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VOL625 山梔子について

山梔子(サンシシ)とは、アカネ科クチナシ属の常緑低木で、その果実を乾燥したものものは生薬になります。東アジアの朝鮮半島、中国、台湾、インドシナ半島に広く分布し、国内では本州の静岡県以西、四国、九州、南西諸島の森に自生しています。その果実は薬用になり、カロテン、イリノイド配糖体のゲニポシド、ゲニポシド酸、フラボノイドのガーデニンや、精油などが含まれています。ちなみに、カロテンはプロビタミンAとも呼ばれ、人間の体内で吸収されてビタミンAに変化します。また、乾燥させた果実は古くから黄色の着色料として用いられます。

山梔子について
1 山梔子(サンシシ)は、生薬の一種で、果実を水で煮だしエキスには、胆管や腸管の狭まりを拡張させる効果があるとされています。
2 山梔子(サンシシ)、消炎、利尿、止血、鎮痛、鎮痙(痙攣を鎮める)効果があると言われています。

山梔子の注意点
1、 胃腸が冷えやすい人の服用は禁忌(きんき)
2、 妊婦の服用は禁忌

VOL624 茴香について

茴香(ういきょう)とは、セリ科ウイキョウ属、多年生の草木植物で、ウイキョウ属唯一の種になります。茴香は伝統なハーブとして知られ、英語名はフェンネルとも呼ばれています。甘みのある香りと樟脳(しょうのう)のような風味で、古くから香辛料や薬草などとして用いられています。
生薬の茴香は、秋に成熟した果実(種子)を集めて乾燥したものになります。

茴香について
1 茴香(ういきょう)は、生薬の一種で、健胃、鎮痛などの効果が期待できます。
2 茴香は、食欲減退、腹痛、下腹部痛、神経質で胃痛や胸焼けがあるなどの症状によく用いられます。

VOL623 白露について

今日は9月7日(土)、二十四節季の第十五番の白露(はくろ)です。「暦便覧」では、「陰気ようやく重なりて、こごりて白色となれば也」、と説明をしています。夜の間に大気が冷え込み、草花や木に朝露(あさつゆ)が宿り始め、野には薄の穂が顔出し、秋の趣がひとしおかんじられ、空が高くなり、本格的な秋の到来を感じられる頃になります。日中の暑さも和らぎはじめ、朝夕の心地よい涼風に、幾分の肌寒さも感じさせる涼風が混じり始めます。
「白露の候」とは、白露の日から、次の節季「秋分(しゅうぶん)」の前日まで使うことができます。今年の秋分は9月22日の為、9月7日から9月21日までは「白露の候」と称することができます。

「白露の三候」
「初候」…9月7日~9月11日頃、草露白(くさのつゆしろし)、草花の上に降りた朝露が、白く涼しく見え頃になります。夏から秋への変わり目、「露が降りると晴れ」という言葉があり、一日の天気を伝えてくれます。
「次候」…9月12日~16日頃、鶺鴒鳴(せきれいなく)、鶺鴒の声が響き渡る頃になります。鶺鴒(せきれい)は水辺を好む鳥の為、川の上流に行くほど多く見られ、町中ではあまり見かけられないかもしれませんが、民家の軒下などにも巣を作ります。
「末候」…9月17日~9月21日頃、玄鳥去(つばめさる)、暖かくなる春先に日本にやってきた燕(つばめ)が暖かい南に帰って行く頃になります。来年の春先にまた戻ってくるので、しばしのお別れとなります。

白露の食べ物
⚫️南瓜(かぼちゃ)
おかずにもお菓子にも使える南瓜は、免疫力を高めるβ-カロテン、冷え症改善に良いビタミンEが多く含まれているので、季節の変わり目である現在の時期にぴったりな食材になります。
⚫️秋刀魚(さんま)
秋の味覚の代表である秋刀魚、美味しい秋刀魚は皮がピンとハリ、背が青黒く光っています。頭から背中にかけて盛り上がり、口先が黄色をしているのは脂が乗っている証です。

白露の花
●鶏頭(けいとう)
鶏の鶏冠のような花を咲かせることから、この名前が付けられました。鶏冠系、久留米系、キルドシー系、プルモサ系と四つの系統に分かれており、草丈や花の形は様々です。

白露の行事
⚫️中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)
旧暦8月15日は満月にあたり、「中秋の名月」又は「十五夜」とも呼びます。ちょうど里芋の収穫時期でもあるので「芋名月」とも呼ばれています。日本では月見団子やススキをお供えしますが、地域によっては芋や栗もお供えられます。

VOL622 知母について

知母(ちも)とは、リュウゼツラン科ハナスゲ属に属する植物の一種、多年草、その根茎を乾燥したものを称します。春又は秋に根茎を掘り出し、地上部と根を除いて陰干しするものは毛知母(もうちも)と称します。また、外皮を削り取り天日干しで乾燥するものは知母肉(ちもにく)と称します。中国東北部河北省などに自生し、5月から6月にかけ白黄色から淡青紫色の花を咲かせます。

知母について
1 知母(ちも)は、生薬の一種で、消炎、解熱作用があるとされています。
2 知母は、鎮静作用もあり、利尿効果も期待できます。
3 知母は、発熱による下痢、便秘、脱水、排尿障害にを治す漢方薬として使用されています。

VOL612 麦門冬について

麦門冬(ばくもんどう)とは、キジカクシ科多年草であり、ジャノヒゲの根を乾燥させたものを称します。麦門冬は5月頃に掘り取り土を落とし、根の膨大部のみをとり、水洗いして、乾燥させます。主な産地としては中国の浙江省、四川省などになります。

麦門冬について
1 麦門冬(ばくもんどう)に含まれているサポニンは、抗酸化作用を持ち、悪玉コレステロールの酸化の予防効果があるとされています。また、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病のリスクを減少させる効果が期待できます。さらに、血流の改善や、過酸化脂質の抑制、肝機能低下の抑制、免疫力向上に効果があるとされています。
2 麦門冬に含まれているフラボノイドは、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用、デトックス作用、アンチエイジング効果があるとされています。また、ストレス緩和、がん抑制、免疫力を整え、血液サラサラなどの効果があるとされています。
3 麦門冬は、鎮咳、去痰、止渇、滋養強壮作用などが期待できます。

麦門冬の副作用について
1 胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気
2 ごくまれに、間質性肺炎(空咳、発熱)、偽アルドステロン症(高血圧、身体のだるさ)、ミオパチー(倦怠感、筋力低下)、肝機能障害(身体の痒み、皮膚が黄色くなる)がみられるケースがあります。

VOL620 半夏について

半夏(はんげ)とは、学名はカラスビシャクで、サトイモ科の植物の一種で、根茎を乾燥させたものを称します。花は小型の仏炎苞(ぶつえんほう)で、ひものような附属体が上部に伸びるのが特徴です。半夏(はんげ)は、なるべく大きいのがよく、桶に砂と一緒に根茎を入れて水を加え、板で攪拌(こうはん)して外皮を完全に取り除き、水洗いを重ねて砂、皮を取り除いて、生石灰(せいせっかい)をまぶして、筵(むしろ)に広げて天日干しして、乾燥させます。

半夏について
1 半夏(はんげ)は、咳、たん、口の渇きに効果があるとされています。
2 半夏は、胃の不調、吐き気などに効果があるとされています。

半夏の副作用について
1、 発疹、発赤、かゆみ

VOL619 茯苓について

茯苓(ぶくりょう)とは、サルノコシカケ科の菌類の一種で、アカマツ、クロマツなどのマツ属植物の根に寄生しています。菌核の外層をほとんど取り除いたものは茯苓と称します。

茯苓について
1 茯苓(ぶくりょう)は、胃腸の動きを促進して、食欲不振、消化不良などに効果があるとされています。
2 茯苓は、むくみ改善効果があるとされています。
3 茯苓は、精神を安定させる作用があるとされています。
4 茯苓は、美白効果などもあるとされています。

茯苓の副作用について
1、 発疹、発赤、かゆみ

VOL618 黄精について

黄精(おうせい)とは、ユリ科アマドコロ属、多年草植物、ナルコユリの根茎を乾燥させたものを称します。ナルコユリは初夏に鈴が連なるような小さな花をたくさんつけ、花の様子が鳴子に似ていることから、ナルコユリと呼ばれるようになったのです。黄精(おうせ)は日本原産で、生薬として使用しているのは、根茎の部分で、弱い匂い、味も僅かに甘いです。

黄精について
1 黄精(おうせい)は、滋養強壮剤として、虚弱者や病後の体力増強、精力減退に効果があるとされています。
2 黄精は、抗菌、抗真菌効果があるとされています。
3 黄精は、血圧降下、血糖降下、肝臓からの糖質放出抑制作用があるとされています。
4 黄精は、食欲不振や咳に効果があるとされています。

VOL617 牡丹皮について

牡丹皮(ぼたんぴ)とは、牡丹の根の皮を乾燥したものを称します。牡丹はボタン科ボタン属の落葉低木で、中国原産となり、根の樹皮部分に薬効性があり、古くから生薬として使用されています。

牡丹皮について
1 牡丹皮(ぼたんぴ)の薬効成分はぺオノールで、消炎、解毒、止血、鎮痛、浄血、月経痛、子宮内膜炎などに効用があるとされています。
2 牡丹皮は、婦人病や下腹部、下肢、腰部の化膿症に効果があるとされています。
3 牡丹皮は、美白、抗酸化、血流促進、育毛効果もあるとされています。

牡丹皮の副作用について
1、 食欲不振、軽い吐き気
2、 腹痛、下痢

VOL616 何首烏について

何首烏(かしゅう)とは、タデ科の蔓性多年草で、学名ツルドクダミで、何首烏は生薬名になります。中国原産で、国内では本州から四国、九州、沖縄まで分布する帰化植物として知られています。山野や市街地周辺の空き地、道端、生垣などで見られます。
ツルドクダミの地下にある塊根を漢方薬の生薬として利用、何首烏(かしゅう)と呼び、古くから不老長寿ための滋養強壮剤として利用されています。国内では江戸時代と近年になって、漢方薬として栽培されたが、その後一部が野生化し、東京都心部でも見られるが、これも大名屋敷などで栽培されたのが逸出したものと言われています。

何首烏について
1 何首烏(かしゅう)は昔から不老長寿の妙薬として知られています。
2 何首烏は、滋養強壮剤としても珍重されてきました。
3 何首烏は、脱毛や若白髪に対する効果があるとされ、市販の育毛剤にも配合されています。
4 近年何首烏は血液中のコレステロールを低下させる効果があると言われています。

何首烏の副作用について
1、 肝炎や黄疸などの肝臓へ副作用の疑いの報告があります。