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VOL678 栝楼根について

出典:https://www.kampo-view.com/syouyaku/ka004

栝楼根(かろこん)とは、ウリ科トウカラスウリ、キカラスウリなどの根を乾燥したものを称します。中国原産とされ、秋期に根を掘り出し、水洗いしてコルク皮を除き、乾燥させます。ちなみに種子を乾燥したものは栝楼仁(かろにん)と呼ばれています。栝楼根(かろこん)はほとんど匂いがなく、味は僅かに苦いです。

栝楼根について
1 栝楼根(かろこん)は、生薬の一種で、生津止渇効果があるとされています。
2 栝楼根(かろこん)は、肺熱、肺燥による空咳の改善効果があるとされています。
3 栝楼根(かろにん)は、消腫化膿効果があるとされています。

VOL677 胡麻を使った調理例

胡麻しるこ

胡麻しることは、中国をはじめ、台湾、シンガポール、香港によく知られている定番デザートのこと言います。

材料(2人分)
1 黒胡麻…約100g
2 米粉(上新粉)…約20g
3 砂糖…大匙2(約20g)
4 お湯…適量

作り方
1 黒胡麻をミキサーにかけ、細かくなればなるほど、食感が滑らかになる
2 フライパン米粉(上新粉)と砕いた黒胡麻を入れ、弱火で素早く炒める
3 胡麻の香りが一層香ばしくなり、米粉(上新粉)の色が変わってきたら、出来上がり
4 好みで砂糖を加えて、よく混ぜ合わせる
5 鍋から取り出し、粗熱を取り、密閉容器に保存
6 好みの量を器に入れ、お湯を加え、しっかり混ぜる
7 でき上がり
分量を増やして、多めに作り置きして、忙しい朝にお勧めの一品です。糖分が気になる方は、砂糖を入れずに作ることもできます。

VOL676 黒胡麻について

胡麻(ごま)は、ゴマ科ゴマ属の一年草です。胡麻(ごま)の原産地はアフリカのサバンナ地帯だと言われ、今のエジプト南部かスーダン北部一帯になります。そこからアラブに渡り、シルクロードを通って中国へ、日本に渡ってきたのは縄文時代晩期になります。胡麻(ごま)は、香りの金胡麻、コクの黒胡麻、甘みの白胡麻と大きく3種類に分けられています。白胡麻は、ナッツのようなコクのある香りが特徴、種皮が柔らかく、噛むと口の中でプチと弾ける音が心地よく感じます。黒胡麻は白胡麻と違うコクがあり、種皮がややかたく、噛むと後から皮の渋みが感じられます。金胡麻は香りが奥深く、コクとのバランスが良くて、噛むとプチプチとした食感と焙煎された香ばしさがあじわえます。
生薬として使用されるのは黒胡麻になります。

胡麻について
1 胡麻(ごま)は、生薬の一種で、肌を潤す効果が期待できます。
2 胡麻は、乾燥した便秘の改善効果が期待できます。
3 胡麻は、かゆみやできものなどを改善する作用があるとされています。
4 胡麻は、老化防止や生活習慣病の予防効果もあるとされています。

胡麻(ごま)の栄養
胡麻(ごま)の栄養成分は、ほぼ50%が脂質で、蛋白質は約20%を占め、炭水化物、ミネラル分等とても栄養価の高い食材になります。特に胡麻栄養成分の半分を占める脂質に、不飽和脂肪酸が含まれています。その不飽和脂肪酸の特徴として、オレイン酸リノール酸が豊富であり、中でもリノール酸は人の身体で作ることが出来ない為、食べ物から摂る必要があります。
胡麻(ごま)にはミネラル分も豊富に含まれ、カルシウムや鉄分、亜鉛が挙げられます。例えば、胡麻大匙1杯(約10g)には、約100gのヨーグルトと同等のカルシウムが含まれ、約50gほうれん草と同等の鉄分が含まれ、約150g牛乳と同等の亜鉛が含まれています。
さらに、胡麻(ごま)と緑黄色野菜と一緒に調理することで脂溶性ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等)が身体に吸収されやすくなります。
胡麻(ごま)の薄い皮は消化されにくいため、いり胡麻のように粒のまま使うより、吸収されやすいすり胡麻やねり胡麻使うことをお勧めします。

胡麻の副作用
1、 胃の不快感
2、 下痢

VOL675 粳米について

粳米(こうべい)とは、イネ科のイネ種子を乾燥したものを称します。実に普段お米としてとても身近にある植物が生薬としての一つで、うるち米の精白していない玄米の状態のものが薬用され、うるち米の方のえい果(玄米)を 粳米(こうべい)と呼ばれています。インドおよび東南アジア原産の多年草で、縄文時代晩期に渡来したと言われています。主な成分として、澱粉(でんぷん)、デキストリンなどが含まれています。匂いが弱く、味は僅かに甘いです。

粳米について
1 粳米(こうべい)は、生薬の一種で、補気、健胃作用などの効果が期待できます。
2 粳米(こうべい)は、下痢・腹痛の改善効果、食欲不振の改善効果もあるとされています。
3 粳米(こうべい)は、健胃、消化促進効果などがあるとされています。

VOL674 荊芥について


  
出典:https://www.kampo-view.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/ka016.png

荊芥(けいがい)とは、シソ科の一年草で、荊芥の花穂を乾燥させたものを称します。国内の場合花穂のみを生薬として使用されています。荊芥は中国原産で、中国の場合は花穂のついた全草を生薬として使用、花穂だけを荊芥穂と呼び、茎葉のみは荊芥梗と呼ばれています。荊芥の味や香りは紫蘇(しそ)に似ています。

荊芥について
1 荊芥(けいがい)は、生薬の一種で、発汗、解熱解毒剤として使用されています。
2 荊芥(けいがい)は、頭痛や眩暈(めまい)の改善効果があるとされています。
3 荊芥(けいがい)は、皮膚炎の消炎効果があると言われていたます。

荊芥の副作用について
1、 食欲不振、胃部不快感、悪心
2、 嘔吐、下痢
3、 発疹、発赤、かゆみ

VOL673 小雪について 

今日は11月22日(金)、二十四節季の第二十番の大雪(しょうせつ)です。
「暦便覧」によると、「雪いよいよ降り重ねる折からなれば」、意味としては雪が降り始めることになり、まだ積もるほど降らないことから小雪といわれたようです。
「小雪の候」とは、立冬の日から、次の節季「大雪(たいせつ)」の前日まで使うことができます。今年の大雪(たいせつ)は12月7日の為、11月22日から12月6日までは「小雪の候」と称することができます。

「小雪の三候」
1 「初候」…虹蔵不見(にじかくれてみえず)、11月22日から11月26日頃、曇り空が多くなる頃、日射しが弱まり、虹を見ることが少なくなります。見ることができても、夏の空のようなくっきりとした虹ではなく、ぼんやりとすぐに消えてしまいます。
2 「次候」…朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)、11月27日から12月1日頃、冷たい北風が木々の葉を落とす頃になります。朔風とは北風のことで、地面いっぱいに広がる落ち葉と、葉と落とした木々は冬の景色の象徴であり、季節の移り変わりが感じられます。
3 「末候」…橘始黄(たちばなはじめてきばむ)、12月2日から12月6日頃、橘の実が黄色くなっていく頃になります。橘とは柑橘のことで、古くから日本に自生していました。常緑植物であることから「永遠」を意味するとされ、不老不死の実だと言われていたようです。

小雪の食べ物
●蜜柑(みかん)
ビタミンC以外にも多くの栄養素が含まれ、骨粗しょう症の予防に効果的です。冬はこたつに入りながら蜜柑をたべるというスタイルが定着していますが、食べ過ぎると身体が冷えてしまい逆効果になります。
●法蓮草(ほうれんそう)
ヨーロッパでは「胃腸のほうき」と言われているほど、消化吸収がよく、食物繊維が多く含まれています。胃腸を整え、貧血予防効果も期待できます。
●蟹すき鍋
寒い時期にぴったりな蟹すき鍋、淡白で食べ応えのあるタラバガニが向いています。旨味をじっくり味わうにはズワイガニがおすすめです。

小雪の鳥
●翡翠(かわせみ)
鮮やかな色から、「青い宝石」や「渓流の宝石」と呼ばれています。この色は構造色といい、翡翠の色素によるものではなく、光の加減で青く見えています。

小雪の行事
●新嘗祭(にいなめさい)
11月23日新穀の収穫を感謝するお祭りで、この年に収穫された穀物を食すことを「新嘗」といいます。元々は、全国民の祭典のようなお祭りでしたが、勤労感謝の日ができてからは、一部の神社で行われるようになりました。

VOL672 季節の変わり目 ―おすすめのデザートスープ

白木耳、なつめ、コクの実と氷砂糖をコトコト煮た薬膳デザートスープは、薬膳の世界ではお馴染みのレシピとなります。

材料
1 乾燥白木耳…約5g
2 なつめ…4個
3 クコの実…約5g
4 氷砂糖…適量

作り方
1 白きくらげはよく洗い、水に1時間ほど浸けておく。柔らかくなったら、石づき(硬くて黄色いとこ)を取り除く。
2 なつめは、洗ったら水に30分程度浸ける。
3 鍋に1L水、白きくらげとなつめを入れ、強火で沸騰させ、弱火で1時間程度煮る。
4 季節の果物をお好みで加え、さらに20分程度煮る。
5 火を止め、軽く洗った枸杞の実と氷砂糖を加え、氷砂糖が溶けたら完成。
6 出来上がったら、30分程度蒸らす(それにより白きくらげがとろとろの食感になる)盛り付け、完成

注意点
⚠️糖尿病の方は甘味を入れずにそのまま召し上がってください
⚠️秋冬は暖かいままで召し上がることをお勧めします!

VOL671 季節の変わり目に―おすすめの薬膳スープ

材料
1、 薬膳スープキット…1袋
2、 鶏肉…約150g
(もも肉もしくは手羽先)
3、 水…500ml
4、 塩適量
5、 料理週(お好み)

作り方
1、 椎茸スライスと黒きくらげを水で戻す(30分程度)
2、 なつめ、黄芪は軽く洗い、枸杞の実は軽く洗って水気を切る
3、 鶏もも肉は食べやすい大きさに切る
4、 沸騰したらアクを取る
5、 落とし蓋をして、中火で20分ほど煮て、さらに弱火で10分
6、 枸杞の実を加え、塩で味を整えたら火を止める
7、 盛り付、お込みでオリーブオイルを一回しする

VOL670 秋から冬へ 養生方法

秋から冬、自律神経に負担かけない為の養生方法
1、 じっと落ち着かせること
2、 呼吸によって自律神経を整えること
3、 自律神経を整える栄養素を摂ること
4、 睡眠をしっかり取ること
5、 決まった時間に食事をする

季節の変わり目の食事
1、 潤いできる食材を取り入れること
2、 旬を食べる
3、 冷たいものを避けましょう

VOL669 秋から冬へ 季節の変わり目

秋から冬へ、夏の湿気が払い、心地よく感じることの多い反面、夜の気温がぐっと下がり、いろいろな体調不良が起こりやすくなります。例えば、何もないですが不安感が強く感じる、気持ちがイライラする、気持ちが落ちこみやすくなる、ソワソワ落ち着かない等が挙げられます。

まず、寒暖差は秋から冬への体調不良が起こりやすい原因

身体は気圧や気温の変化に伴い、必ず血流が変化し、寒い時寒いなりの血流に、暑い時には暑い時の血流になります。その調節を実際に行っているのが自律神経になります。自分の意志とは関係なく、血流を自律し、勝手に調節してくれます。その為、身体が急激な寒暖差を受け血流が急激に変化することによって、自律神経も急激に働かなくてはならなくなります。この中で自律神経が機敏に働くことのできる人なら問題ないですが。しかし、自律神経の動きが緩慢になったり、常に緊張しったり、興奮の方と傾いている方では、急激な変化に対し、自律神経が過剰に動いてしまうことが多いです。つまり、自律神経が機敏かつ落ち着いている方に比べて、自律神経ががむしゃらに働こうとしてしまうイメージになります。

また、自律神経ががむしゃらに働こうとする結果、様々な緊張性、興奮性により起こりやすくなる主な症状
1、 不安感、焦り、イライラする、落ち込み
2、 動悸
3、 眩暈
4、 息苦しい
5、 過呼吸
6、 血の気が引く
7、 冷や汗が出る
8、 吐き気がする
9、 手足が震える
10、 耳鳴り
11、 耳が塞がる(耳閉感)
12、 胃痛
13、 胸やけ
14、 鼻水、鼻炎
15、 腹痛