱くなったら脱げて、寒くなったら上から着られるような服装を心掛けましょう。

2、 休日の寝だめ
適切な睡眠時間は、個人差はあるとはいえ7時間から8時間がベストとされています。疲労が溜まっているという理由で、休日寝だめする方は多く、実に疲労回復効果は得られないことが多くの研究で明らかになっています。深夜に寝る習慣を止めて早寝早起きを心がけましょう。朝日を浴びる習慣をつけられるとセロトニンの分泌が捗り体調が安定します。しっかりと睡眠時間を確保し、毎日を気持ちよく生活する意識を持ちましょう。

3、 食事のバランス悪さ
季節に関わらず食生活のパランスが悪いと体調を崩しやすくなってしまいます。栄養バランスを考慮すると、お米などの主食と肉、魚等の主菜、野菜、キノコ、海藻類などの副菜、汁物を組み合わせた和食が一番理想的になります。

4、 過度の飲酒
一日の疲れを癒すために、晩酌をしたいという方は多いかもしれないですが、過度の飲酒は禁物です。

5、 就寝前のスマホ
就寝前のスマホは、睡眠の質を落とす恐れがあるとされています。スマホやパソコン画面から発生しているプルーライトは、網膜の機能を低下させ、決して身体にいいものではありません。知らず知らずのうちに睡眠不足となり、十分に体を休められていないことから、春バテになってしまうのです。

春バテになりにくい生活習慣
1、 規則正しい生活
平日は早寝早起きができていても、休日も生活習慣を乱れなく、規則正しく生活することを心掛けましょう。決められた時間帯に何をするか予め決めておきましょう。

2、 適度に体を動かすこと
適度に身体を動かしましょう。運動が得意ではない場合は、誰かと一緒に身体を動かす習慣をつけるのがお勧めします。お互いに楽しく続けられることができるでしょう。

3、 リラックスすること
入浴でリラックスすることが効果的です。入浴には副交感神経を高める効果があり、一日のストレスや疲労感を回復してくれる効果が期待できます。さらに、入浴には、血行促進効果や、自律神経を整える効果、血液やリンパ液の循環を促す効果、筋肉の緊張をほぐす効果も期待できます。

VOL716 冬から春の養生

冬から春になると、寒暖差や、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わる気圧変動が大きい季節になり、寒暖差に対応するため自律神経の一つである交感神経優位が続くと、エネルギー消費を増え、疲れやだるさが感じやすくなります。自律神経には、体を活動的にする交感神経とリラックスさせる副交感神経があり、二つがバランスを取りながら、心臓や胃腸、血管などの臓器の働きが司っています。この自律神経、自分の意志ではコントロールできなくなり、ちょっとしたストレスでもバランスが乱れてしまう可能性があります。

気温の寒暖差と共に、気圧の変動によっても、自律神経のバランスを崩したりすると、耳の奥にある内耳が敏感に感知することになり、それによって自律神経はストレス反応を引き起こし、交感神経が興奮状態になりやすくなります。その結果抑うつやめまいの悪化、心拍数の増加、血圧の上昇、慢性痛の悪化等の症状が現れます。それらは「春バテ」と称します。

「春バテ」の症状は、倦怠感や疲労感、頭痛、肩こりがポピュラーになります。そのほかにも、ストレスにより気分が落ち込むなどのメンタル面の不調も症状として目立ちます。季節の変わり目は、外気が大きく変化することや環境の変化によって体調不良を感じやすくなります。

VOL715 節分について

写真出典:https://haa.athuman.com/media/japanese/culture/1908/
 
2025年節は2月2日(日)になります。
節分(せつぶん)とは、「一年間健康にすごせるように」という願いを込めて「悪いもの」を追い出す行事とされています。節分の発祥は中国、平安時代頃に中国から伝わってきた文化ですが、日本古来の考え方と合わさって生まれたと考えられています。
もともと節分という言葉は、年に4回訪れる立春・立夏・立秋・立冬の前日を指す言葉となります。しかし、いつしか一年の始まりであり、大切にされていた「立春」の前日のみを「節分」と呼ばれるようになりました。ちなみに、節分必ずしも2月3日とは限らないです。立春の日付が動く場合は節分の日付も変わります。

2025年…2月2日   2026年…2月3日   2027年…2月3日

節分の定番とえば「豆まき」で、病気や災害など悪いものはすべて「鬼」の仕業だと考えられていた為、鬼を退治する効果があるとされる豆を投げてる風習が広まりました。また、恵方巻をたべる風習も一般的で、その年の恵方に向いて、喋らずに黙々と食べると願いが叶うと言われています。地域によっていわしを飾ったり、食べたりすることもあります。さらに、節分にけんちん汁を飲んだり、そばをたべたり地域もあります。

VOL714 立春について

2025年2月3日(月)、二十四節季の第一番の立春(りっしゅん)です。「暦便覧」によると、「春の気たつを以て也」、立春から立夏の前日までが春であり、まだ寒さの厳しい時期ではあるが日脚は徐々に伸び、九州や太平洋側の暖かい地方では梅が咲き始める頃になり、春の兆しが所々見られています。旧暦では、一年の始まりは立春からと考えられ、節分や八十八夜など、季節の節目の行事は立春を起点として定められています。
「立春の候」とは、立春の日から、次の節季「雨水(うすい)」の前日まで使うことができます。次の雨水は2025年2月18日の為、2月4日から2月17日までは「立春の候」と称することができます。

「立春の三候」
1 「初候」…東風解凍(はるかぜこおりをとく)、2月3日から2月7日頃、暖かい春の風が、冬の間張りつめていた氷を溶かし始める頃になり、いよいよ春の暖かい足音が聞こえ始めてきました。
2 「次候」…黄鶯睍睆(うぐいすなく)、2月8日から2月12日頃、「ホーホケキョ」と、鶯(うぐいす)が馴染みのある美しい鳴き声で、春の到来を告げる頃になります。その年の一番初めに聞く鶯(うぐいす)の声を「初音(はつね)」と称します。
3 「末候」…魚上氷(うおこおりをいずる)、2月13日から2月17日頃、春の暖かさで湖や川の氷が割れ、氷下で泳いでいた魚が氷の上に跳ね上がる頃になり、あたたかくなった水の中に、ゆらゆら泳ぐ魚の姿がよく見え始めます。

立春の食べ物
●蕗の薹(ふきのとう)
雪解けの土の中から青を出す、春の訪れを告げる山菜になります。独特な香りとほろ苦さが春の息吹を感じさせ、冬の間に強張っていた身体を目覚めさせてくれます。冬眠から目覚めた熊は、最初に蕗の薹(ふきのとう)をたべるという話もあります。

立春の兆し
●梅の開花
いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬から5月上旬まで、約3か月かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。まだ寒い早春を彩る梅の花は、古来から数々の歌に詠まれ、春の到来を持ち詫びる歌人に愛されてきました。

立春の花
●梅の開花
いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬から5月上旬まで、約3か月かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。まだ寒い早春を彩る梅の花は、古くから数々の歌に詠まれ、春の到来を持ち詫びる歌人に愛されてきました。

立春の鳥
●めじろ
鮮やかな黄緑色の羽を持ち、目の周りを縁取った白い輪が特徴です。早春の梅の花に引き寄せられ、二羽で追いかけ合いながら仲睦まじく飛ぶ姿が微笑ましいです。

立春の行事
●初午(はつうま)
初午(はつうま)は、立春を迎えて初めに訪れる午の日のことを称します。古来より、この日に稲荷詣をする習わしがありあした。初午)は、豊作祈願(ほうさくきがん)と稲荷信仰(いなりしんこう)が結びついたもので、この日京都の伏見稲荷大社はお祭りで賑わいます。

VOL713 春節の食べ物春巻


   
春巻(はるまき)は、江西省、江蘇省、上海、福建省、香港など中国東部を中心とし、人気なお正月料理として知られています。春巻は中華料理の点心の一種で、元々は立春の頃に新芽が出た野菜を具材にして、春節の料理として出されたところで「春巻」と名付けられたとされています。生地で包み込んだ具材を一本丸ごと食すことから「終始一貫」を表す「春巻」は縁起の良い食べ物として、春節に欠かせない料理になり、一年の幸せを願いながら食べます。ちなみに、英語圏においては、春巻は直訳した「スプリングロール」の名で知られていますが、生春巻は「スプリングロールより後に伝わった」という理由で「サマーロール」の名で呼ばれています。

春餅(チュンピン)とは、小麦粉で作ったクレープ状の春巻の皮のことを称します。
「春餅」の歴史は2000年前の春秋戦国時代に遡り、五辛盤に由来すると言われています。五辛とはにんにく、ねぎ、にら、パクチー等五種の辛味やにおいの強い野菜のことを称します。これらを神祀った後に「春餅」で包んで食べる習慣があったとされます。晋代の「風土記」にも元旦に五辛盤を作るとの記載があり、辛い物を食すことで五臓気を通じ、邪を払って健康を保つと考えられていたようです。
 

春餅は小麦粉に塩を入れ柔らかく練り、片手で持ち、専用の器具に押し付けながら焼く、すると見事に薄い皮に仕上がります。

春巻を揚げるコツ
春巻きをパリッと揚げても、すぐにベチャベチャにならないコツとしては、低温からじっくり揚げることをお勧めします。はじめから高温で揚げてしまうと、皮に含まれている水分が十分に抜けきらないときに起こる現象であり、また、具材にとろみをしっかり付けていない時も、具材の水分が出てきてベチャベチャになることが考えられます。

日本で作られた変わり種の春巻
丸ごとソーセージの春巻き

ちくわの春巻

焼きたらこの春巻

大葉、かにかまと枝豆の春巻

VOL712 春節の食べ物年

中国の餅
年糕(ねんこう)とは、中国の春節(旧正月)に食べられる幸運な食べ物の一つで、日本の餅に当たります。「年糕」は「年高」と同じ発音で、「年々高くなる」という意味で、「収入や地位、身分が上がりますように」という願いが込められている縁起の良い食べ物になっています。除夕(大晦日)に神霊や先祖に祀られ、その後春節の間に食され、その習慣は紀元前の周の時代から始まったとされています。
ちなみに、年糕は食べ物として歴史が長く、もち米を粉にしてこねて作ったり、米を粉にしてこねて作ったりすることになります。蒸し物、揚げ物の他に炒めてスープにしたり、甘くしたりすることもあります。

中国の年糕(ねんこう)

◎年糕(ねんこう)の野菜炒め

◎渡り蟹と年糕(ねんこう)の炒め物

日本の餅
餅(もち)とは、もち米を加工して作る食品のことを称します。餅は日本で古くから餅が作られてきた食べ物で、もち米を蒸してから、臼と杵を使って粘り気が出るまで搗いて作ります。また、縄文時代に稲作の技術とともに東南アジアより伝えられたとされ、本来は節句の際に神に供える食べ物であり、現在ではハレの日の料理の一つとして、大切な存在になってきました。

◎正月のお雑煮

韓国の餅
韓国の餅もお正月に食べることで、長く生きられるようにという意味が込められ、白いものは厄除けの意味もあるとされています。
もち米を主な原料とする日本に対し、韓国の餅はうるち米で作ったものが多いのが特徴です。

◎韓国の餅(トッ)日本語ではトックと表記される

◎甘辛トッポギ

VOL711 春節の食べ物餃子

餃子(ぎょうざ)とは、小麦粉を原料とした皮で、肉やエビ、野菜などで作った餡を包み、茹でるや焼く、蒸す、揚げるなどの方法で調理した食べ物のことを称します。
餃子は中国北部を中心とし、春節に欠かせない料理の一つになります。餃子の形が中国の古い貨幣である「元宝」によく似ていることから、富を齎す縁起物として取り入れられたと言われています。また「餃子」の発音が子供を授かるという意味の「交子」に似ていることから取り入れられたという説もあります。ちなみに、大晦日の夜に家族で餃子を作り、日付がかわる午前0時に過ぎに餃子を食べて新年を祝うことになり、日本の年越しそばに当たります。

日本と中国餃子の違い
・日本は焼き餃子、中国は水餃子
・日本の餃子はおかず、中国の餃子は主食

◎中国の餃子
中国で餃子と言ったら、茹でて湯切りをしたものが主流になります。また、中国では餃子は主食として食べられことが一般的です。日本のように餃子に白いご飯、おかずとしては食べることは殆どないです。