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VOL854 冬至について

2025年12月22日(月)、二十四節季の第二十二番の冬至(とうじ)です。「暦便覧」によると、「日南の限りを行て日の短きの至りなれば也」、一年中最も夜の長いのは冬至になります。この日より日が伸び始めることから、古くはこの日を年の始点と考えられていました。冬至は南瓜やゆず湯の習慣が残る日となります。
「冬至の候」とは、冬至の日から、次の節季「小寒(しょうかん)」の前日まで使うことができます。次の小寒は2026年1月5日(月)の為、12月21日から2026年1月4日までは「冬至の候」と称することができます。

「冬至の三候」
1 「初候」…乃東生(なつかれくさしょうず)、12月22日から12月25日頃、夏になると枯れてしまう靭草(うつぼぐさ)の芽が出る頃、靭草は芽を出す頃ですが、この草以外の草木の殆どは枯れていきます。
2 「次候」…麋角解(さわしかつのおつる)、12月26日から12月30日頃、ヘラジカの角が生え変える頃、枝分かれした大きな角が抜け落ち、春にまた新しい角が生え始めます。
3 「末候」…雪下出麦(ゆきくだりてむぎのびる)、12月31日から2023年1月4日頃、降り積もった雪の下で、麦が芽を出し始める頃、重い雪の下で、暖かい春をじっと待っています。

冬至の食べ物
⚫️柚子(ゆず)
「柚子湯に入ると1年間風邪をひかない」と言われるほど、柚子には血行を促進して冷え性を和らげる効果があるとされています。
⚫️黒豆(くろまめ)
正月の料理になくてはならない存在である黒豆、「まめ」は真面目や忠実という意味に通じることから、縁起物とされています。
⚫️鮪(まぐろ)
冬に産卵期を迎えるため、この時期の鮪はたっぷりと脂がのっています。更に甘味や旨み、香りも強くなり非常に良い状態です。

冬至の鳥
雀(すずめ)
冬の雀は、厳しい寒さから身を守る為、全身の羽毛を膨らませます。そのふっくらと丸い姿から「ふくら雀」と言われています。

冬至の行事
●除夜の鐘
大晦日から元旦にかけて108回の鐘を突きます。108回数字は、月の数、二十四節気、七十二候を足した数という説から、その他にも様々な説が伝えられています。

VOL853 大雪について

2025年12月7日(日)、二十四節季の第二十一番の大雪(たいせつ)です。「暦便覧」によると、「雪いよいよ降り重ねる折からなれば」、意味としては大雪になると、朝夕には池や川に氷を見えるようになり、大地の霜柱を踏むのもこの頃から、山々は雪の衣を纏って冬の姿を見せ始め頃になります。
「大雪の候」とは、大雪の日から、次の節季「冬至(とうじ)」の前日まで使うことができます。今年の冬至は12月22日(月)の為、12月7日から12月21日までは「大雪の候」と称することができます。

「大雪の三候」
1 「初候」…閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)、12月7日から10日頃、天地の気が塞がれ、冬が訪れる頃を称します。空は重い雲に覆われ、生き物はじっと気を潜めています。塞ぐという言葉は、寒さから人々を守るという意味で取ることもができます。
2 「次候」…熊蟄穴(くまあなにこもる)、12月11日から12月15日頃、熊が冬ごもりの時期に入り、穴にこもる頃を称します。春になるまで、穴の中で過ごします。熊だけではなく、シマリスや蛙(かえる)、蝙蝠(こうもり)なども冬ごもりを始めます。
3 「末候」…鱖魚群(さけのうおむらがる)、12月16日から12月21日頃、鮭が川を遡上する頃を称します。海で育った鮭は、産卵の為に自分の生まれた川へと里帰りをします。北国では冬を代表する光景の一つであり、迫力のある遡上を見ることができます。

大雪の食べ物
●大根(だいこん)
大根は、おでんや粕汁など冬のメニューに欠かせない存在になります。年末年始で暴飲暴食が多く、胃がすっきりしないときに、大根を下して食べると、不快感を解消してくれると言われています。
●洋梨(ようなし)
洋梨はある程度熟したものを収穫し、保存、成熟させてから食べます。その為、食べ頃の見極めが重要になります。シャリシャリとした食感ではなく、とろけるような甘さが特徴的です。
●鱈(たら)
産卵気を迎えた鱈(たら)が蟹(かに)や海老(えび)など、身近な物をなんでも食べてしまうことから「鱈腹(たらふく)」という言葉できたと言われています。美味しい鱈は、腹の色が白く、背中の模様がはっきりとしているのが特徴です。

大雪の花
●シクラメン
年末から飾られることの多いシクラメンは、赤、白、ピンク、紫と様々になります。ちなみに、トルコなどで豚がシクラメンの球根を食べたことから「豚のパン」、「豚の饅頭」とも呼ばれています。

大雪の行事
●だるま市
飯泉山勝福寺(神奈川県小田原市)のだるま市は、この時期に行われます。関東では一番早い時期に行われるだるま市であり、境内には数多くのだるまを売る店が並び、日本三大だるま市は年が明けてからになります。

VOL852 小雪について

2025年11月22日(土)、二十四節季の第二十番の小雪(しょうせつ)です。
「暦便覧」によると、「雪いよいよ降り重ねる折からなれば」、意味としては雪が降り始めることになり、まだ積もるほど降らないことから小雪といわれたようです。
「小雪の候」とは、立冬の日から、次の節季「大雪(たいせつ)」の前日まで使うことができます。今年の大雪(たいせつ)は12月7日の為、11月22日から12月6日までは「小雪の候」と称することができます。

「小雪の三候」
1 「初候」…虹蔵不見(にじかくれてみえず)、11月22日から11月26日頃、曇り空が多くなる頃、日射しが弱まり、虹を見ることが少なくなります。見ることができても、夏の空のようなくっきりとした虹ではなく、ぼんやりとすぐに消えてしまいます。
2 「次候」…朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)、11月27日から12月1日頃、冷たい北風が木々の葉を落とす頃になります。朔風とは北風のことで、地面いっぱいに広がる落ち葉と、葉と落とした木々は冬の景色の象徴であり、季節の移り変わりが感じられます。
3 「末候」…橘始黄(たちばなはじめてきばむ)、12月2日から12月6日頃、橘の実が黄色くなっていく頃になります。橘とは柑橘のことで、古くから日本に自生していました。常緑植物であることから「永遠」を意味するとされ、不老不死の実だと言われていたようです。

小雪の食べ物
●法蓮草(ほうれんそう)
ヨーロッパでは「胃腸のほうき」と言われているほど、消化吸収がよく、食物繊維が多く含まれています。胃腸を整え、貧血予防効果も期待できます。
●蜜柑(みかん)
ビタミンC以外にも多くの栄養素が含まれ、骨粗しょう症の予防に効果的です。冬はこたつに入りながら蜜柑をたべるというスタイルが定着していますが、食べ過ぎると身体が冷えてしまい逆効果になります。
●蟹すき鍋
寒い時期にぴったりな蟹すき鍋、淡白で食べ応えのあるタラバガニが向いています。旨味をじっくり味わうにはズワイガニがおすすめです。

小雪の鳥
●翡翠(かわせみ)
鮮やかな色から、「青い宝石」や「渓流の宝石」と呼ばれています。この色は構造色といい、翡翠の色素によるものではなく、光の加減で青く見えています。

小雪の行事
●新嘗祭(にいなめさい)
11月23日新穀の収穫を感謝するお祭りで、この年に収穫された穀物を食すことを「新嘗」といいます。元々は、全国民の祭典のようなお祭りでしたが、勤労感謝の日ができてからは、一部の神社で行われるようになりました。

VOL851 秋から冬への養生

秋から冬、自律神経に負担かけない為の養生

1、 じっと落ち着かせること
2、 呼吸によって自律神経を整えること
3、 自律神経を整える栄養素を摂ること
4、 睡眠をしっかり取ること
5、 決まった時間に食事をする

冬に向けて心身を整えるためのポイント

1. 「肺」とうるおいをケアする(秋の仕上げ)
本格的な冬が来る前に、まずは秋の乾燥でダメージを受けやすい「肺」を労わりましょう。肺は呼吸器だけでなく、皮膚のバリア機能とも密接に関係しています。
白い食材を摂る: 梨、白菜、大根、蓮根、豆腐、白ごまなど。これらは体に潤いを与え、乾燥から守ってくれます。
酸味で潤いを守る: 柚子やレモンなどの酸味は、体の水分(津液)が逃げるのを防ぐ効果があります。

2. 「腎」を温める(冬への備え)
冬は五臓の「腎(じん)」が活発になる季節です。腎は生命力の源であり、寒さに非常に弱いため、早めの対策が肝心です。
黒い食材を摂る: 黒豆、黒ごま、ひじき、キクラゲなど。「黒」は腎を補う色とされています。
足元を絶対に冷やさない: 腎の経絡は足の裏から始まります。足首やふくらはぎをレッグウォーマーなどで温めるだけで、免疫力の低下を防げます。

3. 生活リズムのシフト
自然界が「活動」から「静止」へ向かうように、人間も少しずつペースを落とすのが理想的です。
早寝晩起き: 冬の養生の基本は「日の出とともに動き出す」こと。秋から徐々に睡眠時間を増やし、エネルギーの消耗を抑えましょう。
激しい運動を控える: じわっと汗をかく程度は良いですが、滝のように汗をかくと、大切なエネルギー(気)が一緒に漏れてしまいます。

4. 心の養生
日照時間が短くなると、気持ちが塞ぎ込みやすくなる「季節性うつ」のような状態になりがちです。
日光浴: 午前中の光を15分ほど浴びるだけで、セロトニンが活性化し、冬の情緒不安定を予防できます。
「溜め込まない」: 体を温めるお茶(生姜茶やシナモンティー)を飲みながら、リラックスする時間を意識的に作りましょう。

VOL850 季節の変わり目(秋から冬へ)

秋から冬へ、夏の湿気が払い、心地よく感じることの多い反面、夜の気温がぐっと下がり、いろいろな体調不良が起こりやすくなります。例えば、何もないですが不安感が強く感じる、気持ちがイライラする、気持ちが落ちこみやすくなる、ソワソワ落ち着かない等が挙げられます。

1.寒暖差は秋から冬への体調不良が起こりやすい原因
身体は気圧や気温の変化に伴い、必ず血流が変化し、寒い時寒いなりの血流に、暑い時には暑い時の血流になります。その調節を実際に行っているのが自律神経になります。自分の意志とは関係なく、血流を自律し、勝手に調節してくれます。その為、身体が急激な寒暖差を受け血流が急激に変化することによって、自律神経も急激に働かなくてはならなくなります。この中で自律神経が機敏に働くことのできる人なら問題ないですが。しかし、自律神経の動きが緩慢になったり、常に緊張しったり、興奮の方と傾いている方では、急激な変化に対し、自律神経が過剰に動いてしまうことが多いです。つまり、自律神経が機敏かつ落ち着いている方に比べて、自律神経ががむしゃらに働こうとしてしまうイメージになります。

2.自律神経ががむしゃらに働こうとする結果、様々な緊張性、興奮性による起こりやすく
主な症状として
1、 不安感、焦り、イライラする、落ち込み
2、 動悸
3、 眩暈
4、 息苦しい
5、 過呼吸
6、 血の気が引く
7、 冷や汗が出る
8、 吐き気がする
9、 手足が震える
10、 耳鳴り
11、 耳が塞がる(耳閉感)
12、 胃痛
13、 胸やけ
14、 鼻水、鼻炎
15、 腹痛

VOL849 立冬について

2025年11月7日(金)、二十四節季の第十九番の立冬(りっとう)です。「暦便覧」によると、「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也」、意味としては立冬から立春の前日までが冬、日が短くなり時雨が降る季節に、北国や高山からは初雪の知らせが届き、関東ではからっ風が吹く頃となります。
「立冬の候」とは、立冬の日から、次の節季「小雪(しょうせつ)」の前日まで使うことができます。今年の小雪は11月22日の為、11月7日から11月21日までは「立冬の候」と称することができます。

「立冬の三候」
1 「初候」…山茶始開(つばきはじめてひらく)、11月7日から11月11日頃、山茶花(つばき)が咲き始める頃、冬枯れの景色の」中で、大輪の山茶花(つばき)の花はより一層目立ちながら、綺麗に咲き誇ります。
2 「次候」…地始凍(ちはじめてこおる)、11月12日から11月16日頃、冬の冷気の中で、大地が凍り始める頃になり、朝は霜が降り、場所によっては霜柱がみられるところもありますが。しかし、塗装が多くなり、霜柱をみる機会が段々少なくなります。夜の冷え込みが一層厳しくなり、部屋の窓の結露にも注意が必要になり、サクサクと霜柱を踏みしめる感触が楽しめる季節になります。
3 「末候」…金盞香(きんせんかさく)、11月17日から11月21日頃、水仙の花が咲き始める頃、漢字の読みからは、金盞花(きんせんか)を連想してしまいそうですが、水仙の花のことを表しています。ここでいう金盞(きんせん)は金の盃(さかずき)という意味で、花の内側の黄色い部分を金の盃に見立て、水仙を指しています。なお、水仙には、黄色いうち側の金の盃に、白い外側の分を銀の台に見立てた「金盞銀台」という異名もあります。水仙は上品な香りと、育てやすさから人気のある花になります。

立冬の食べ物
⚫️林檎(りんご)
身体によいフルーツの代表である林檎は、毎日食べることで、自律神経の乱れを正常に戻し、ストレス解消に効果があるとされています。また、美肌効果もあるので、体内から美しさを維持してくれる効果も期待できます。
⚫️蓮根(れんこん)
蓮根は、穴が空き、先が見え見通しがいいことから縁起の良い食べ物とされています。今年の夏は高温の晴れの日が多かった為、美味しい蓮根がたくさんできる期待、是非食べてみてください。
⚫️牡蠣(かき)
牡蠣は貧血の改善に効果がある食材の中で、最も理想的な食べ物です。新鮮な生牡蠣は美味しいですが、貧血に効くには火を通した温かい牡蠣の方が効果的とされています。

立冬の花
●茶の花(ちゃのはな)
茶の花は、名前の通りお茶の木に咲く花のことを称します。椿とそっくりな小ぶりな花で、実も椿とそっくりです。さらに、成分も椿とよく似ているため、椿油と同じく化粧品などで使用されています。

立冬の行事
⚫️七五三(しちごさん)
11月15日は七五三です。数え歳で、男の子は三歳と五歳の時、女の子は三歳と七歳の時に、各地の神社へお参りに行きます。千歳飴は親が子供に長寿を願っていることから、より長くなりました。

VOL848 霜降について

2025年10月23日(木)、二十四節季の第十八番の霜降(そうこう)です。「暦便覧」によると、「つゆが陰気に結ばれて、霜となり降るゆへ也」、霜降のこの時期は、北国や山間部では霜が降りて朝には草木が白く化粧をする頃になります。野の花の数が減り始め、代わって山を紅葉が飾る頃になり、この日から立冬までの間に吹く寒い北風を「木枯らし」と呼びます。
「霜降の候」とは、霜降の日から、次の節季「立冬(りっとう)」の前日まで使うことができます。今年の立冬は11月7日の為、10月23日から11月6日までは「霜降の候」と称することができます。

「霜降の三候」
1 「初候」…霜始降(しもはじめてふる)、10月23日から27日頃、氷の結晶である霜が初めて降りる頃になります。昔、朝に外を見た時庭や道沿いが霜で真っ白になっていることから、雨や雪のように空から降ってくると思われ、その為霜は降るというようになったそうです。
2 「次候」…霎時施(こさめときどきふる)、10月28日から11月1日頃、パラパラと通り雨のように雨が降り始める頃になり、雨が降ったからと思えば、すぐに青空が顔を出します。初時雨は、人々や動物たちが冬の支度をし始める合図だと言われています。
3 「末候」…楓蔦黄(もみじつたきばむ)、11月2日から11月6日頃、紅葉や蔦が色づいてくる頃になります。葉が赤色に変わることを「紅葉(こうよう)」と呼び、銀杏のように黄色に変わることは「黄葉(こうよう)」と呼びます。また、秋の山が紅葉することを「山粧(やまよそおう)」と言います。

霜降の食べ物
⚫️鮭(さけ)
この時期の鮭は「秋鮭」と呼ばれ、産卵の為故郷の川へ戻ってきます。和・洋・中どんな料理とも相性抜群、秋鮭に含まれている蛋白質は、他の魚肉よりも消化・吸収しやすいとされています。
⚫️生姜(しょうが)
身体を温めて、免疫力を高める効果のある野菜として注目されている生姜は、料理だけではなく、クッキーなどのお菓子にも使用されています。
⚫️柿(かき)
柿にはビタミンCが多く含まれおり、風邪予防効果が期待できます。甘柿は大きく四角い形をしているのに対して、渋柿は先の尖っているような形をしています。渋柿も焼酎に漬けることにより、渋みをなくすことができます。

霜降の花
●紫式部(むらさきしきぶ)
紫色の実と緑の葉が鮮やかな紫式部の花言葉は「上品」を意味します。名前の由来は、あまりにも美しいことから、源氏物語の作者である「紫式部」の名前がつきました。

霜降の行事
⚫️酉の市(とりのいち)
11月の酉の日に鷲神社で行われる祭礼のことを称します。この祭は、「酉のまち」「おとりさま」とも呼ばれています。金銀をかき集めるという意味で、縁起物の熊手が露天に並び、商売繁盛を願う人々で賑わいます。

VOL847 中秋の名月

中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)とは、旧暦の8月15日の日のことを指します。旧暦では7月から9月を秋とし、8月15日はちょうど秋の真ん中となり、その頃は一年を通して最も月が美しい時期であるとされたことから、平安時代の貴族達は、中秋の名月に月を眺めて和歌を詠む「観月の宴」を開いて楽しんでいたとされています。

2025年の「中秋の名月」は10月16日(旧暦8月15日)

月は季節に関わらずいつでも見られますが、なぜ秋の月は綺麗と言われるのか?それは、秋の空気は水分量が春、夏に比べて少なくて、乾燥しているから、そのため、澄んだ空気が月をくっきりと夜空に映し出すのです。また、月は冬に近づくほど、空の高い位置を通り、夏は低い位置を通り、春は地上の埃(ほこり)などで月本来の明るさが霞んでみえます。以上の理由で、空気の水分量、大気の状況や月の高さなど、月が最も綺麗にみえる条件が秋こそ揃っているため、月見に相応しいとされています。
月を眺めて、お団子を食べ、今の日本ではそんなイメージが浸透している中秋の名月だが、もとは平安時代に中国から伝わった風習とされています。しかしながら、中国では伝統菓子「月餅」を供える風習がありますが、日本では芋類や豆類を供え、形を変え現在の月見団子に至りました。月がよく見える場所に台を置き、十五夜に因んで15個団子を大皿に堆く盛るのが昔ながらの伝統的な供え方になります。山のような形に団子を積むのは、一番上の団子が霊界に通じると信じられていた方とも言われています。

VOL846 寒露について

2025年10月8日(水)、二十四節季の第十七番の寒露(かんろ)です。「暦便覧」によると、「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也」、意味としては、冷たい露の結ぶ頃、秋もいよいよ本番になり、菊の花が咲き始め、山の木々の葉も紅葉の準備に入ります。寒露になれば、夜が長くなり、露が冷たく感じられる頃に、朝晩の冷え込みはきつくなります。空気が澄んだ秋晴れの過ごしやすい日が多くなり、夜空を見上げると、より美しく綺麗に輝く月が見られます。
 「寒露の候」とは、寒露の日から、次の節季「霜降(そうこう)」の前日まで使うことができます。今年の霜降は10月23日(水)の為、10月8日から10月22日までは「寒露の候」と称することができます。

「寒露の三候」
1 「初候」…鴻雁来(こうがんきたる)、10月8日から10月12日頃、燕と入れ違いに雁が来たから渡ってくる頃になります。雁は日本で冬を過ごし、暖かい春になるとシベリアの方へ帰って行きます。ちなみに、毎年初めに訪れる雁を初雁(はつかり)と呼びます。
2 「次候」…菊花開(きくのはなひらく)、10月13日から10月17日頃、菊の花が咲く頃になり、菊の展示や菊まつり、品評会が行われ、菊には不老長寿の薬効があるとされ、旧暦9月9日の重陽の節句には、菊の花を浮かべた菊花酒を飲む風習があります。
3 「末候」…蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)、10月18日から10月22日頃、蟋蟀(こおろぎ)が戸口でなく、この候の蟋蟀は夏から冬にかけてみられ、鈴のような音色を響かせています。

寒露の食べ物
⚫️栗(くり)
国産の栗は、中国やヨロッパの栗より大きく、風味が良くとされています。そのため、食べ方はシンプルで茹で栗や栗ご飯がお勧めです。ずっしりと重みがあり、皮に光沢のある物を選びましょう。
⚫️柘榴(ざくろ)
6月から7月に花を咲かせる柘榴は、10月が食べころになります。国産の柘榴は酸味が強いので、トッピングやジュース、シャーベットなどに使用されています。ちなみに、甘みが強い輸入品の方がお勧めです。
⚫️青梗菜(ちんげんさい)
青梗菜は、ミネラル豊富な緑黄色野菜です。原産地の中国では3000年も前から食べられていたそうです。そのため、多くの中華料理に使用されています。
⚫️はたはた
秋田の郷土料理にはなくてはならない存在であるはたはたは、「ぶりこ」と呼ばれる卵には、旨みが濃縮されているため、ねっとりと濃厚です。ちなみに、「ぶりこ」によって商品価値が決まるそうです。

寒露の行事
⚫️体育の日
国民の祝日である体育の日は「スポーツに親しみ、健康な心身を培う」ことを趣旨としています。1946年の東京オリピック開会式が行われた日として、10月10日が体育の日でしたが、2000年より10月の第二月曜に変更されました。

VOL845 秋の食事養生

秋は、移り変わりの季節であり、季節の前半と季節の後半では、気温の差とても大きくものになります。中医学では、秋は他の季節と違って、短い期間で真夏から真冬に向かう期間であることから、秋の前半を「温燥」、秋の後半は「涼燥」と呼ばれています。

快適な秋を過ごすため注意点2つあります

1.隠れ脱水に注意
「一雨一度」の言葉通り、雨のたびに少しずつ秋らしい空気が漂い、秋らしさが増し、過ごしやすい季節になります。涼しくなった途端に、様々の理由で何枚も何枚も重ね着こめるようになり、汗がかきにくく、水分補給が必要な状態になっても身体が感知せず、それだけ身体の機能が低下しているのが高齢者です。「夏でもなく、野外でもない」環境で起こる脱水症状を隠れ脱水と言い、中でも、高齢者で糖尿病や高血圧症などの持病があり、栄養不良、肥満気味の方は、隠れ脱水になるリスクが高くなりまず。

2.秋バテに注意
通常夏バテは暑さが和らいでくると同時に体調も回復してくるものですが、基礎体力と免疫力が低下している為、回復が遅くなり、予想外の体調不良を引きずってしまうことが心配されています。
秋バテを解消する為に、まずは生活習慣を見直し、徐々に夏型の生活からシフトし、栄養バランスが取れた食事を心がけましょう。胃腸を刺激する冷たい食べ物を避け、ミネラル、ビタミン類、蛋白質等疲労回復やエネルギー代謝に効果的な食べ物を積極的に取り入れましょう。
次は室温の見直し、秋になってもまだまだエアコンに頼らなくてはいけない日々が続き、徐々にエアコンから離れをするように心かけましょう。また、入浴することによって、血行を促し、筋肉を和らげ、体内に溜まっていた老廃物を排出させようという働きが活発になり、リラックス効果期待できます。さらに、適当な運動と、しっかりした睡眠が体調を整える為に非常に重要です。

バランスの取れた食事が最も有効な養生

補気(ほき)
夏の疲れを改善し、温度差に対応できるように体内の気を補う
補気に適する食材
米、鶏肉、豆類、かぼちゃ、しゃがいも、長芋、椎茸、さつま芋、鮭など

潤燥(じゅんそう)
秋の邪気である燥邪に対応し、潤いを補う
潤燥に適する食材
豚肉、豆腐、牛乳、胡麻、白木耳、梨、ホタテ、林檎、卵、枸杞の実など

補肺(ほはい)
秋に活動が活発になるはいの働きを助ける
補肺に適する食材
長芋、百合根、アーモンド、大根、柿、梨、チーズ、松の実、林檎など