All posts by Owner

VOL597 厚朴について

厚朴(こうぼく)とは、モクレン科の植物ホオノキ、又はホオノキの樹皮を乾燥したものを称します。ちなみに、ちホオノキの樹皮を和厚朴(わこうぼく)、シナホオノキの樹皮を唐厚朴(からこうぼく)と区別して扱うこともあります。

厚朴について
1 厚朴(こうぼく)は、生薬の一種で、収斂、利尿、去痰作用などの効果が期待できます。
2 厚朴(こうぼく)は、大温で無毒の生薬とし、身体を温め、元気をつけ、水毒を消し、気を鎮める効果があるとされています。
3 厚朴(こうぼく)は、健胃、消化促進、腹痛改善、整腸効果などがきたいできます。

厚朴の副作用について
1、 胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気
2、 発疹、発赤、かゆみ

VOL596 木香について

木香(もっこう)とは、キク科ドロミアエア属の植物で、太く硬い根を乾燥させたものを称します。原産地は、インド北部とされています。従来はトウヒレン属とされ、2020年に変更されました。冷涼な気候を好む、国内では北海道、中国の雲南省で栽培が行われています。ちなみに、ワシントン条約の付属書に記載され、商業目的のための国際取引が全面的に禁止されています。

木香について
1 木香(もっこう)は、温性で、身体を温めて新陳代謝を促進する働きがあるとされています。主に脾や胃、大腸などに帰経(きけい)し、痛み止め効果、消化器系の機能を整える効果も期待できます。
2 木香(もっこう)は、芳香性が強い生薬のため、滞っている気の流れをスムーズにする働きがあるとされています。
3 木香(もっこう)は、肩こり改善、頭痛、高血圧、冷え性など、血液の循環が良くない場合、用いられ、改善効果が期待できるとされています。

VOL595 香附子について

香附子(こうぶし)とは、浜菅(ハマスゲ)で、乾地に生えるカヤツリグサの一種で、雑草としてよく見られ、実に薬草として利用されています。生薬名は香附子(こうぶし)と呼ばれ、秋から翌春にかけて肥大した根茎を掘り取って乾燥させたものを用いられています。現在国内使用されている香附子(こうぶし)は主に中国、韓国、北朝鮮、ベトナムから輸入しております。

香附子について
1 香附子(こうぶし)は、気鬱(きうつ)や食欲不振を治すとされています。
2 香附子(こうぶし)は、「婦人の聖薬」とも呼ばれ、神経症や月経不順にも用いられ、更年期障害、産前産後の神経症に効く「女神散」にも含まれています。

VOL594 黄芩について

黄芩(おうごん)とは、シソ科タツナミソウ属の多年草で、黄金花(こがねばな)の根の周皮を取り除き、乾燥させたものを称します。ロシア極東地方からモンゴル、中国北部、朝鮮半島にかけて分布し、小葉が細いので、黄金柳(こがねやなぎ)とも呼びます。
黄芩(おうごん)は生薬として知られ、主な成分はフラボノイドのバイカリンやオウゴンニンなどが挙げられます。ちなみに、薬味としては比較的によく使われています。

黄芩について
1 黄芩は消炎、解熱薬として知られ、炎症、充血、発熱を伴う疾病で、心下部の痞え、胸脇苦満(きょうきょうくまん)など応用できるとされています。主な働きとしては、みぞおちの痞えを緩和、肺腸の解熱の働き、肺腸の消炎、止血の働きもあるとされています。
2 黄芩の薬効性としては、解熱、解毒、胆汁分泌促進、胃液分泌抑制、抗炎症、抗アレルギー、抗菌、脂質代謝改善作用などが挙げられます。

VOL593 大暑について

7月22日(月)、二十四節季の第十二番の大暑(たいしょ)です。「暦便覧」によると、「暑気いたりつまりたるゆえんなれば也」、大暑はとは最も暑い頃という意味であるが、実際最も暑くなるのはもう少し後、夏の土用の時期になります。体力を保つために鰻を食べる「土用の丑」や、各地でお祭り、花火大会もこの時期にたくさん開かれ、夏の風物詩が目白押しです。また、学校は夏休みに入り、空には雲の峰が高々と聳えるようにもなります。
「大暑の候」とは、大暑の日から、次の節季「立秋(りっしゅう)」の前日まで使うことができます。今年の立秋は8月7日(水)の為、7月23日から8月6日までは「大暑の候」と称することができます。

「大暑の三候」
1 「初候」…桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)、7月22日から7月26日頃、盛夏を迎える頃には、卵形の実を結びます。桐は伝統的に神聖な木とされ、豊臣秀吉などの天下人が好んだ花であり、現在も日本国政府の紋章として使用されています。
2 「次候」…土潤溽暑(つちうるおうむしあつし)、7月27日から8月1日頃、熱気が纏わり付く(まとわりつく)蒸し暑い頃になります。私たちは、この暑さを打ち水などで凌ぐ(しのぐ)ことしかできませんが、木や草花は緑を益々濃くして夏を歓楽(かんらく)しているようです。
3 「末候」…大雨時行(たいうときどきにふる)、8月2日から8月6日頃、夕立や台風などの夏の雨が激しく降る頃になります。綺麗な青空に湧き上がる入道雲は、夕立を教えてくれます。雲の頭が坊主頭に見えることから、入道雲と呼ばれています。

大暑の食べ物
●ゴーヤー
沖縄県の特産物であるゴーヤーは、独特の苦味があり、水にさらしたり塩揉みをしたりすることで苦味が軽減されます。
●ズッキーニ
ズッキーニにはビタミンCが豊富に含まれ、コラーゲンの生成を促す効果が期待できます。また、カリウムは体内の余分なナトリウムを排出に、むくみ解消効果がきたいできます。さらに、葉酸は細胞の生まれ変わりを促進する効果があると言われています。

大暑の花
●白粉花(おしろいばな)
黒い種の中にある白い粉を少女たちがおしろい代わりにして遊んでいたことから、この名前が付けられたというのです。花は夕方に開き始め、翌朝に萎んでしまうことから、夕化粧とも呼ばれています。

大暑の行事
●ねぶた祭/ぬぷた祭
「ねぶた(ねぷた)」という言葉は「眠り」が元で、睡魔をはらう「眠り流し」という意味合いからきているという説があります。また、7月7日の夜に灯籠と一緒に穢れ(けがれ)を川や海に流して無病息災を祈る行事だった「七夕祭り」があり、その灯籠(とうろう)が「ねぶた」と呼ばれたことから「なぶた流し」隣、今の青森ねぶた祭のねぶたの海上運行がその名残となっている説もあります。現在は、たくましい武者の絵が描かれた灯籠がまちを練ります。

大暑の虫
●カブトムシ
カブトムシはいつの時代も夏の昆虫の王様で、にょきっと頭に生えた立派な角、相手の虫をひっくり返してしまう様子は迫力があります。

大暑の魚
●金魚(きんぎょ)
夏祭りの定番であり、子供から大人まで人気のある「金魚すくい」。金魚とは中国語金余と同じ発音で、お金が余ることから金運上昇の意味があり、縁起物とされています。

VOL592 乾姜について

乾姜(かんきょう)とは、ショウガ科ショウガの根茎を湯通し、又は蒸した物を称します。
生姜は生の状態を称し、吐き気や食欲不振を改善する健胃作用、解熱や咳止めなど効果があるとされています。ちなみに生姜の場合、微温性で発散発汗作用で、熱を冷ます効果があり、風邪症状の緩和、解熱作用があるとされています。
乾姜は、生のしょうがに熱を加えることによって、成分量の変化により、効能が変わることとなります。乾姜は、身体を中から温める作用があり、胃腸の冷えている下痢や便秘、腹痛になりやすいです。乾姜は大熱性といった温かさが持続する効果があるため、冷え性改善には生のしょうがより効果的とされています。

乾姜について
1、 乾姜含まれているギンゲロールは、抗酸化作用があり、アンチェイジング効果が期待できます。また、免疫力アップや、殺菌作用から胃腸の調子の改善や風邪予防効果も期待できます。
2、 乾姜に含まれているショウガオールは、血管を拡張させ、血行を良くする効果があるとされ、冷え性予防や生理痛の鎮痛効果が期待できます。

VOL591 白芍について

白芍(びゃくしゃく)とは、ボタン科の芍薬(しゃくやく)の根を乾燥したもので、皮を除去したものを白芍(びゃくしゃく)と称します。ちなみに皮付きのものを赤芍(せきしゃく)と称します。豆知識としては、芍薬の「芍」は薬を意味します。芍薬は「薬中の薬」という意味です。芍薬は、鎮痛、鎮痙薬として知られ、筋肉とくに腹直筋を緩和する効果があるとされています。

白芍について
1 白芍(びゃくしゃく)に含まれているペオニフロリンは、鎮痛鎮静効果が期待できます、また、筋弛緩、抗痙攣(けいれん)、血管拡張、抗炎症など幅広い効果が報告されています。さらに、肩こり、筋肉のこり、腹痛、身体疼痛、手足のひきつれ、胃痙攣、下痢などの応用もできるとされています。
2 白芍は薬酒として使用し、アルコールとの相乗効果により、さらに緊張を緩めて、血の巡りをよくする効果があると言われています。
3 白芍は女性ホルモンのバランスを整える効果があるとされ、更年期障害や生理不順、生理痛など女性特有の疾患に対しても効果を発揮します。
4 白芍は精神安定効果があるとされています。

VOL590 紫蘇梗について

紫蘇梗(しそうこう・しそきょう)とは、シソ科の一年草であり、シソやちりめん紫蘇の茎を用いることを称します。中国原産で、2000年前から栽培されています。日本では平安時代以前から栽培されていました。中には、青紫蘇(あおじそ)と赤紫蘇(あかじそ)の2種類があり、薬用にも食用にもいずれ使われています。但し、紫蘇の場合交雑などで品種が変わりやすいため、薬効性を保つ為に原種に拘っています。
紫蘇は茎だけではなく、葉、種も生薬として利用されています。成長段階に合わせて芽紫蘇(めじそ)、花がついた花穂(はなほ)、実が入った穂紫蘇(ほじそ)、それぞれ日本料理に使用され、立派な薬膳となります。ちなみに、紫蘇の全体が風邪や咳、消化不良に効果があると言われています。

紫蘇について
1 免疫力アップに効果があると言われています。
2 花粉症やアレルギー症に効果が期待できます。
3 発汗を促し、冷えを取る効果があると言われています。
4 気の巡りを良くし、胃腸の働きを回復させる作用があるとされています。
5 魚介類の食中毒予防におすすめの食材となります。

VOL589 冬虫夏草を使った調理例

冬虫夏草の養生スープ

材料
1 鶏もも肉…300g(鶏手羽元を代用することもできる)
2 水…800g程度(お好みで増減する)
3 冬虫夏草…5本
4 黄耆…少量
5 クコの実…少々

調味料
1 塩…小匙1

作り方
1 大きめの鍋に水と鶏肉を入れ、沸騰してからアク取り
2 冬虫夏草と黄耆を加え、強火で沸騰してから、落とし蓋をし、弱火で約60分煮込む
3 塩で味を整え、軽く洗った枸杞の実を散らし
4 盛り付け、完成

VOL588 冬虫夏草について

冬虫夏草(とうちゅうかそう)とは、子嚢菌類(しのうきんるい)のきのこの一種で、土中の昆虫類に寄生した菌糸から地上に子実体を作るものとなります。中医学・漢方薬の生薬、薬膳料理、中華料理などの素材として広く使用されています。
冬虫夏草広義には、ニイニイゼミの幼虫に寄生するセミタケ、蛾の幼虫類に寄生するサナギタケなどを幅広く指します。セミタケの場合は神社の境内、庭園などに分布するニイニイゼミの幼虫に寄生します。サナギタケの場合は、雑木林で蛾の幼虫に寄生します。また、ジャングルにも多くの種が分布しており、その数は1000を超えます。
冬虫夏草狭義には、チベットなどに生息するオオコウモリガの幼虫に寄生して発生するオフィオコルディセプス・シネンシスのみを指す用例があるとされています。1中国では、チベット高原やヒマラヤ地方の海抜3000メートルから4000メートルの高山地帯で、草原の地中にトンネル掘って暮らす大型のコウモリガ科の蛾の幼虫に寄生します。チベット、青海省、四川省を中心に、雲南省、甘粛省、貴州省などでよく見られ、夏に採取されています。この種の蛾は夏に地面に産卵し、約一カ月で孵化して、土に潜り込むが、この時に冬虫夏草の真菌に感染すると、幼虫の体内で菌がゆっくり成長し、幼虫は約4年で成虫となるが、幼虫の中で徐々に増えた菌は、春になると幼虫の養分を利用して菌糸が成長を始め、夏に地面から生えます。地中部は幼虫の外観を保っており「冬虫夏草」の姿となります。

冬虫夏草について
冬虫夏草薬用の場合、国内では冬虫夏草のエキスは生体全組織におけるATPの効率的な生産を可能にし、生体全機能の向上改善に寄与すると考えられています。毒性作用は認められていなく、冬虫夏草菌類から免疫抑制物質が発見されており、それをもとにした創薬が期待されています。
冬虫夏草食用する場合、薬膳料理によく使用されています。また、四川料理における利用では、アヒルの腹にお湯で戻した乾燥冬虫夏草をつめ、ネギや生姜、紹興酒などを加えてじっくり煮るスープ「虫草鴨子(ちょんつぁおやーず)」が最も有名です。さらに、薬酒を作る材料としても使用されています。

1.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/冬虫夏草